車輪人の自転車日本一周・登山の旅 車輪人の自転車日本一周・登山の旅

2003年 8月3日 (日) - 392日目

天気 :

体調 : 良好

宿泊地 : 南沼キャンプ地

本日の移動 : 双子池キャンプ地~ツリガネ山~南沼キャンプ地

走行距離 : 0.0km

累計距離 : 17,157km
本日の出費

食費 : 0円

観光費 : 0円

宿泊費 : 0円

雑費 : 0円

費用詳細 :

現在地 : 北海道美瑛町  ( 全走行図 )

雨と共に

 ※コースタイム:起床(4:00)~出発(6:00)~ツリガネ山(9:00)~20分休憩~南沼キャンプ地(12:00)

 「トモラウシ岳よ姿を現せ!」、あれほど前日までは堂々とした雄姿を見せてくれていたのだが、今、こうして直下まで来たにも関わらず霧で望めないどころか、視界は僅か数十メートルという有り様で、そう山に叫びたくなるほどであった。でも、そんな霧よりも苦しめられたのがこの雨だった。起床と共に降り始めた雨は、徐々に勢いを増して行き、10時を越えたころにもなると、雨は本格的に降りはじめ、それに加え、強風、まさに嵐といった具合で、もう、穴あきだらけの貧弱なこの雨具ではすでにビッショリ・・・ パンツまで湿ってくる有り様であり、震えながら黙々と歩き続ける悲惨な一日であった。

 そんな泣けてくるほどの一日の朝は、雨こそ降り始めていたが、滅入ることもなく逆に今日の稜線歩きに期待を膨らませ出発準備に励んでいた。また、昨夕からの霧も未だ晴れることはなかったが、でも、昨日同様、また展望が開けてくることを期待し、小雨振る中、テントを撤収させ、元気良く出発して行くという、この後からは考えられないほどの元気の良さであった。

池が点在
これが限界の視界・・・
それでも頑張る!

 今日は昨日の荒々しい景色から打って変わって、樹林帯の中の稜線歩きが続いた。火山帯から外れたこともあるが、それに加え、昨日の下りで標高がグッと落ち込んだこともあるだろう。ハイマツなど生い茂る中をひたすら歩くといった、昨日に比べればやや地味な山行であるとも言えなくもないが、ただ、それはそれでこの良さもあり、あの草木のない死の世界から一変した、この生い茂る緑に命の瑞々しさを感じていた。また眼下には湿地帯が多く、時折晴れる霧の合間から、広がるこの緑の大地に点在する沼地を何度か見下ろすことができた。ただ、これも10時頃までで、ツリガネ山から見た展望を最後に完全に霧の中へと入ってしまい、また雨も先ほど書いたように本格化し始め、苦しい山行が始まった。

 このツリガネ山までは小さなアップダウンを重ねながら徐々に標高を稼いで行くのだが、この山の先からまたグッと下る。足場は粘土質と悪く、滑ること滑ること・・・ また雨もそれに追い討ちをかけるのだが、でも、そんな難所だけに、嬉しいことに長い鎖が取り付けられ、これにはかなり助けられた。こうして寂しい山中を超えて行き、三川台へとまた登り返しした。そう、寂しいと言えば、ほんと寂しい。この縦走路、まだ一組としかすれ違っていない。日本を代表するこの大雪山縦走ルートとはいえ、意外とここまで縦走されている方は少ないようで、自然を独り占めだ!と言う喜びよりも寂しさだけが込み上げる雨の中の辛い山行はこの後もまだまだ続いた。

  三川台を越えると今までのアップダウンの稜線からガラリと雰囲気は変わり、なだらかでそれでいて稜線の幅も広く、とても高地とは思えないだだっ広いお花畑が延々と続いていた。天気さえ良ければ、どんなに気持ちのいい道だろうと思いながらも、現実は風雨はさらに増し、嵐のような中をただ一人、必死で耐えながらつらいつらい涙が出てくるほどの道程であった。

 展望も楽しめることもなく黙々と進んできたせいか予定よりもだいぶ早く、お昼には当初の目的地・南沼キャンプ地へと到着する勢いであった。そうなるとついつい欲も湧いてくる。さらに2時間半ほど進んでヒサゴ沼避難小屋まで行ってしまおうか・・・ またそこまで行けば屋根にもありつける。ただ悔しいのはそこまでさらに展望が楽しめないことで、とくに100名山のひとつ”トムラウシ”を展望見るまま素通りしてしまうことになってしまう。でも、屋根が・・・ どうしようか迷い迷い進んでいったのだが、でも、キャンプ地が近づくにつれて、そんな思いはどこかへすっ飛んでいっていた。早く到着したい・・・ もうこのあまりの暴風雨、そして自分自身の水害、寒さ、とてもこれ以上に山行は続けられる状態ではなく、もうそのキャンプ地まででもやっとであった。

見えない(T_T)
トムラウシも全く望めず
広がる原野
どこまで続く・・・
トモラウシは?!
雨に打たれてグッタリ・・・

 ちょうど12時、そのキャンプ地へともうあまりの山行のつらさに涙出る思いでようやく到着した。でも、まだまだ格闘は終わらない。この風雨の中でテント設営しなければならないのだ。こうなるともうヤケクソである。そう思わなければとても設営などはできず、冷たい雨に震えながらの必死の作業で、なんとか設営したもののまだまだ雨との戦いは続く。ビッショリのザック、そして同様にビッショリの私もテントの中へ逃げ込むのだから中も当然ビッショリ・・・ テント内でもいつまでも水との戦いは続き、落ち着く間もなく、もう終いにはもうどうすることもできずに、同時に気力も全て失い、そのまま横になって寒さに震えながら眠りについた。

 この後、夕方に食事を取るために起きたものの、変わらぬひどい水害のテント内に呆然としながらも、最低限の食事を取り、時期にまた眠りについてしまった。もう日記を書く気力すら残っていなかった。

 ★今日のお食事♪
 ・朝食 : ごはん&レトルト丼
 ・昼食 : パン・チョコ・カロリーメイト
 ・夕食 : ごはん&レトルトカレー




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