11時前頃だっただろうか、お世話になった高田さんを見送り、そして私も出発?!と行きたいところだったが冒頭にも書いたとおり日記に終われ、出発は丁度お昼の鐘と共になった。今日は遅い出発となってしまったが、実のところそれほど問題はない。予定通りと言ってもいいかもしれなく、今日は僅か40kmほど先のウトロまで走るだけだからである。そのさらに先の知床五胡、カムイワッカと観光したいところだが、しかしそこまでいく時間は早朝に発したとしても余裕がなく、かといってそれらを飛ばしたくもない。自然、その手前のこのウトロ止まりとなってしまうのだ。そのため、お昼発でもまだまだ時間に余裕があり、のんびり海沿いの国道を知床岬方面へと進んでいく。もちろん昨日から引き続き”鹿の角”を探しながらである。時には休憩を兼ね海岸を散歩したりもし探したのだが、やはりそう簡単には見つからず、そんな落ち込む姿を慰めてくれるかのようにキタキツネがヒョッコリと顔を出してくれた。ちなみにこのキツネも餌付けされているようなキツネではなく、逆に人を恐怖心の対称として見るようなそぶりもなく、ひとつの物体を見るかのように気にする様子もなく静かに去っていった。
「デカッ!!」っと、思わず走りながら声を出してしまった。オシンコシンの滝である。もうそこに到着する前、数百m、いや、1km近くあったのだろうか、そのくらいの距離からでも見ることが出来、そして迫力も伝わるほどの巨大な滝で、迷わず足を止めた。そんな滝だけにさすがに観光客で溢れ賑わう中を私も分け入り見学。うーん、こうして近づいてみると間近の方が逆に普通の滝になってしまった気がした。遠目で見たときのその迫力に期待が膨らみ、そして滝まで進む間にさらに自分の中で巨大化してしまうからだろうか。しかし、やはり巨大なことは確かで、その豊富な水量にも驚かされ100名爆のひとつに相応しい迫力を持ってることは確かだった。
この滝見が最初で最後の今日の観光であり、今日の寝床地、国設知床キャンプ場を目指した。ちなみに、今まで走ってきた斜里市街からこのウトロまでの道、ひたすら道の両側は重々しい高いフェンスで覆われていた。場所によっては鉄フェンスではなく、植樹された木々にさらに木をクロスして縛りつけ柵状にしているところもあった。また鉄フェンスの方もただ露出させているわけではなく、こちらも木々で囲いフェンスを隠しているところが多い。重厚せはあるが自然に上手く溶け込んでいるといえた。ちなみにこれらのフェンスは鹿などの交通事故を防ぎ、人間との共存を図る為のフェンスである。このようなものを作らなければ共存できないのもある意味辛く、人間がどんどん自然界を犯していることを目の当たりにさせられるが、しかし、こうして実際に共存しようと試み、努力していく姿勢に引かれもした。これがなければ他地域と一緒で自然がどんどん壊され、次期にフェンスなど不必要なほど動物がいなくなってしまうだろう。”共存”という言葉を深く考えさせてくれもするフェンスであった。こうしてここには人間世界と自然界にしっかりとした境界線があり、そして柵の向こうには自然そのままが残り、そのあまりの自然の大きさに怖さをもこの車道から感じるほどで、柵の先を常に眺めながら自然を肌で感じていた。ちなみにここの電線などにも手が加えられている。鳥(主にワシ)の感電事故を防ぐ為に保護フィルムが張られているそうだ。
今日のキャンプ場はウトロの温泉街を見下ろす丘の上にある。ただ丘の上といっても、この辺りにも大きな観光ホテルが立ち並び、その一角にこのキャンプ場があるのだが、しかし、ここも自然の真っ只中であった。ここには主要道が通らないからだろう、先ほどのようなフェンスはなく、なんと平然と鹿がキャンプ場を散歩しているのではないか。しかし、かといって餌付けされているわけではなく、ある一定の距離を越え近づけば跳ねるように逃げていく。しかし、こちらが何もすることなく、一定の距離さえ保てば、こちらが食事してようが、お菓子を食べていようが見向きすることなく、草を食べ続ける。こうした近い距離での共存、これがよい共存なのか、悪い共存なのかは分からないが、しかし、こうして自然界を身近に見、接する知床の地であった。 ★今日のお食事♪
・朝食 : ごはん・小松菜味噌汁・魚
・昼食 : パン×2
・夕食 :
ごはん・野菜たっぷりスープ(シュウマイ・キャベツ・玉葱)