まだ霧雨やまぬなかを、今日も奇岩を見ながら風に逆らって進む。そしてこの後は峠越えだ。黙々と約1時間半かけて上って行くが、でも一定の傾斜の登りと、そして身体のリズムができると意外にもスイスイ登っていくことができた。ただ、こう書くと楽勝のように思われるかもしれないが、やはりもうヘトヘトになるくらいに疲れる。もうメチャメチャ疲れるのだが、でも、自分が思っていたよりは400mという標高に到達するのに早く、またリズム良く進むことができたというだけである。
下りは軽快に気持ちよく?!そう書きたいところなのだが、実際は途中から狭いダートとなり悪戦苦闘しながらの長い長い道程となってしまった。ただ、気持ちをよくしたのが、先ほどまでの霧雨が嘘のように止み、そして青空ばかりか強い日差しまでも照り注ぐ天気へと、みるみる変わっていったことだ。これにはさすがに気分よく漕ぎ進み、そして賽の河原と呼ばれる北端の岬へと到着した。ここは定番観光コースに入るらしく、津波館同様に大型バスが何台か入っていた。真新しいお土産屋が1件だけ立っているが、災害前は3件ほどあったらしく、全て流され、また亡くなった方もいるそうだ・・・ だが、今は人で賑わい、その様子を窺えるようなない。ただ唯一岬の先に亡くなった方の碑が静かに建てられていた。
この岬の名前からも窺えるように、ここは霊場としても有名な場所らしい。浜には無数に石が積み重ねられ、またそれらを祀る社も建てられていたが、どれも真新しく、またその社も掘っ立て小屋のような造りの粗末なものであるが、津波が襲う前はどうだったのだろうか?また、この岬の様子も今とは全く違うものだったのだろうか、今の私には全く分からず、ただそれを想像するしかなかった。
岬を越えて今度は南へと進路をとると面白いように自転車は進む。もちろん追い風の為だ。スイスイと漕ぎ進み、一気のフェリーターミナルへと到着した。さあ、ここで今朝できなかったHPの更新をしようと意気込んでターミナルに入ったのだが、中は団体客で埋め尽くされていた。とても座って落ち着いて休めそうなところなどない。それでも、なんとかベンチを見つけ、落ち着くことができたが、でも、ここでは電源を取ることができず、結局はHPを進める事はできなかった。ただ、地図を眺め今後のコースを検討したりし、時間を過ごした。
そんなときである。島を走っているのを見たよ!と、あるご家族が声を掛けてきてくれた。そして「なにか美味しいもの食べなさい!」と言ってなんと餞別を!もちろんいつもの通りお断りするのだが、やはり断りきれずに頂くことに・・・ ありがとうございました。そして、空腹を堪えていただけにさっそく食事をしにターミナルすぐ前の小さな食堂へと入った。目指すはもちろんウニ丼だ。普通ならとても高くて食べられないのだが、先ほど頂いた餞別のこともあり、ここは奮発して注文した。が・・・ なんと一足遅く、今、今の今、品切れとなってしまったところであった。「うわー・・・」、と悔しがっていると、なんと残った端のウニをくれると言う。ただ端と言っても、普通のうに丼なら充分できるほどの量は充分にある。ただ、ここで出している大盛りウニ丼が出来ないだけである。それをなんとサービスで頂き、そして自分はイカ刺し定食を頂いたのだが、ウニもあるだけにもうメチャメチャ豪華なこと!自然と笑みを溢しながらペロリと頂いた。ありがとうございました。 1泊2日の短い時間であったが、こうして奥尻島を後にした。帰路のフェリーはターミナルの混雑以上に人で溢れ、座るところもままならなかった。ただ、私は超特急で乗り込み、席を確保した為にコンセント脇の席をなんとか確保することは出来たのだが、席の方はドンドン押しやられ、結局最後は足を縮めてなんとか座れるほどのスペースとなってしまった。これではとてもHPを更新するといったことは出来ず、また船の揺れも思ったより激しく、すぐに横になり眠りに入った。ちなみに横になるといってももちろん足をグッと引き付けて丸くなっての辛い姿勢であった。
14時過ぎ、船は無事に瀬棚へと入り、そしてまた新たに北海道の大地を北へと北へと漕ぎ出した。こちらもやはり向かい風で苦しめられるが、それに負けじとセッセ、セッセと約50km、今日の目的地の道の駅・島牧へと入った。実はここで今日、以前大阪通過時に知り合ったシェフと今日再会することになっている。函館を今日の午後、出発したということで、まだもう少し時間が掛かるだろうと思い、それまで溜まりつつあるHPをと休憩所でHPの更新作業を始めるが、そこへタイミングがいいのか悪いのか、さっそくシェフ登場!久しぶりの再会のお互い喜び合い、すぐにPCを閉じて夜の宴会の為にさっそく買い出しへ!ただ、ここからスーパーまでは数キロ離れているために、やや疲れたものの、それでも、この後、ふたりで飲んだお酒は格別♪!、また料理好きなシェフだけに晩のおかずも豪華に!いつもはない華やかさでお酒も進み、またそれと共に会話も弾み、たった2人だけの宴会ではあったが、でも、多いにも盛り上がって楽しい夜を過ごし、就寝は12時過ぎとなった。
★今日のお食事♪
・朝食 : ごはん&レトルト丼
・昼食 : イカ差し定食・うに・パン×2
・夕食 :
具沢山焼きそばなど