車輪人の自転車日本一周・登山の旅 車輪人の自転車日本一周・登山の旅

2003年 8月28日 (木) - 417日目

天気 : 曇時々晴

体調 : 良好

宿泊地 : 国設知床キャンプ場

本日の移動 : 斜里町(羅臼岳登山)

走行距離 : 27.9km

累計距離 : 18,333km
本日の出費

食費 : 466円

観光費 : 0円

宿泊費 : 350円

雑費 : 0円

費用詳細 : 宿泊費:国設知床キャンプ場

現在地 : 北海道斜里町  ( 全走行図 )

出会いいっぱい羅臼岳

 ※コースタイム:キャンプ場(5:30)~岩尾別温泉(6:30)~銀名水(9:00)~羅臼山頂(10:30)~山頂発(12:00)~三ッ峰~岩尾別温泉(15:10)~温泉入浴~キャンプ場(17:00)

 ようやく辺りが明るくなり始めた4時半。昨日は20時近くには寝てしまったと言うのに朝はやっぱりつらく、素直に起きれないが、しかし今日は登山日、あまり遅れるわけにも行かず眠い目を擦りながら買っておいたお弁当をつまんでいた。そしてようやく目の覚め始めた1時間後、5時半ごろ、いよいよこの知床・羅臼岳山頂へ向けて自転車を漕ぎ始めた。

 まず目指すは登山口である岩尾別温泉だ。まだ目覚めぬ町、静かな早朝のウトロ市街を抜けていく。そんな時に大きなザックを背負った、いかにも今から登山へ行くぞ、そんな容姿のひとりの男の人が目に入った。自分も登山へ行くだけこうして登山者をみるのが嬉しく、その彼も同じように思ったのか、お互い軽くあいさつを交わす。こんななんでもない笑顔の交換が嬉しく心洗われ気持ちよく市街を抜けて行き、そして最初の峠越えへと登りはじめた。そんな時である、先ほどの方がこんどは車に揺られて私を追い越していった。そんなすれ違いざまに「中村さーん、頑張ってくださーい!」と!まさか先ほどの方が私を知っている人で、さらにはこんは果ての地で会うとは・・・ さすがに驚きながらも、その反面嬉しさも大きく、満面の笑みで言葉を返した。ただ、すれ違っただけで会話が出来ないのが残念だ。登山時に会えればいいのだが、しかし、まだまだ登山口までは遠い為、私の自転車ではとても追いつけないだろう、そう思っていた矢先、なんと彼が路上にいるではないか!こうしてすぐに会えるとは思わなかっただけにさらにビックリ!彼、大東さんはやっぱり自転車・登山好きで、それでよくHPを見てくれ、ちょうど今回の旅行と私の居場所が近かったためにもしかしたらと思いやってきたそうだ。そして偶然にも登山日が同じとなり、さらに偶然は重なり、こうして登山前から会うことが出来た。ちなみに大東さんが今こうして路上にいるのは、ヒッチハイクしながら登山口へ向っているためだそうで、そしてここが山との分岐となり新たにヒッチをするところだったそうだ。そんな大東さん、こうして偶然に会えただけに大喜び、そんな私もこうして喜んでもらえたのが嬉しく同じく大喜びで、そしてそんな笑顔から元気をもらい、このあと登山中に会えることを共に期待して、力強い声援を受けながら再び出発した。

 さすがにまだ早朝とあって交通量は国道を離れるとほとんど無くなる。これで大東さん無事にヒッチが出来て登山口まで辿り着けるだろうか・・・ そう心配になるほど交通量はほとんどなかった。峠を越え、そしてさらに脇道へと入り登山口へと向う。脇道だけにダートであることを覚悟していたのだが、これが意外に全て舗装路で走りやすい。坂こそ最後、グッと上る急坂となるが、それでもこの舗装路、そしてなにより空荷の為にグイグイと気持ちよく登っていく。ちなみにその間、車は一台もこない。大丈夫だろうかとさらに心配を募らせていたそのとき、1台の車が・・・ それもクラクションを「プップッー」と鳴らしながら、そして案の定、メチャメチャ笑顔の大東の顔を車窓から覗かせていた♪このあと、私もすぐに登山口へと駆け上り、こうしてまた大東さんと会うことが出来た。ちなみに大東さんを乗せてくれた方はやっぱり登山者で名前は我妻さん。こうして知り合った3人とみんなで記念撮影。そしてこうした縁で3人共にし登山はスタートした。

HPを知る大東さん
近づく羅臼連峰
登山開始!
我妻さん・私・大東さん

 最初から道は急な勾配でどんどん登って行き、そしてすぐに見晴らしのきく尾根へと登りつめた。ペースはいつもの私一人の時と比べればかなりゆっくりで息も上がることはない。日帰りの為に荷物が軽いこともあるのだが、大東さんはといえば、もう体から溢れんばかりにザックが飛び出すほどの大きな荷物である。この知床の山々を縦走するためなのだが、それにしても重そうだ・・・ しかし、その反面、羨ましくもあった。魅力ある山だけに自分も縦走したく、また本気で考えもしたのだが、縦走してしまうと帰路が途方もなく大変になってしまう。歩いて抜けた分を、また車道を歩いて帰ってこなければいけない。またヒッチという手もあるのだが、そうすると人力ではなくなってしまうために、それをするわけにはいかず、こうして妥協しての日帰り登山となったのだ。

 3人、楽しく会話しながら私的にはのんびりと登って行く。多分、一人での登山なら休憩することもなく一気の登頂してしまうだろうが、今日はみんなに合わせ、のんびりと水場などで休憩をとりながらの登山となった。しかし、これがまた楽しく、いつもにはない人とのふれあいによる温かさがそこにはあり、逆にいつもある孤独はそこにはない。オホーツク展望台、弥三吉水場と楽しみながら休憩し、そして、なだらかな名の通りの一息つける極楽平を越えていき、そしてその先の水場、銀名水でまた休憩。こうして登山を楽しむと言うより、人とのふれあいを楽しみながらのんびりと標高を稼いで行った。

まだまだ続く登山道
稜線・羅臼平までもう一息!
重いザックの大東さん

 この先、この連峰の稜線へと出るまでは急坂となる。いや、さらには山頂までその急坂は続く。さすがにこの坂にはみんな苦労させられペースダウンするが、私はもちろんまだ汗もかかないほどで、このままのペースで苦労なく登頂してしまうのはさすがに寂しく思い、ここでみんなと別れ、最後一気に山頂を目指すことにした。やはり私の場合休憩はない。今まで抜かされていった人たちを自分でも驚くほどのスピードで追い上げ抜かしていく。そしてさらには先に登山していた人たちをも追い抜き、そして山頂直下のゴロゴロ巨石が連なる岩場をさすがに息を切らしながら越え、そして気付けば山頂と言うあっという間の登頂となった。我ながら驚くスピードであり、さすがに汗も吹き出たが、しかし、この山頂、風が強くすぐに寒さに襲われる。時間と共に体温はどんどん奪われ着込んでいくが、いくら着込んでも間に合わないほど冷たい風が吹き荒れていた。

 そんな肌寒いどころか激寒の山頂であったが、見晴らしの方は最高であった。全体に薄曇の為に日こそ覗かないが、オホーツク海側は見事なまでな海原が広がり、そして太平洋側には雲海が広がる。そしてその雲上に北方領土の山々が顔を出す。左右、全くの正反対の展望に何度も首を振り、海原、雲海を眺め、登頂の喜びを噛み締めていた。また、この他にも楽しいことはいっぱいあった。今回の登山、最初、何組かに追い抜かれ、そして後半追い返し、そして山頂でまた再会。こうして会うたびにお互い親しみも湧き、山頂ではみんなでいろいろ会話を交わし、今日の登山者で会話を交わさなかった人はいないのでは、そう思うほど沢山の人たちと山頂で会話は弾み、寒さを除いては楽しい山頂での時間となり、またこのふれあいが羅臼での一番の思い出となった。

 山頂で1時間ほど待っただろうか、いや、待ったというより楽しんでいたといったほうが正解だろう。無事に大東さん、そしてやや最後の岩場で苦戦しながらも我妻さんも無事に登頂し、そしてここでみんなで記念撮影♪登頂の喜び、そしてこの展望の素晴らしさをみんなで共感し楽しみ、そしてまた3人、いや、さらに登山者も加えてのんびりと下山へと歩み始めた。

 帰路、時間もまだ余裕があり、また展望がまた素晴らしいということで、すぐ隣の山、三ッ峰へと上がってみた。そこから見る羅臼岳はこれほど大きかったのかと思わせるほどどっしりと構え、堂々と聳えていた。そんな羅臼を共に登頂した大東さんと共に感動を共にするが、しかしここでお別れである。またの再会を約束し、ひとり縦走路へと歩み消えていった。

みんなで山頂♪
かたや雲海、かたや海原
山男
北方・国後島の山々
山男・私バージョン!
三ッ峰より羅臼岳

 さて、再び下山へと向う。先に向った我妻さんにも追いつきたい。いつもの軽快ペースでトントンとテンポ良く下山へと足を運んでいく。そして早くも銀名水で追いつき、そして追い越し、さらには先に下山して行った方々も、あいさつを交わしながら、いや、時には軽く会話を楽しみながら追い越して行き、そしていつになくあっという間の下山となった。下山後はその登山口にある無料露天風呂でのんびり♪ここでも山頂で共にした方に会い、最後まで楽しさ尽きない登山でとなった。そしてまさに登山後の極楽湯であった。のんびり浸かり湯からあがった頃に続々とみんな無事に下山し、そして今度は下山を共に喜び合う会話が絶えない。最後にみんなにお礼を言って、別れ、気持ちよく自転車にまたがり帰路についた。

オホーツク海を望む
どこにいるか分かるかな?

 また峠を越えてキャンプ場へと戻るのだが、そこには苦はなく達成感とそしてやはり沢山の人にふれあったことによる気持ちよさがあった。やはり人とふれあう事により力をもらうことが出来るのだな、そう改めて実感し、聳える羅臼岳山頂を何度も仰ぎ見ながら、その思い出を噛み締めキャンプ場へと戻った。その後、日暮れ前にと夕食を手際よく済まし、そして溜まってしまったHP作業へと・・・ と思ったが、今日は無礼講?!同じチャリダーにマーボーさんに誘われ、そしてさらにライダーハルさんも交えて今夜は楽しく宴会♪旅の思い出話に花咲かせながら夜は深けていった。そして楽しさのあまり時間さえ忘れ就寝は0時過ぎとなってしまった・・・

無料露天風呂でゆったり
羅臼を振り返る
ハルさんとマーボーさん

 ★今日のお食事♪
 ・朝食 : コンビニ弁当・パン
 ・昼食 : パン×2・おにぎり×2
 ・夕食 : ごはん・ラーメン(もやし・シュウマイ入り)・チキン揚げ




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