最高の快晴の下、また三国峠を登っていく。距離にして約20km、2時間半の戦いだ。悔しい引き返しではあったが、でも、行くときには見ることに出来なかった三国の道、そして出会い、同じ道ではあるが、そこには同じ時間はなかった。時とはほんと面白いものだ♪ちなみに今日の走行距離は久しぶりに伸びて120km弱、あれだけ苦労して歩んできた6日分の道程を、わずか1日で戻り、嘘のようであったが、でも、改めて自分の歩んできた6日という内容の濃さと、自分が向って行く旅の過酷さを感じ、またその面白さも感じた。
昨夜はよる中、蛙の合唱が続き、ややうるさかったものの、それなりに熟睡することが出来た。だが、朝は別だ。日が差すと共に放射冷却で気温が下がるはずが、どんどん上昇!暑さのあまり目覚めるという始末であった。夏だ!そんな季節を肌で思い出した。ただ、朝はいつもよりのんびりしたということもある。最近は登山の為に早起きしていたが、今日はこのあと予定も立っていなく、朝はのんびり6時半に起床した。そんな、のんびりもあって日差しは射し込みテント内は蒸し風呂状態化していったのだった。
朝食を取り、書き残しの日記を終えて9時頃、公園を出発した。明日、越後駒ケ岳へと登山する為に、その登山口までの今日は道程だ。今朝、地図を眺め、このような変更を決定したのだが、それにしても長距離になってしまった。さらには三国峠という難関を越えなければならない。果たして行けるだろうか?そんな不安を抱きつつも、でも、そこまで行かなければ、明日登山することが出来ず、また2日掛けるのは近すぎて、また時間が勿体無いように感じた。こうして決めた、そんな過酷な今日の目標から、自然、目標が遠いだけに気力が増し、体中に力が込み上げ、元気欲く漕ぎ始めた。だが、最初から峠越えの坂道・・・ 藤原ダムを越え、そしてようやくダラダラと月夜野町までは下っていく。その辺りまでは下りだけに難なく走り抜ける。そんな中で嬉しいことに車中から差し入れの手が!お饅頭を頂き、そんな応援でさらに気力を増し、もう”引き返すという”、苦難を忘れ、逆に”立ち向かっていく”そんな気持ちで再度、三国峠へと挑戦していった。
ようやく峠が見えてきた!だが、自分の方はもう疲労よりも暑さの為にくたばりつつあり、オーバーヒート寸前であった。頭までクラクラしてくる始末で、これは山頂でちょっと横にならないと倒れるな・・・ そう思うほどの状態であった。そして夏という厳しい季節が刻々と迫りつつあることを実感した。そんなヘトヘトな状態でやっとの思いで到着した峠、そこで、また先ほどの車が止まっているのが目に入った。「あれからかなり時間が立つが、よほどのんびりした旅をしている人だな~」、と思いながらも、いや、「もしかして、自転車の日本一周というプレートを見て、声を掛けるために待っていたのかな?」、そんなことも考えながら通り過ぎようとすると、その車から一人の男性が降りてきて手を振っているではないか!やはり後者か?!そう思い近寄るとなんと一昨日に知り合った、”都丸”さんではないか!!これにはさすがにビックリ!さらには先ほど都丸さんのことを思い出していただけになおさら驚いた。思わず、「なんでここに?!」と聞いてしまったが、どちらかといえばそれは都丸さんの言葉だろう。なにしろ、一昨日、「尾瀬、日光方面へと、このあと走る」、と言って分かれたのに今、この三国峠を越えているのだから、そのことを笑顔で聞き返されてしまった(笑) そんな偶然の嬉しい再会に、もう2度目になると大した時間はお互い過ごして来ていないのに不思議と昔からの中のように感じた。旅ならではだろう。もう、嬉しくて溜まらず、もう倒れそうなまでの疲れもいつの間にか吹っ飛んでしまった。そしてさらに出会いは続く。今から北海道へ向けて旅立つという豊崎さんともこの駐車場で知り合った。みんな旅が好きだけに話に尽きることなく、予想外の楽しい再度の三国峠越えとなった。
このあと、都丸さんと一緒に温泉へと♪元々温泉へ行くつもりだった都丸さんは下調べも充分で格安な浴場へと併走しながら行くことになった。だが、自転車と、車、いくらこの先、下りがメインになるとはいえ、ついていける訳もないのだが、でも道中に止まって何箇所かで待っていてくれそこで嬉しいことに走行中の写真まで撮ってくれた。ありがとうございました。さらには三国峠の下りでは、先ほどの豊崎さんとも一緒に一時併走しながら楽しく下っていった。だが、下りだと思って舐めて掛かると大変!実は下りとは言え、途中に小さな峠が2箇所ほど待ち構えている。でも、そんな中でもみんなの声援をうけながら、さらには写真撮影してくれている都丸さん、高速に下っていく私に「おいおい!早すぎ~!!」と、笑い飛ばしてくれたり、また、撮影準備ままならぬ間に抜けていってしまい苦笑いを浮かべていたりと、そして最後には「よっしゃ!」っとお互いガッツポーズ!撮影成功だ♪こうしてたった2度目とは思えないほど2人ハッスルして、そしてこの後、一緒に越後湯沢温泉・山の湯へと入浴♪次は北海道で再会か?!いや、前橋か?!そんな再会を約束しながら、のんびりと旅の汗を流した。登山の汚れが酷かった為にまるで脱皮した気分(汗)。もうスッキリ♪サッパリし、さらにはこうした触れ合いで元気までもらうことが出来た。ありがとうございました♪
16時半頃、お世話になった都丸さんとお別れして、最後の力を振り絞って、明日に備え越後駒ケ岳登山口へ向けて出発した。三国峠の下りで応援して頂いたご家族から頂いた”爆弾おにぎり”と都丸さんに頂いたエネルギーゼリーで栄養を蓄えて漕ぎ始めたが、さすがに疲労の色が出始めて、漕ぎ足は重くなる一方であった。ただ、自然条件の方は最高で、いや、最高すぎて気温はグングン上昇!新潟で今年初の30℃UPを各所で記録したそうだが、気持ちよい風が吹き、それほど不快感をは感じることはなかった。逆に追い風で快適そのものであった。さらには素晴らしい展望も望め、このなだらかな平野部から、一気に立ち上がる山々、まずはすでに登頂してきた巻機山、そして威風堂々とした八海山、それを必死な思いで越えると、やや奥まったところにようやく目的の越後駒ケ岳が顔を出し始めた。
国道から離れ、いよいよ登山口までの上りへと入る。嬉しいことにサイクリングロードが整備され走りやすく、また傾斜もなだらか、普通ならあっという間の登山口となる訳だが、それが疲労のために、そんな楽にはいかなかった。もう一漕ぎするのが必死の状態で、完全にバテていた。もう歩こうとも思うのだが、いや、歩こうとしても歩けないだろう・・・ そう思うほど辛く、気を一瞬でも抜こうものならそのまま転倒、そんな状態であった。それでも気力のみで漕ぎ進み、登山口である、水無川キャンプ場へとなんとか入ることができた。もう倒れこむように到着したその地は嬉しいことにどうやら無料キャンプ地のようだった。さらにはなんと、まるでコテージのような休憩所も併設されていて、迷わず、そちらにお世話になることにした。もう日暮れ寸前の19時、急いで荷物を上げて、そしてそんな部屋でテント設営。理由は簡単、怖いからだ。だーれも居ないこのキャンプ場というよりも駐車場といった山林の中。携帯はもちろん圏外・・・ 気分的にはビバーク(山中での緊急泊)しているようで暗闇と共に不安が襲ってくる。部屋には電気どころか、そとにもどこにも明かりはなく、あろうものなら、動物か、そして火の玉ぐらいだろう。そんな暗闇が襲ってくる真っ暗な世界で、そんな部屋には半面ガラス張り状態であり、外の様子が手に取るようにわかる分、逆に怖い。そんな為にテントを設営した。あと温かいという理由ももちろんある。
疲労の為に、もうこれ以上動ける状態ではなかった。夕食は簡単に携帯していたパンで済まして、あとはテントでぐったり・・・ でも”日記をやらなければならない”そんな自分に課した使命のために、こんなに日でも、やり始めるが、時期にダウンしてしまい、日記を途中にして22時半ごろ就寝した・・・
★今日のお食事♪
・朝食 : ごはん&レトルトカレー
・昼食 : 饅頭・アイス・パン・エネルギーゼリー
・夕食 : 爆弾おにぎり・パン