車輪人の自転車日本一周・登山の旅 車輪人の自転車日本一周・登山の旅

2003年 8月27日 (水) - 416日目

天気 :

体調 : 良好

宿泊地 : 国設知床キャンプ場

本日の移動 : 斜里町(知床散策)

走行距離 : 58.1km

累計距離 : 18,305km
本日の出費

食費 : 1616円

観光費 : 0円

宿泊費 : 350円

雑費 : 0円

費用詳細 : 宿泊費:国設知床キャンプ場

現在地 : 北海道斜里町  ( 全走行図 )

カムイワッカの滝

 どこ行っても鹿いっぱい。そしてキツネなどももちろん顔を出し、そしてさらには熊・・・ と言いたいところだがこれには幸い出会うことはない。今日はそんな自然豊かな知床の奥へと向けてひたすらダート道を漕ぎ進んでいった。出発は8時前、昨夜の内に珍しく日記を遣り終えていたので今朝はのんびりと朝の静かな時間を楽しんだ。そんな時間からくる余裕からか足取りは軽い。すぐに小さな山越えがあるのだがグイグイと軽快に自転車は上がっていく。ちなみに今日はキャンプ場で連泊する予定のためにテントはそのまま、そしてもちろん荷物も置いてきているので空荷である。それがやはり一番嬉しくこうして坂を上って行くにしても自分でも信じられないほどグイグイ登っていけるのが楽しくて溜まらず、その喜びからさらに早く!と風を切るよろこにを感じながら必死でいきよいよく漕ぎ上がっていった。

 途中、ウトロ岬という断崖上に灯台がある。車道からはやや離れてはいるが目を凝らすと灯台を見つけることができる。そんな岬の灯台に誘われるかのように脇道へとそれ海を目指した。この辺りはときに鹿が多く、何十匹、いや、累計100を超えるのではないかというほどの数が迎えてくれ、走り抜ける度に鹿が警戒し、そして最後は慌てて飛び跳ね去っていく。あまりのその数に走っているのが申し訳なくおもえるほどであった。この先、灯台までの道は遊歩道となり、あとは自転車を置いてのんびりと散策した。先の展望台からは果てしなく広がるオホーツクの海。そして目の前の断崖にはどこからともなく水が流れ岸壁に滝を作っていた。フレペの滝である。さすが好景観だけにここは有名なところらしく、まだ早朝と言うのに観光客が入り始めていた。

怖いほど鹿だらけ・・・
ウトロ灯台

 こうして寄り道しながらのんびり小さな峠を越えていく。小さいと言っても標高150mほどを一気に上って行くから馬鹿には出来ない。そしてまた標高0まで下ったと思ったら、すぐに壁のような上りが待ち構えている。「なんなんだこれは・・・」と、ついつい言葉がこぼれてしまうほどこの坂も果てしなく続き、そしてその上り詰めた先はこの知床でも一番の観光地だろう”知床五胡”へと到達する。すでに大型バスが何台も入る賑わい様。その人込みを縫うように歩きながら湖散策。名の通り湖は5湖あり、すべて遊歩道で繋がり1湖、2湖と散策していくのだが、さほど私には惹かれることのない。湖自体も静かで木々こそ美しく湖面に写し出してはいるが、しかし、よく見ればそこは湖というよりも沼であり透明度がないどころか黒く澱んでいた。そんな湖、5湖を遊歩道は1時間半掛けて結んでいる。さすがに2湖までで見飽きてしまい、30分ほどの短縮コースにし、後にすることにした。

 この5湖へと入るすぐ手前に分岐があり、こちらの反対側を進んでいくとこれまた有名な地、温泉がある。カムイワッカ湯の滝と言われるところで、なんとそこに流れる川すべてが温泉水でその滝壺へと入浴することができる。もうこの滝の噂はこの北海道へと入る前から何度も耳にし、またこのように変わっている面白そうな地だけ必ず寄りたいとも思っていた。が、そこまでの道程は簡単ではない。5湖よりさらに11km奥地へと入っていく。それも全てダートであり、また山間ルートだけにアップダウンを繰り返していく。そんな秘境の地とも言える日本のこの果ての地には、意外に車が続々と入っていく様に驚かされた。ガイドブックにも普通に紹介されているだけにの地のことはあり、夏季シーズン中は交通規制さえ行なわれるそうだ。ただ、おかげでダートとは言えど地は固められ走りやすくはあったが、しかし、実際は巻き上げる噴煙と砂埃にウンザリしてしまい、また、溢れる動物たちも同じように動揺していることだろう。

知床五湖(一湖)
知床五湖(二湖)
知床大橋

 滝はまだか・・・ さすがに11kmのダートと言うのは長い!このコーナーを曲がれば・・・ と先へと進む度に期待をかけるが、しかし、道はまだまだ続いていく。追い抜かれ、そして対向してくる車たちはどこまで行き、そしてどこから来ているのか、そう聞きたくなるほど果てしなく続き、そしてこの交通量の多さに閉口しながらも、黙々とただ滝だけを目指してこぎ進み、そして、目の前に現れたのは路駐の群れであった。すぐにここが目的地であることは察したが、しかしこの車の量には驚くばかりで、温泉に入れるのかと不安にさえなる。そして何より不安だったのがこの溢れる人たち全てがどうやら水着を着込んでいることだった。温泉へ入りに来た私はもちろん海パンなどは持ってきていない。だが、湯船に浸かる全員が水着ではさすがに素っ裸では入りにくい。それもこの人の多さである。しかし、ここまで来て諦めるわけにはいかず、とりあえず湯船まで行って見ようと温泉流れる沢へと足を踏み入れた。

 この温泉、湯船と言うべき滝壺は沢沿いに30分ほど上って行ったところにある。この一歩踏み入れた地でも沢は充分暖かくはあるが、入浴となるとやや冷たく、また岩上を流れていく沢だけに湯船となる深さもない。やはり目指すはカムイワッカの滝だろう。その滝壺が最適らしいのだが、しかし、そこまでの道は難路であり、また沢のぼりだけに危険度も高い。しかし、何十人と必死になって時には恐怖の余り悲鳴を上げ、それでも上っていくところが凄い!そしてもうひとつ驚いたのが、この知床の果てともいえるこの地で商売人がいることだった。沢の入り口で”わらじ”の貸し出しをしている。もちろん沢には打って付けの履物でこれがあればかなり心強いのだが、しかしその値段に躊躇し、諦め、このスポーツサンダルで私は挑んで行った。何箇所も難所を越えていく。岩場にはある程度は山で慣れているためにそれほど恐怖心はなかったが、しかし、沢だけは初めてだけにどこ程度、足を支えてくれるのか予想もつかず、ちょっとドキドキの温泉記行であった。

 どこまで上って行けばカムイワッカの滝なのだろうか。すでにもう幾つも滝を攀じ登り越えていっている。沢の水温も徐々に上がり、もう充分入浴できる温度にまで上がってもいた。沢脇から湧く水などは熱水に近く思わず触れたものなら飛び上がりそうになる。いや、実際、なんどか飛び跳ね驚かされた。そんな所もえる悪路を上っていくと大きな滝壺に辿り着き、そして多くの人がその滝壺の周りを囲んでいた。とうとう着いたか!と一瞬喜んだが、聞くとどうやらまだ上らしい。しかし、この人の群れはなんだろう。どうやらこの先の難所に立ち往生しているらしい。諦めてその滝壺へと入浴している人もいた。もうここまでくれば水温も悪くないのだが、しかし、素っ裸の私ではとてもこの人込みの中で入浴するのはためらった。もちろん先に入浴している人たちはみんな水着である。上へ行こう。どうせ入るならカムイワッカの滝壺へと入浴したいというのもあり、またこの人込みを避けたいのもあった。恐る恐る上り始めるが、しかし、みんな躊躇するほど危険ヶ所ではなく意外にすんなり滝横を攀じ登り、あとは沢沿いにしばらく進んでいけば見るからに豪快な滝が落ち、そして見事な滝壺を作っていた。そしてそこが目的地であることをすぐに悟った。

カムイワッカ川
川を攀じ登っていく

 すでに2、3人の人が入浴し、男も女もやはり水着であった。やや入浴に躊躇してしまったが、しかし先ほどのような大勢の見物人もなく、また、せっかくここまで来たのだからと、それほど時間を置くことなく入浴を決意し、そしてやや私だけ浮いてはいるが素っ裸で入浴。そしてすぐに溺れる・・・(汗)、この滝壺、深さは2m以上あり足がつかないところがほとんどなのだ。その予想もしない深さに驚き、そして果てしなく沈む自分に大慌て!なんとか岩にしがみつき落ち着くことができた。湯温は最高である、居場所によっては熱かったり冷たかったりもするがそこは天然の愛嬌であり面白さでもあった。そして流れ落ちる滝は天然のジャグジーを作り、そこで極楽極楽♪と思わずそう声がこぼれてしまうほどであった。このあと、元々の入浴者たちは続々に上がり、そしてこの後に入ってきたカップルは女の子こそ水着であったが、しかし彼、しょうごさんは私と同じく素っ裸で、なんだか仲間意識が込み上げ、さらには裸の付き合いである。このあと、誰もここまで来ることなく3人で貸切状態となり、楽しい団欒の下、温泉をのんびりと堪能した。

そしてそこは温泉♪
深い深い(汗)
温泉にて
しょうごさんカップルと♪

 下りはあっという間である。躊躇する必要もなくルート自体も分かっているだけに早い。登りに掛かった時間が嘘の様に駆け下り、そしてそのあとに続く帰路のダートもその長さを知っているだけに、来るときのような辛さはなく、逆にこちらもあっという間の帰路であった。この途中、知床自然センターへと立ち寄り、そしてこの地の果て知床の歴史を知ることになった。ここまでの道中、気になっていた廃墟の建物、そして草原、そこは牧場跡地であった。この最果てまでも開発の波は押し寄せ、大正、昭和と何度かここに開拓者たちが入植し苦労を重ねたのだが、しかしそれが報われることなくあまりの自然の厳しさに断念せざるえなくなったそうだ。その開拓の後が今もこのウトロから知床五胡間に広がっていた。まさか、この果ての地までと驚くばかりだが、今、この荒れた大地、一時は観光業者の手に渡りそうにもなったそうだが、それを全国の温かい手による寄付金を元に離農した土地を買い上げ、この広大な荒野が観光業者に流れることなく永久保存されることになった。さらには自然な姿に戻そうと樹林やその育成に励んでいるそうだ。ちなみにこの活動”知床100㎡運動”として今ももちろん活動は続けられている。

 こうして今日の観光を終えてキャンプ場へと戻り、日が暮れる前にと自炊に入る。ただ、最近ちょっとバーナーの様子がおかしい・・・ 火が弱くいくらガスを開けてやっても以前のような力強さはなくなってしまっている。そのあまりの弱さに痺れを切らし、遂に清掃を決断。適当にばらしていくが、それを洗う溶剤がない。仕方なく薄いセッケン水で適当に洗い、これで綺麗になったのだろうかと不安になりながらも組み立て、そして着火してみると信じられないほど火は力強く、お湯も驚く早さで沸騰!こんなに元々火力が強かったのかと、ただただ驚くばかりで、そして自炊もいつになくあっという間に追え、そしてこのHPの更新作業へとはいるが、すぐに睡魔に襲われてしまい、20時には寝てしまっていた・・・

廃墟と化した牧場
地平線へ

 ★今日のお食事♪
 ・朝食 : ごはん・味噌汁(もやし・玉葱入り)
 ・昼食 : パン×3
 ・夕食 : 具入りラーメン(もやし・キャベツ)・マーボー豆腐




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