車輪人の自転車日本一周・登山の旅 車輪人の自転車日本一周・登山の旅

2003年 5月31日 (土) - 328日目

天気 : 雨のち曇

体調 : 良好

宿泊地 : 道の駅・にしやま

本日の移動 : 湯之谷村~長岡市観光~西山町

走行距離 : 76.1km

累計距離 : 14,139km
本日の出費

食費 : 1837円

観光費 : 800円

宿泊費 : 0円

雑費 : 0円

費用詳細 : 食費:自炊食多く含む、観光費:郷土史料館・山本五十六記念館

現在地 : 新潟県西山町  ( 全走行図 )

長岡の空

 「台風接近中!!」、そんな情報を昨日知り、そしてこちらに向っているという。だが、幸いにも今朝に温帯低気圧へと変わり勢力は衰えた。でも、油断は出来ない。予報に拠っては今日一日この道の駅で休養することも考えていた、そんな今朝6時、テントから顔を出すと、昨夜の雲ひとつない快晴が嘘のように夜から雨が降り始めていた。やはりダメか・・・ そう思いながらもとりあえずテントを撤収させ、落ち着いてからのんびり今日の予定をベンチに腰掛けながら考えた。やはりこのまま連泊が妥当か・・・ だが、天気予報は意外にも午後から曇と言う予報で降水確率も予想以上に低くなっていた。これを見てさすがに出発しようかと迷ったが、でも相手は低気圧に変わったとはいえ、つい先ほどまでは台風という巨大な存在だ!でも、雨も止んで一日ボーっと過ごしのもなんだかやるせない。今日一日待てば明日はよくなる。そういうわけではなく、どうやら明日いっぱいまで悪天でどちらかといえば明日のほうが悪いようなのだ。そんな事もあって、結局最後はこの小雨ぱらつく中へと漕ぎ出すことになった。

 こうして久しぶりの雨の中へと漕ぎ始めたものの、実際はそれほど漕ぐ気はない。第一、この雨具たちはこの雨に耐えれるだけの耐久性を失っていた。カッパ、ザックカバー共に長期使用の為に穴あきだらけ、そして撥水は全くと言っていいほどなく、雨が入り込むは浸透してくるわで、長時間の走行にはもう不可能であった。そんな雨具に身を包み、向った先は”小出駅”。実は今日、こんな雨の日は「ローカル列車の旅」、そんなのも悪くないかと思い模索したのだ。行き先は只見町で、ここには前々から気になっていた”河合継之助記念館”がある。(現在読書中の小説・峠の主人公) 場所が山沿いの内陸部だけにそこへ自転車で行くのは一苦労で、またピストンにもなってしまう。行けないかな?そう思っていただけに、逆にこの悪天のおかげでこのように行く機会を得たと思うとなんだか嬉しくもなってきた。このローカル列車”只見線”に揺られのんびりした旅も悪くないだろう。そんな気持ちでこの駅へと入った。

 上越線と只見線とが交わるところだけに、さらには只見線の始発駅でもある。大そう賑わっているだろうと思いきや、質素で小さな駅舎であり、またそのあまりの長閑さと静けさにビックリした。そんな駅舎へと入ってさらに驚いたのが便数!これにはさすがに目を疑い駅員に尋ねてしまったほどであった。なんと始発は朝5時半にすでに出ており、次の便がなんと13時半・・・ 「えっ?!」、と言いたくなる時刻だ。さすがにこの時刻まで待てなく、また待って行ったとしても帰りが21時過ぎになってしまうので、さすがに断念し、仕方なく、この足でそのまま長岡方面へと雨の中、走ることになってしまった。

 国道17号をひたすら上って行く。途中バイバスがあり、もちろん旧道を選ぼうとしたが、歩道があまりにも綺麗に作られているのに誘われてそのままバイバスへと入ったのが失敗だった。トンネルで見事なまでに歩道がなくなり行き止まり状態。高架上を走っているだけに下へ下りることも出来ず、仕方なく強行突破・・・ こういうところが多いからほんと悩まされる。「この先、通行不可、こちらからどうぞ。」という看板があればどれだけ助かるか、今回もそんな道に悩まされながら北上していった。ただ、雨のほうは小降りへと変わり、時には上がったりもしてくれた。これだけは救われたが、でも実際は余りの蒸し暑さにカッパを脱ぎ、するとまた降り出す始末で、これにも頭を痛め、さらにはズボンの裾は汚れに汚れるわで、蒸し暑いのを我慢して仕方なくまたカッパを着るしかなかった。

信濃川・妙見堤
 途中、信濃川に架かる妙見堤を見学。記念館も併設されていて信濃川についてちょっとお勉強をしながらいよいよ長岡市街へと入った。長岡と言って私が最初に思い浮かべるのが”戊辰戦争”である。激戦区のひとつなのだ。そんな痕跡を求めてまず立寄ったのが、偶然見つけた”興国寺”。そして長岡駅へと観光案内所を求め入った。ここでは愛想のいいおばちゃんが出迎えてくれた。私の姿を見て、放浪旅が好きな息子さんを思い出したそうで、その話をいろいろ聞かせてもらった。また、お孫さんまで今、海外旅行にはまっているそうで、半分愚痴ともとれるが、でも、ある意味、それを楽しんでいるようにもとれる口調で話してくれた。ただ、ショックだったのはやはり私がこの普通の旅人離れしてる風様にすぐに見られてしまったことだ・・・
蒼柴神社
 長岡のパンフレットを入手し、駅ビルで購入した揚げ物専門店で買ったお弁当を食べながら今後の予定を練っていた。さきほどまで上がっていた雨は今度は激しく降り始め、地面に叩きつけていた。それでも、食事を済ませたころには嬉しいことにまた小降りへと変わってくれた、今のうちにと急いで自転車を漕ぎだして向った先は”悠久山公園”。そこで蒼柴神社、郷土史料館など見学した。見学中、こんどは雷雨にもあったが、幸い30分ほどで上がってくれ、その後はなんと青空まで顔を出してくれた。雨は全ての空の汚れを洗い流し、展望台から見下ろす長岡の町は、驚くほど澄み渡り、全てが光輝き、今も強く残る景色となった。

長岡・郷土史料館
おお!あの幕末の
ガトリング砲!!
雨で空気の澄んだ
長岡の町

 この後、また市街へと戻り、あの太平洋戦争の連合艦隊司令長官であった山本五十六記念館へと入った。駐車場へと入って早々に館長が荷物いっぱいの自転車を見て出迎えてくれた。そしてさっそく中へと案内してくれ見学。そのあとは、教えて頂いた山本旧家を訪ね、2階に2畳の五十六勉強部屋でちょっと一休み。ちなみにこの旧家は昭和30年代に復元されたものだ。

 このあと、すぐ近くにある栄涼寺(河合継之助の墓)、長興寺(山本五十六の墓)を参拝した。それらの寺には名のある藩士と思われるたくさんの古びた墓碑が並び、その中にあって近代のよく見る墓碑も入り乱れ並んでいた。継之助の墓はややひっそりとした感じであったが、五十六の方はさすが国葬されただけあって、敷地に囲いを設けた堂々とした墓が建てられているのが印象的であった。

山本五十六記念館
復元された生家
五十六の勉強部屋にて

 こうして楽しみにしていた長岡観光を終えて、今日の寝床を求めて西山町へと走り始めた。雨も上がり、所々に晴れ間さえ覗いている。澄んだ空気に差す日差しは本当に美しく、信濃川を越える時にはまさに絶頂で、その川に写る、多様な雲の姿に心打たれるほどで足を休め橋上でしばらく眺めていた。そして復活した一眼レフも大活躍♪重いけど、持っていてよかった!そう思うほどの景色で、この感動を残せるのは写真か、絵でしかない。そう、絵も描きたいとも思ったが、さすがに時間のほうが迫りつつあった。

 橋を越えるて、美術館公園の展示されている”米百俵の群像”を見学。藩士が虎三郎に米をよこせと詰め掛けている像で詳しくは”興国寺”のコメントを見て欲しい。この後、国道8号、県道23号と走り道の駅・西山へと入ったのだが、その道中もどんどん澄んだ空に青空が広がり、さらには残った雲達がなんともいえない素晴らしい姿を見せてくれ、常に魅せられながら気持ちよく最後は走ることができた。

信濃川を何度も越える
信濃川
澄んだ空
近代美術館にて
米百俵の群像
爽快!!
道の駅・にしやまにて
 道の駅に到着してからも、その空の芸術は続き、今度は夕日に染まっていく姿を見せてくれた。また空も美しいが、木々や建物、そして人達まで、どれもこれも光り輝いていた。これがあるからこそ雨が嫌いではない。いや、この景色が見れるならもっと降ってくれとも言いたくもなってくるほどであるが、でも、降ってるときは地獄のようだ。とくに自転車走行中はほんと辛い。また予報では今夜から雨・・・ それに備え、軒下にテントを張るが、やや狭い為に降り込む危険があり不安を感じながら、読書を楽しんだりして夕方を過ごし、そして日記を更新作業、23時頃、とうとう降り出した雨音を聞きながら眠りについた。

 先ほどまであれほどの空を見せていたのに、また雨とは天気とは不思議なものだ・・・

 ★今日のお食事♪
 ・朝食 : ごはん&レトルトカレー
 ・昼食 : 美味しいカツ弁当・パン
 ・夕食 : ごはん&レトルト丼

夕日も綺麗
雲と光の芸術
時を忘れて・・・



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