「台風接近中!!」、そんな情報を昨日知り、そしてこちらに向っているという。だが、幸いにも今朝に温帯低気圧へと変わり勢力は衰えた。でも、油断は出来ない。予報に拠っては今日一日この道の駅で休養することも考えていた、そんな今朝6時、テントから顔を出すと、昨夜の雲ひとつない快晴が嘘のように夜から雨が降り始めていた。やはりダメか・・・ そう思いながらもとりあえずテントを撤収させ、落ち着いてからのんびり今日の予定をベンチに腰掛けながら考えた。やはりこのまま連泊が妥当か・・・ だが、天気予報は意外にも午後から曇と言う予報で降水確率も予想以上に低くなっていた。これを見てさすがに出発しようかと迷ったが、でも相手は低気圧に変わったとはいえ、つい先ほどまでは台風という巨大な存在だ!でも、雨も止んで一日ボーっと過ごしのもなんだかやるせない。今日一日待てば明日はよくなる。そういうわけではなく、どうやら明日いっぱいまで悪天でどちらかといえば明日のほうが悪いようなのだ。そんな事もあって、結局最後はこの小雨ぱらつく中へと漕ぎ出すことになった。
こうして久しぶりの雨の中へと漕ぎ始めたものの、実際はそれほど漕ぐ気はない。第一、この雨具たちはこの雨に耐えれるだけの耐久性を失っていた。カッパ、ザックカバー共に長期使用の為に穴あきだらけ、そして撥水は全くと言っていいほどなく、雨が入り込むは浸透してくるわで、長時間の走行にはもう不可能であった。そんな雨具に身を包み、向った先は”小出駅”。実は今日、こんな雨の日は「ローカル列車の旅」、そんなのも悪くないかと思い模索したのだ。行き先は只見町で、ここには前々から気になっていた”河合継之助記念館”がある。(現在読書中の小説・峠の主人公) 場所が山沿いの内陸部だけにそこへ自転車で行くのは一苦労で、またピストンにもなってしまう。行けないかな?そう思っていただけに、逆にこの悪天のおかげでこのように行く機会を得たと思うとなんだか嬉しくもなってきた。このローカル列車”只見線”に揺られのんびりした旅も悪くないだろう。そんな気持ちでこの駅へと入った。
上越線と只見線とが交わるところだけに、さらには只見線の始発駅でもある。大そう賑わっているだろうと思いきや、質素で小さな駅舎であり、またそのあまりの長閑さと静けさにビックリした。そんな駅舎へと入ってさらに驚いたのが便数!これにはさすがに目を疑い駅員に尋ねてしまったほどであった。なんと始発は朝5時半にすでに出ており、次の便がなんと13時半・・・ 「えっ?!」、と言いたくなる時刻だ。さすがにこの時刻まで待てなく、また待って行ったとしても帰りが21時過ぎになってしまうので、さすがに断念し、仕方なく、この足でそのまま長岡方面へと雨の中、走ることになってしまった。
国道17号をひたすら上って行く。途中バイバスがあり、もちろん旧道を選ぼうとしたが、歩道があまりにも綺麗に作られているのに誘われてそのままバイバスへと入ったのが失敗だった。トンネルで見事なまでに歩道がなくなり行き止まり状態。高架上を走っているだけに下へ下りることも出来ず、仕方なく強行突破・・・ こういうところが多いからほんと悩まされる。「この先、通行不可、こちらからどうぞ。」という看板があればどれだけ助かるか、今回もそんな道に悩まされながら北上していった。ただ、雨のほうは小降りへと変わり、時には上がったりもしてくれた。これだけは救われたが、でも実際は余りの蒸し暑さにカッパを脱ぎ、するとまた降り出す始末で、これにも頭を痛め、さらにはズボンの裾は汚れに汚れるわで、蒸し暑いのを我慢して仕方なくまたカッパを着るしかなかった。
この後、また市街へと戻り、あの太平洋戦争の連合艦隊司令長官であった山本五十六記念館へと入った。駐車場へと入って早々に館長が荷物いっぱいの自転車を見て出迎えてくれた。そしてさっそく中へと案内してくれ見学。そのあとは、教えて頂いた山本旧家を訪ね、2階に2畳の五十六勉強部屋でちょっと一休み。ちなみにこの旧家は昭和30年代に復元されたものだ。
このあと、すぐ近くにある栄涼寺(河合継之助の墓)、長興寺(山本五十六の墓)を参拝した。それらの寺には名のある藩士と思われるたくさんの古びた墓碑が並び、その中にあって近代のよく見る墓碑も入り乱れ並んでいた。継之助の墓はややひっそりとした感じであったが、五十六の方はさすが国葬されただけあって、敷地に囲いを設けた堂々とした墓が建てられているのが印象的であった。
こうして楽しみにしていた長岡観光を終えて、今日の寝床を求めて西山町へと走り始めた。雨も上がり、所々に晴れ間さえ覗いている。澄んだ空気に差す日差しは本当に美しく、信濃川を越える時にはまさに絶頂で、その川に写る、多様な雲の姿に心打たれるほどで足を休め橋上でしばらく眺めていた。そして復活した一眼レフも大活躍♪重いけど、持っていてよかった!そう思うほどの景色で、この感動を残せるのは写真か、絵でしかない。そう、絵も描きたいとも思ったが、さすがに時間のほうが迫りつつあった。
橋を越えるて、美術館公園の展示されている”米百俵の群像”を見学。藩士が虎三郎に米をよこせと詰め掛けている像で詳しくは”興国寺”のコメントを見て欲しい。この後、国道8号、県道23号と走り道の駅・西山へと入ったのだが、その道中もどんどん澄んだ空に青空が広がり、さらには残った雲達がなんともいえない素晴らしい姿を見せてくれ、常に魅せられながら気持ちよく最後は走ることができた。
先ほどまであれほどの空を見せていたのに、また雨とは天気とは不思議なものだ・・・
★今日のお食事♪
・朝食 : ごはん&レトルトカレー
・昼食 : 美味しいカツ弁当・パン
・夕食 : ごはん&レトルト丼