新潟と群馬の県境、戦国時代、あの上杉謙信も越えたと言う三国峠。自分も越後(新潟)から上野(群馬)へ新たな地へ、自分の英知を養う為にと攻め入る気持ちで越えた峠だが、今、谷川岳・武尊山と登り終えたところで、また引き返すことになった。攻め入ったものの敗れて引き返すようで、気分は敗将である。この決断をしたとき、決断したもののあまりの悔しさに天を仰いだ。どこまでも続く空を見つめ、このやり場のない気持ちを大空へ少しでも発散するしかなかった。そして自分の道というものを感じ、今は尾瀬・日光方面へ突き進む時期ではないことを悟った。
事のきっかけは、至仏山登山に関してだ。5月上旬より、6月いっぱいまでの間は高山植物保護のために登山禁止ということを掲示板で教えていただき知った。それを知りこの山行、全てが終わった・・・ 引き返そう。そう決心した。この尾瀬周辺の山々を登山しながら越えるにあたり、元々数々の試練が待っていた。冬季閉鎖、道路工事、2輪車通行止めと・・・ それでも、「負けない!」そんな突き進む気持ちで向かって行こうと思っていた。昨日の日記にも強行突破と唄ったばかりだ。だが、今回のこの登山規制にかんしては、”強行突破”という言葉は自分自身に当てはまらなかった。今までの強行突破は最終的には自分自身の問題であり、違反をすることは苦にはもちろんなってはいたが、それでも・・・ と思い向っていった。だが、今回は自然保護という大きな理由がある。自分は自然が好きだ。だからこそ壊したくない。今は状態的に無理だが、将来清掃登山まで実施したいと思っているほど好きだ。そんな私にこの違反が出来るわけもなく、さらにはこれを強行突破してしまえばこの旅の意義までなくなってしまう。そんな旅なら自分自身に「もうやめてしまえ!」と怒鳴りたくなる。自分の”真”を壊さず、ここはどんなに苦労しても断念せざる得ない場であり、今回この”戻る”ということを止む終えず決断し、明日、また三国峠を越えて越後(新潟)の地に帰ろうと思う。ただ、これで逃げるわけではない。この先、北海道をまわり、そして東北南下、そのあとに改めて挑戦しようと思う。「待ってろよ!」その言葉と涙を残して・・・
ちなみにこの決断によって北海道は約1ヶ月ほど予定が早まることになりそうだ。北海道は7月~8月かな?9月上旬には南下し始めることになりそうだ。
さて、今日の日記へと戻る。昨夜は日記も書かずにそのまま寝てしまったことから今朝は早起きして登山を前に日記書きから始まった。1日でもサボると後々どんどん追い詰められる。登山が続いてるだけに早朝行動が原則で、朝は普通なら日記は書けない。そのため余計に追い詰められているが、今朝はそのタブーを破って、いや、破らないようにとさらに早起きして朝4時に起床。これなら元々の予定と同じ時刻に登山へと出発できるだろうと、だが、実際はそんなうまくはいかずに結局、日記を途中にして切り上げることにした。また、あまりに気持ちいい久しぶりの青空が、広がっていた為に今年初めての今日は自分でお洗濯♪このまま快晴が続き乾くことを祈りながら自転車に洗濯物を括り付けて、ほぼいつもの登山のときと同時刻の6時40分にキャンプ場を出発した。
昨日、あれだけ登ったにも関わらず、まだ登り坂は続く。でも、後ろを振り返ればビックリの好展望!昨日の雨の為か、空気が澄んだ中、山々が朝日に照らされ光輝いていた。思わず何度も振り返り、そしてそんな山々から元気をもらって力強く漕ぎあがっていくことが出来た。これが悪天ならこうはいかないだろう。
山々の応援のおかげか、思ったよりも早く登山口である”武尊神社”へと到着した。さっそく登山準備を済ませて7時10分に出発!最初は林の中を走る林道を歩く。木々には夜露が降り、それが朝日に照らされて光り輝き、さらには、そんな木々からの毀れ日がなんともいえなく美しく、まさに幻想的な雰囲気であった。そんな天気の下だけに自然、足取りは軽く、林道を抜けていよいよ登山道へと入っていった。登りは手小屋沢避難小屋経由を選んだ。そして下りは剣ヶ峰経由だ。
徐々に道は険しくなっていく。登山道としては難道の方で歩きにくかったり、時には危険箇所もあるのだが、逆に言えばそれが面白くもあった。一気に急登を駆け上り避難小屋を過ぎるとやや緩やかな一息できる登山道へとなる。だが、緩やかな反面、今度は雪渓がお出ましだ!だが、傾斜も大したことはなく、また樹林帯ということもあってアイゼンを付けることなく難なく越えることが出来た。が、このあとが難路!それは藤原武尊峰という武尊山の前ピークなのだが、山頂は3方を崖に囲まれたところでそれをよじ登っていかなければならない。もちろんそんな斜面なので雪はないのだが、鎖場やロープ場が続き、そして一番参ったのが、ロープがない岩場であった。それもその岩伝い水が流れて、いかにも滑って落ちてください、そう言わんばかりの岩ではないか!そんな岩に悪戦苦闘、さらには足場は酷い泥地でもあり、それらにも苦労しながらなんとか乗り越え、ピークに立つ。三方が崖だけに景色は最高だ!だが、それに反し、雲は至る所に湧き上がり今朝の青空はいつの間にかどこかへ消えてしまっていた。
となみにこのピーク周辺はさすが難所だけに僧の修行場としても使われていたそうであった。至る所に札が立てられ、また”○○場”、”○○覗き”などの高札も立てられていた。
心配していた山頂直下はきついとはいえ、足場がしっかりしていたのでそれほど苦もなく無事に10時40分に登頂♪ここでも湧き上がる雲のために展望はあまえりよくはなかったが、そんなうごめく雲をのんびり、この雲上という別世界から見学して11時頃、下山へと向った。
下山ルートには岩場や鎖場こそないが、崖のような急な下りが続く。そして足場はどこも泥沼状態で、こちらもなかなか苦戦。ただ、救われたのは雪がほとんどなかったことだが、それでも何度か急な雪渓を横切る場があり、そこでは緊迫させられた。
それでも今回も下山は一気のテテンポよく下って行き、12時40分、無事に神社のある駐車場まで下ることができた。登山のあとはいつもそうだが、遣り終えた達成感で満ち溢れている。とくに難所が多かっただけにその達成感は大きく、そして喜ぶも絶頂だ。ただ、ひとつ気持ちに曇があった。それはHPの更新だ。今朝、必死で書き始めた日記だけにまだほとんど書けてなく、やむなくこの駐車場で腰を下ろしてPCと向きある。下山後いきな現実に戻させられてしまったが、まあ、自分で残した仕事だ。そう思いながら黙々とPCと向きかっていた。
14時半ごろ、なんとか遣り終えて、そして出発前に”裏見の滝”といわれる滝を5分ほど坂を下って見学。名前の通り、本当なら滝の裏の岩壁の遊歩道へとまわり滝を裏見することが出来るはずなのだが、崩落の危険があるために為に残念ながら通行禁止となっていた。
昨日、あれほど苦労して登った坂を一気に下っていく。なんだか、寂しくも感じるときだが、また新たな旅が始まると期待が込み上げてくるときでもある。下ったところのダム湖・藤原湖の上流部には小さな集落があり、そこで、また明日からの峠越え、登山に備えてさらに食糧調達!そして温泉へ!と行きたいところだったが、有名な宝川温泉までは少し登らなければならず、でも、そんな元気はもうない。仕方なく近場で探すが料金的に入浴を断念し、仕方なくそのまますぐ脇の湖畔公園へと入った。
さすがに連日の登山&坂でややお疲れ気味・・・ でも、また明日へ向けての情報収集。調べれば調べるほど尾瀬周辺の登山には苦労しそうであったが、それでも「為せば成る!」その言葉を胸に突き進んでいこうと思っていたが、冒頭にも書いたとおり夕方にこのHP上で登山禁止を旨をしり、涙をのんで、また難所”三国峠”を越えて新潟に戻ることになってしまった・・・
そのまま気力を失い、今夜はややボーっとしながら、のんびりと夜を過ごして23時頃就寝した。
★今日のお食事♪
・朝食 : ごはん&レトルト親子丼
・昼食 : 菓子
・夕食 : ごはん・レトルトおでん