車輪人の自転車日本一周・登山の旅 車輪人の自転車日本一周・登山の旅

2003年 10月16日 (木) - 466日目

天気 :

体調 : 良好

宿泊地 : 千葉さん宅

本日の移動 : 三春町~(車)~猪苗代町~磐梯山登山~猪苗代町~(車)~三春町

走行距離 : 13.0km

累計距離 : 21,166km
本日の出費

食費 : 0円

観光費 : 0円

宿泊費 : 0円

雑費 : 0円

費用詳細 :

現在地 : 福島県三春町  ( 全走行図 )

マイナー登山道

 ※コースタイム:渋谷(8:00)~天狗岩(10:30)~小休止~山頂着(11:25)~山頂出(12:30)~弘法清水小屋(20分休憩)~林道終点(14:10)~渋谷(15:10)

 なんとなく私と似ているようにも感じ親しみをもった千葉さん宅の二宮像。今時の学校にはもう見れなくなってしまったこの二宮像だが、そんな二宮像も現代版がこの千葉さん宅の庭園にまるで私を励ますように建てられていた。なんと言ってもこの二宮像、手には本ではなくPC(パソコン)を持っているのである。時間も惜しんで歩きながらもやるこの二宮像の姿が、まるでいつも日記に追い込まれている私の様であり、像にも関わらず、まるで苦労を共にしている仲間のように思え、親近感を覚えてしまった。ちなみに私のそんなPC、旅好きな方にはよく「時間が勿体ない。」とか「旅を無駄にしている。」とも言われるが、私自身も”旅を楽しむ”として見れば確かにそう思う。元々、車ではあるが、PCなどの何の束縛もなく旅をし、日本を周ってきたこともあるだけに、このPCの旅に対する犠牲の大きさも身に沁みて分かるのだが、しかし、今は前と違う。以前、働いてきたときの旅は、休暇であり、ストレス発散の楽しむ旅であったが、しかし、今は自分自身を鍛える旅へと、そして伝える旅へと目的が変わってきている。この”日記を書かなければいけない”と自分に旅の中で義務つけたことだが、それがよいケジメとなり、また、長い旅だけにこのケジメがダラダラしない為にも必要であり、さらには、そうした日々追われる苦労が、1年半も放浪する旅には丁度よい。今も頭を抱えるほどこの日記更新には苦労しているが、しかし、やらなければ良かったと思ったことは1度もなく、自分自身を見つける大切な要素となり、また旅の良いケジメとなり、この日記を書くという行為からも勉強し感じることは無限でと感じている。

現代版・二宮像だが・・・
なんと手にはPCだぁ
高速道路より磐梯山

 やや話は逸れたが、二宮像にそんな親しみを感じながら車に揺られてお世話になっている千葉さんと共に磐梯山へと向った。6時半、まだ日も昇ったばかりの朝の清々しさ漂う中の出発で、そのため起床は5時半と早起き。昨夜も遅かっただけに辛い朝であったが、しかし、その睡魔よりもなにより辛いのが、日記が溜まり始めていることである。1日約3時間の日記作業、1日溜めれば次の日には6時間になって返ってくる。そう思うだけでもう頭を抱えてしまうのだが、しかし、考えていても仕方がなく、今はそのことを忘れ、青空広がる下に座る雄大な目指す磐梯山を眺め、登山への期待を膨らませていた。

 ただ、そんな期待とは裏腹にこの登山には不安があった。それは登山ルートのことで、今回は自転車での登山口へのアクセスの楽さを優先し、かなりマイナーな登山道である東側の渋谷口を選んだことで、登山道として、ちゃんと整備されているかと言うのはもちろんのこと、さらに不安にさせたのが、登山ガイドをしている詳しい方に聞いた話なのだが、その方でもこのルートで迷い、さらには「やめた方がいいよ。」と何度も言われたことであった。それに加え地図に書かれているルートと実際のルートとが違うとも言い、地図もあてにならないだけに不安も高まるのだが、しかし、逆にこうした難ルートだからこそルートを探す楽しさ、難しさも生まれ、それが楽しみなところでもあった。しかし、今回は千葉さんと共の登山だけに千葉さんまで巻き添えにしてしまうということで、楽しく無事に行けるかということがまた心配であった。

 高速を飛ばしてそんな渋谷口へと到着したのが7時半。渋谷口と言ってもバス停のある登山口の一番麓にあたり、昨日ここに自転車を置いて行ったためにここからの今日は挑戦であった。登山用具をまとめ8時にそこから第一歩を千葉さんと共に踏み出し、車道を10分ほど歩き登るとすぐにスキー場へと到着する。後は1時間ほどひたすらスキー場の原っぱを突き進み、そして2本目のリフトを越えた辺りからうっそうとした林道へと入っていく。ちなみにここで登山届けの箱が置かれていて、中を覗き見てみると前回の登山者は10日ほど前、その前はもう先月の登山届けである。みんながちゃんと出して行っている訳ではないだろうが、それにしても少なすぎ、ここがマイナー登山道であることを実感し、不安と期待がよぎる中、登山届けを提出し、林道奥へと歩んでいった。

お月さんと磐梯
スキー場を行く
ようやく登山口

 どこで地図とコースが変わっているのだろうか、この林道はどこまで続くのだろうか、不安が入り混じる中、一歩一歩進めていくが、なかなかその林道から外れていかなかった。もう地図では本格的な登山道へと入るだろうところまで歩いてきているはずであるのに、しかし、その案内板はもちろんのこと、分岐らしき道も見当たらず、不安に駆られながらもひたすら車道を歩き進むしかなかった。慎重に辺りを確認しながら、すでに地図からは外れ始めた道を、不安と戦いながらしばらく進むと、それほど進むことなく、”磐梯山登山道入り口”という支えた支柱こそ朽ち折れてしまっていたが、それでもはっきりとそう読み取れる大きな看板を見つけ、安心しホッと肩を落とし、本格的な登山道へと入っていった。しかし、すぐには林道を外れず、この後、何度も林道と交差しながら登山道は進み、そして明らかに地図とは違った道を歩み始めていた。しかし、登山道は見誤ることないほどしっかりと整備され、この道で間違いがないとも確信はしていたが、しかし、やはり地図と違った道であるだけに不安もある。が、今はこの唯一の道を進むしかない。下藪も綺麗に刈られた毎季節に手の入り整備された道であるにも関わらず、不安の中、歩き進むと、時期にもう林道と交差することもなくなり、尾根へと入る。地図上のルートとはどうみても違い自分の居る所は隣の尾根である。そして左は徐々に断崖へと変わり、その眼下には小さな沢が流れている。それは琵琶沢という名で、後から聞いた話だが、よくこの付近は熊が出没するということを耳にしたが、いかにもそんな雰囲気漂う山深い道が続いていた。

 沢を見降ろしながら進んでいくと尾根道からは外れ、さらに進むと急登が待ち構えていた。こうここまで来ると目の前には櫛ヶ岳、そして左には荒々しさ見せる磐梯山の頂が聳えているのが馬路かに望むことができた。そして、一気に駆け上れば、だだっ広い大地へと登りきる。そしてその大地に浮ぶ池を横目に進んでいけば、天狗岩、そしてもう一息で2件の売店小屋が立ち並ぶ八方台コースからの合流地点へと出るのだが、ここからが、メインコースと共に進むことになり、人で賑わい始める。ホッとする反面、つい先ほどの静けさを、ずっと前のことのように懐かしく感じながら、行き交う登山者にあいさつを交わし、最後の急登と戦うこと約30分。不安も付き纏った登山であったが、しかし、何のトラブルも結果的には迷いもなく無事に標高1819mの磐梯山山頂へと11時25分登頂した。360度のまさにパノラマ展望で、北には無数の湖が点在し、そしてすぐ南の眼下には巨大な猪苗代湖が広がる。もう言葉には出来ないほどの大展望で、こうして下手な日記を綴るよりも後は写真で楽しんでください♪

だんだん近づく山頂
檜原湖などを望む
荒々しい櫛ヶ岳
山頂直下の急登へ
荒々しい山頂直下
登頂!(千葉さんと♪)
見事な展望・猪苗代湖
吾妻山連峰
山頂小屋と会津の町

 千葉さんと無事にこうして磐梯山を登頂したのだが、そんな千葉さんも同様にたくさんの不安を抱えての登頂であった。実は千葉さん、以前に癌を患い、大手術を乗り越えての今のこの登頂であり、また身体的には胃を切除してしまったという負担も抱えているのだが、しかし、前向きに行きたく、また取り戻した健康を維持したく、今こうして新たに山に挑戦し始めているそうだが、しかし、こうして少人数、さらにはややハイペースの登山は初めてで、果たしてついていけるのだろうか、という不安と戦い続けていたそうだ。しかし、今はそれを乗り越え、こうして今回も無事に登頂を果たした。そしてそんな自分が好きだからこそ、さらには同じような境遇の方に元気を与えたいと思うからこそ、こうして日記にも病気のことを公開しても構わないと言い、いや、逆に書いて欲しいと言われた。そんな身体の負担を感じさせない元気な笑顔で山頂で共に昼食、さらには今の時期では珍しいポカポカ陽気に恵まれて、山頂で昼寝まで楽しみ、充分に満喫した後、ゆっくりと下山へと歩み始めた。

 そんな下山途中、先ほどにも書いた2つの売店のひとつ弘法清水小屋へと立寄った。そこで満面も笑みで温かく迎えてくれたのが吉田さん。作った言葉のない、気持ちがいいほど自然と出てくるそんな温かい言葉に心和まされ、ここではちょっと千葉さんとのんびり♪そしていろんな雑談に盛り上がっていくと、自然と私の旅の話へと変わり、そして名物・なめこ汁をご馳走になりながら、さらに話は盛り上がり、最後は手土産にバンダナまで頂いて後にすることになったのだが、その物よりも、吉田さんの自然と感じる温かい人柄に惹かれ、出発が心苦しく足を重くさせたが、しかし、いつまでもここでのんびりしている訳にも行かず、下山へとまた新たに歩み始めた。ありがとうございました。

 登りと下りは雲泥の差。そう言っていいほど軽快に、またあっという間に駆け下りていった。私も下りは得意なほうで好きなのだが(壁のような岩場を除く)、千葉さんも同様に下りは得意で、2人してテンポ良く、下っていき、えっ?と2人して驚くほど早く林道へと戻り、そしてスキー場を駆け下りて、15時10分、今回も無事に登山を終えたのだった。

お世話になった
弘法清水小屋にて
猪苗代町の田園地帯
下山までもう一息

 こうして登山を終えたのだが、しかしホッと気を抜いている間はない。今からまた明日の登山へと向けて安達太良山の麓まで自転車を漕ぎあがらなければならない。そして不安もある。登山口で無事に寝ることができるだろうか、また水、トイレも確保でき、そして自炊はできるのだろうか、先に何があるか分からないだけに不安とも戦いながら、また自転車にまたがり、その登山口は沼尻高原目指して漕ぎ始めたのだった。でも、この沼尻にて不安以外にも楽しみもあった。それはここに登山家・田部井淳子さんが経営するロッジがあると聞いていたからだ。一昨日にこの磐梯山に登りにきたという話を吉田さんが話していただけに、まだこの沼尻に居るのではないかと期待を膨らませながら、また登山後の入浴もここでしようと、そんな楽しみも兼ねて、必死に坂を漕ぎあがっていった。

 国道から逸れ最後は沼尻高原のスキー場へと向けて急坂を2kmほど漕ぎあがるとようやく目的のロッジへと到着した。ちなみに千葉さんもお風呂に入りにここまで駆けつけてくれ、2人でさっそく目的の高原ロッジへと訪ねてみたのだが、しかし、残念ながら田部井さんは不在、しかし、そこで温かく迎えてくれたのが、支配人の河崎さんで、忙しい中にも関わらず、突然押しかけた私たちの話を聞いてくれ、また、温泉にも「どうぞどうぞ!」とまだ会ったばかりであり、何の面識もないこの私に対し、無料で入浴させてくれ、さらには、私はこうしてこのHPを通して人に何かを感じてもらいながら旅もしていることを話と、それならと、なんと新聞社にも連絡して頂き、そして明日の朝、取材していただけることになった。こうしてまた新しい出会いに恵まれ、この高原ロッジ前でテントも問題ないとも言ってくれたのだが、しかし、悩みもあった。それはここが携帯が圏外のことで、他との連絡がまったく取れなくなってしまうことだ。1日ならまだしも、登山後すぐに峠を越える事が出来ない為に2日に渡る可能性もあり予告してなかっただけに頭を抱えていると、それならまた家に来れば?と快く誘ってくれたのは千葉さんであった。しかし、それではまた送ってもらうことにもなり申し訳ないとお断りもしたが、でも、気にしないで是非!という言葉に最後は甘え、こうしてまた車に揺られて三春の千葉さん宅へと戻り、そして今夜は溜まった日記の更新へと専念させてもらうことにした。しかし、そんな時間もあっという間に流れ、結局ほとんど進ませられないまま、最後はお酒をご馳走になり、日もまわった1時頃、今日も温かい布団で就寝した。

お世話になった
沼尻・高原ロッジにて
左・川崎さん
今夜も 千葉さん宅にてお世話に

 ★今日のお食事♪
 ・朝食 : ごはん・さかな、たまごなどなど
 ・昼食 : パン・おにぎり・ワンタンメン
 ・夕食 : 鍋料理などなど




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