雲ひとつない見渡す限りの青空が迎えてくれた今朝であるが、しかし、起床時はまだそんなことを分からぬ未だ真っ暗な朝5時。ここ連日の登山で早起きはなれ、いつもなら寝袋から這い出るのがやっとであるのに、今朝に限ってはここ連日が4時起きだっただけに逆に朝寝坊を楽しんだそんな気分であった。そして自炊しながらテントを中で夜明けを迎える。その光に誘われテントを開ければ目の前には今から向かう男体山、そして女峰山の山峰が驚くほど近くに、もう目の前というところに聳えていた。明日、登る山なのだが、今日ここからでも登れるのではと思うほど、その山容は巨大なゆえに間近に見えたのだろうか。そしてテントから大きく顔を出し光の方向へと振り向けば、その広がる関東平野の先には見事なまでの朝焼けが迎えてくれていた。朝焼けとしてはこの旅最高ではないだろうか、山間部ばかりで夕日や朝焼けを見る機会が意外と少ない。私の旅の中で夕日といえば高知県で連日見た美しさが忘れられない。そして朝日は今日になるだろうか、そんなことを思いながら朝の出発準備に励んでいた。
そんな快晴の今日、目指す先は目の前に聳える男体山の登山口となる中禅寺湖畔であるが、そこへと行く為には大きな難所が待ち構えていた。あの名高い”いろは坂”だ!私の中では自転車では通りたくない坂のひとつに前々から上げ、当初の予定では下りはするが上る予定はなかった。しかし、もうここに来てから何度も書くが、5月の残雪規制によりルートを大きく変えられ、こうして今回、男体山へと向かうために向かわなければならなくなったのだ。普通のチャリダーなら挑戦心いっぱいで望みそうな坂であるが、しかし私の場合は自転車を漕ぐのを楽しみに、また自転車に挑戦して旅をしている訳ではないので、出来れば避けたい坂である。しかし、こうして自分で決めた登山の為に上らざるえなくなり、そうとなれば自然と気合の入るのも事実であり、「頑張ってくれよ!」と太ももに声掛け叩きながらの7時前の今日は早い漕ぎ始めであった。
そんな難所へと向けての今日のスタートであったが、しかしその前に日光といえば東照宮。その観光が待っていた。しかし、もうこの東照宮へは以前に2度ほどすでに参拝へ来たことがあり、拝観料も高いことから今回はそのまま通過しようとも当初は考えていた。だが、その東照宮以外にも見所多いことを知り、また、日光の町の雰囲気、空気に触れたいと、今までの観光にはない日光を見てみたいとも思い漕ぎ始めていた。そんな道はもう最初から上り坂・・・ そして日も昇ったばかりだというのに暑いこと暑いこと、久しぶりの平野部の暑さに苦しめられながら、まずは日光の市街を抜けていく。今も昔変わらないだろう趣を残す老店舗の和菓子屋など並ぶ中を気持ちよく漕ぎ進んでいると、ふと頭上になにやら気配を感じた。目線を移すと猿である。いろは坂周辺では何度か見たことあったが、この市街にまで出没しているとは驚きを感じながらも、日光らしい光景でもあるとも思いながら走りぬけ、そしていよいよ東照宮を中心とした寺社並ぶ地帯へと入っていった。
まず最初に迎えてくれるのは真っ赤な橋の”新橋”で、「いよいよ日光参拝に来たぞ!」と気持ちを高ぶらせてくれる参道であるはずなのだが、しかし、今回ばかりはそのお目見えはなく、修復中との事で全く望むことが出来ず、これには期待していただけにショックを受けるが気を取り直して表参道へと自転車を進め、連休のせいか早朝から混み合う中へと自転車を置き徒歩へと変え溶け込んでいった。
購入した拝観券は各寺社の共通券。東照宮しか見たことのない私には打って付けの券であり、さっそく日光山輪王寺から参拝&観光は始まった。そして懐かしの家康公を祀る東照宮参拝、さらには明日登る男体山を祀る二荒山神社へと足を運び、最後に家光公を祀る大猷院廟と参拝。どれもこれも目を見張る美しさ、そして豪華さであり、家康公、さらには徳川幕府の力の強さをまじまじと感じた。終いにはその贅沢さに言葉を失い、そしてため息が凝れるほどで、金箔や透かし彫りで装飾なされた建物群を眺めていた。ちなみに今日が連休の真っ只中ともあり、かなりの混み様であり、ウンザリさせられるほどであったが、しかし良いこともあり、ツアー客などの団体客に混じり一緒に説明を聞いたりと身になる観光にすることができた。ここでそんな内容、歴史をじっくりと述べたいところだが、主旨が違うので、簡単に各寺院を下記に説明し、また呼吸を忘れるほどの見事な東照宮の様子は写真で感じてもらえれば嬉しいです。
いろは坂の終点といってもいい展望台からは見事な景色が広がっていた。登りきった達成感を味わうのには最高の場所であり、一息つくのだが、しかし私の場合すべてが過程であり、ここもただの通過点であると思っているだけに喜んではいられない。いや、本当なら喜びたいところだが、しかし、そうすると自分に負けそうで常に気を張り詰めて神経を尖らせている気がする。そんな自分を見つめながら、そして、いつの間にか雲に頭を隠した男体山を見つめながら、その展望台は明智平を後にした。
この後、のんびりと中禅寺湖周辺を散策。もう何度も訪れている日本三名瀑のひとつ華厳の滝を今回も見学するが、さすがに三大と言っても何度も来ているだけに感動は少ない。逆にこの観光地という雰囲気、空気が自分には面白く、山の静けさ、そして都会のざわめき、そのどちらにもない、独特の空気を肌で感じながら、ここでのんびり夕方の時間を過ごし、そして最後は中禅寺湖のほとりに寝床を見つけて落ち着いた。そして、緊張の糸が解れた瞬間、どっと疲れが全身を襲い、とてもすぐにHPの更新という気力生まれず、仮眠してから、そう思ったが最後、そのまま熟睡してしまい結局起きること出来ずに寝付いてしまった。
★今日のお食事♪
・朝食 : ごはん・レトルト丼・味噌汁
・昼食 : コンビニミニ弁当・パン
・夕食 :
ごはん・レトルトラーメン