車輪人の自転車日本一周・登山の旅 車輪人の自転車日本一周・登山の旅

2003年 10月17日 (金) - 467日目

天気 :

体調 : 良好

宿泊地 : 沼尻・高原ロッジ

本日の移動 : 三春町~(車)~猪苗代町~安達太良山登山~猪苗代町

走行距離 : 0.0km

累計距離 : 21,166km
本日の出費

食費 : 0円

観光費 : 0円

宿泊費 : 0円

雑費 : 0円

費用詳細 :

現在地 : 福島県猪苗代町  ( 全走行図 )

ルート

 ※コースタイム:沼尻高原(8:50)~鉄山避難小屋(11:00)~休憩(30分)~山頂着(12:05)~山頂発(12:30)~沼尻高原(14:50)

 今日も連日の青空広がる中を朝早くから車を走らせ昨日自転車を置いてきた沼尻高原へと千葉さんに送っていただいた。まだ時間は6時半、今日登る安達太良山の全容をはっきりと真っ青な空に浮かび上がらせ、眺める私は登山意欲を高鳴らせながらも、こんな朝早くから送って頂けることに申し訳なく思い、また感謝の気持ちいっぱいの中、車はその登山口にあたる沼尻高原へと到着した。

 またの再会を約束し千葉さんと別れ、いよいよ登山開始だ!でも、その前に新聞の取材。昨日、この沼尻の高原ロッジを尋ねた時に、温かく迎えてくれた支配人の河崎さんの紹介で、こうしてこんな朝早くにも関わらず、この沼尻へと記者の市村さんがわざわざ来てくれ、そして取材。ありがとうございました。登山の出発前には再度、河崎さんにお礼をいい、またルートのアドバイスまでして頂いて、そのお勧めルートで安達太良山登山が始まった。

今日も元気に
千葉さん宅を出発♪
沼尻・高原ロッジにて
田部井淳子さん資料館
福島民友新聞
市村さんと

 さあ、どんな山だろうか、期待が込み上げる中、まずは今回も磐梯山の時と同様にスキー場脇を上って行き、登りつめると広い開けた駐車場へと出る。そこは以外に賑わいを見せて、紅葉を取りに来る写真好きな方々、また登山が目的な方、そして一番多そうなのが、白糸の滝と呼ばれている名瀑を見に来る人たちだろうか。登山道をしばらく登って行くとその滝を見下ろす展望台へと出るそうなのだが、しかし、私は勧められたちょっとマイナー登山道を進む。いや、登山道というより、温泉の湯を引き管理する為の作業道で、登山地図には危険マークのある難路という表現で書かれていたのだが、しかし実際はやや高度感はあるものの、それに恐怖を抱かなければ技術も何もなくても充分楽に通れる程度で難易度は高くない。そんな登山道に苦戦などしているよりも、目の前に広がる紅葉に見せられ進まなくなるほど!足を何度も止めデジカメで撮影し、一眼レフでも撮影し、そして肉眼で楽しみ、さらには目の前の断崖絶壁に落ちる白糸の滝まで現れた。滝だけみれば決して豪快で素晴らしいと言うほどの滝ではないが、この景観に囲まれているだけに、もう感動ものの景色で、出発早々、足進まぬ安達太良山登山のスタートとなった。

最高の紅葉色
白糸の滝
白糸の滝・直下

 滝を見下ろしながら越えていくと、先ほどまで紅葉はどこえやら、景色は一変し木々もほとんど生えない先ほどとは別世界、そんな中に走るのが温泉送湯ラインであった。、また至る所に木の枡で作られたラインが設けられ、湯の花を採取できるようにと作られ、また、その採取場跡地と思わせる茅葺屋根の小屋が何件か建ちならび、今は朽ち果てているその風景に時代の流れを感じると共に、その異様な景色にも見せられ、また先ほどと同じように何度も足を止めては写真撮影、さらには朽ちた小屋の散策等、ついつい魅入ってしまっていた。このペースで山頂に無事に辿り着けれるだろうか、まだほどんど標高を稼いでいないために、そんな不安も過ぎりながらも楽しんでしまっていた。

道はなかなか険しい・・・
湯の花採取場
湯の花採取場
寂れた神社と胎内方面
真っ白い沢が流れる
静かな登山道を行く

 こうして温泉流れる沢沿いに進んでいくと時期に沢を離れ本格的なのぼりへと入っていった。とはいっても他のきつい登りに比べれば大した登りではなく一踏ん張りで崖を駆け上がり、そして最後は巨石の断崖並ぶ岩へとたどり着く。山の崖に延々と続くだけにどこからこれを越えていくのだろうと疑問に思いながら岩沿いを進むと、ちょっとした岩の割れ目が登山道となっており、その間を攀じ登っていくと、今度現れた岩は登るにはちょっと辛い絶壁・・・ しかし良く見てみると、岩に書かれた案内表示は下の僅かな隙間を指している。覗き込むと一人がやっと通り抜けれるほどの穴が先へと抜けていた。まさか、ここをくぐるのか?と疑いながらもどう見てもここしかない。また地図を見ても”岩くぐり”と書かれている。間違いないここだ。辺りは巨石に囲まれこの辺りの岩を”胎内岩”と言うらしいく、まさにこの穴は胎内くぐり。もう名前からも越えればまるで別世界が見えそうで、ワクワクさせ胸を高鳴らせながら、ザックを降ろし、先にザックだけを手で押し上げて穴に通す。もちろん、背負ったままではとても抜けれない為だ。そして自分も本当に抜けれるのかとやや半信半疑で身体を捻らせ越えていった。そして目の前に現れたのは眩しいばかりの強い光だった。そして広がるも景色は一変、こうして荒々しい崖を攀じ登れば、想像もつかないほどのなだらかな大地が目の前に広がった。まるで天界へと登りつめたような気分だ。その想像もしなかった別世界の景色に目を奪われながら、上空散歩気分で気持ちよく頂目指して、また新たな気持ちで歩み始めたのだった。

振り返れば磐梯山も
胎内岩付近の絶壁
絶壁脇を・・・
胎内くぐり
真っ白な沼ノ平
鉄山のだだっ広い稜線
しゃくなげの塔
福島市街を一望
振り返ればいつも磐梯山

 眼下には不気味なほど真っ白な沼ノ平と呼ばれる火口が広がっていた。それもまた別世界。その全てに感動しながら、ほぼ平らな登山道を歩んでいけば、なぜかプロペラが塔に埋め込まれている”しゃくなげの塔”、そしてそのまま散歩気分で鉄山避難小屋まで来たところで昼食タイム♪千葉さんが作ってくれた豪華お弁当を頂きながら、展望を存分に楽しみ、そして食事後もまだ感動冷めやまぬまま、気持ちよく標高差もほとんどない高地の散歩道を鼻歌と共に歩んでいき、鉄山を越え、さらには馬の背を越えていく。左手には福島の町がくっきりと見下ろせ、そして右手には異世界のような真っ白な沼ノ平、そして目の前には草木も生えない荒々しいガレ場の道が続く。そして最後はちょっとした岩場を攀じ登れば安達太良山山頂だ!今日も昨日と変わらず風も穏やかでポカポカ温かく、のーびり山頂で休憩し、そして帰路も展望を楽しみながら稜線沿いを進んでいった。

馬の背付近の稜線
沼ノ平を眺めながら
ついに登頂・安達太良山

 下山路は船明神山を越えて行く。こちらもしばらくは上空散歩が続き、また山頂付近と違ってまた静けさを取り戻す。ちなみにこの安達太良山、東からのルートにはロープウェイがあり、1時間ちょっとで登頂できる楽ちん登山のひとつなのだ。そんなこともあり、そちらからの登山者は多く、山頂付近は平日にも関わらず意外な人の量に驚かさせられ圧倒させられたが、しかし、またこうしてルートを外れれば静かな、日に数組しか歩かないだろう、快適路へと変わる。帰路も先ほどとは反対側から見下ろした沼ノ平のまた違った景色を見ながら歩み、そして、その先は徐々に尾根沿いを下っていき、ハイマツ・樹林帯へと変わると今度は先ほどのガレ場から一変し、まるで田んぼの中を歩いているような泥登山道。靴の甲まで埋まる勢いで泥に紛れビチャビチャ歩いていくのだが、これもまた変化があって悪くもなく、こんな道でも気持ちよく軽快に下っていくと、あっという間にスキー場山頂口である。そこから車道を30分ほど下っていけば自転車を預けた高原ロッジへと到着する。

沼ノ平を見下ろしながら
船明神山付近にて
白糸の滝を見下ろす

 昨日に引き続き今日もお風呂に入らせてもらい、またロッジ前でテントを張らせて貰ってフーッと一息。しかしにんびりしている時間はない。HPが徐々に溜まり始めているだけに進めなければと、やり始めると、支配人である河崎さんが「こんなところでやらなくても中でやればいいのに。」と誘ってくれ、食堂の隅を借りて溜まった日記書きに専念。そんて夕食は作っている時間も勿体なかったために今日は簡単に持っていたパンで済ませていると、なんと河崎さんから、ビールの差し入れ、さらに玉こんにゃく、続いておにぎり、それでもって、最後は美味しいソバが手に入ったからとソバまでご馳走になる。そんな申し訳ないほどいろいろこんな私に対し、してくれた支配人・河崎さんと夜になれば、もう話はどんどん盛り上がり、また、東北登山ガイドの副会長をしているほどの登山のプロだけに、山の話をいろいろして頂いたりと、時間を忘れてビール、焼酎をご馳走になりながら夜は深けていった。そして、23時頃であっただろうか、ガイド研修に信州へと出ていた、ここで働く秀さんが帰ってきた。そんな秀さんも交え、今度は3人で山の話で尽きることなく盛り上がり、時には討論し、今夜も楽しく深けていった。ちなみに就寝は2時過ぎとなってしまっていた。テントへと戻ると降りた夜露は氷りその寒さに驚いたが、しかし寝袋に入ってしまえば温かく、寒さを感じることなく気持ちよく眠りについた。ありがとうございました。

やはり最高の紅葉だ
帰ってきました高原ロッジ
ポツンとスキー場に
テント設営
夜はビールをご馳走に♪
さらに手作りソバまで

 ★今日のお食事♪
 ・朝食 : ごはん・さかな、サラダなどなど
 ・昼食 : おかずいっぱい千葉さんの手作り弁当
 ・夕食 : パン・おにぎり・玉こんにゃくなど




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