車輪人の自転車日本一周・登山の旅 車輪人の自転車日本一周・登山の旅

2003年 5月27日 (火) - 324日目

天気 : 曇一時雨

体調 : 良好

宿泊地 : 武尊キャンプ場

本日の移動 : 水上町(谷川岳登山~武尊山登山口)

走行距離 : 20.0km

累計距離 : 13,916km
本日の出費

食費 : 157円

観光費 : 0円

宿泊費 : 0円

雑費 : 0円

費用詳細 :

現在地 : 群馬県水上町  ( 全走行図 )

どあい駅

どあい駅にて
 昨日も紹介したちょっと変わった”土合駅”。486段の階段を下ったところにある地下ホーム。そんな駅に誘われていろんな人が訪れ出会いがあった。昨夜、この駅で一緒に寝た牡鹿さんと今朝も楽しく会話しながら登山へと出発準備。そんな早朝のまだ6時前、この駅にまたお客さんが訪れた。やっぱりそのおじさんも電車を利用するわけではなく、今日は重い空模様のために、この地下階段でジョギングだそうだ。こんな活用法があったとは・・・ そう思いながらも、またほんと電車利用客とは会わないなとも改めて思ったりもした。そんな、おじさんや牡鹿さんと朝の時間を楽しみ、そして2人に見送られて登山へと、この駅から徒歩にて出発した。

 まずは車道を20分ほど歩くのだが、その車道はここから一気に急な登りとなっていた。大きくS字を描きながら上がっていく。道中、立派な登山慰霊碑が建てられていた。名前の通りこの谷川岳周辺で亡くなった方の慰霊碑で、改めて山の怖さを感じながらも、だが、そのその脇にはある作家の文面が書かれ、「危険だからこそ、苦労するからこそ挑戦し甲斐があり楽しい。」、そんな事が書かれていた。「まったくその通りだな。」と、ひとり「うんうん。」 と納得しながらロープウェイ脇の登山口を目指した。

 そんな時、なんと嬉しいとこに先ほど分かれた牡鹿さんが車で最後の見送りへと来てくれたのだ♪これはほんと意外で、こうして出会った方、たくさんの方に心から応援されていることを、改めて感じ、そんな自分はほんと幸せだ!そう思いながら、そしてそんな牡鹿さんに、みんなに感謝の気持ちでいっぱいにだった。

 7時10分、また2人、固い握手を交わして見送られながら登山道へと入っていった。ちなみにに登りは西黒尾根を選んだ。谷川岳山頂へと続く尾根道を一気に登る登山道で、その登りはなかなかきつい。昨夜の雨のためか、湿気は多く蒸し暑い。そのため汗は滝のように流れポタポタと地に落ちた。天気の方は相変わらず雲に覆われ、「降るなよ!」ただそう祈りながらの山行であった。

 樹林帯をただただ黙々と登っていく。霧のために展望もよくない。足取りはどうしても重くなりがちだが、しかしこのあと、嬉しいことに雲が徐々に晴れてくるではないか!うっすらと顔を出し始める山々。その中で雲はまるで生き物のように自在に動きまわり、不思議な世界を作り出していた。

暑い!きつい登りが続く
高倉山方面
雲広がる

 稜線は次第に細くなり、それと共に岩場へと変わりつつあった。何箇所かある鎖場を越えると”ラクダのこぶ”といわれる小さなピークに出る。すると前方に今まで見ることの出来なかった谷川岳山頂が突然姿を現した。「おー!!」っと、思わず声をあげる。先ほどまでの雲が嘘のように晴れ始め所々には晴れ間さえ覗いていた。そして残った雲・霧は北側にて尾根を境に渦を巻き、うごめいていた。そんな姿にしばし魅せられ、そして気がついたように写真を撮りはじめた。

 細い稜線を越えていくと、いよいよ最後の登りとなる。荒々しい岩壁が剥き出しになっている斜面を時には手を使ってよじ登る様にして登って行った。そしてここに来てようやくお目見えしたのが雪渓。大した規模の雪渓ではなかったが、急斜面に貼り付くようにして残った雪は、見た目以上に手ごわい存在であった。もちろんその斜面も難点だが、それに加え雪の下はどうやら空洞になっているようで、とても雪上を歩けるような状態ではなさそうだった。そのため、雪渓のない岸壁を直登していくことにし、意外に苦戦させられた。そして山頂直下になるとやや傾斜は緩やかになるのだが、そこには一面、分厚い雪に覆われていた。一歩一歩慎重に足場を作りながら登り、そして9時30分、無事に登頂した!

おお!山頂だ~
笠ヶ岳方面
山頂がくっきりと!
あともう少し!
狭い稜線を登る
徐々に雪渓も・・・

 風がやや強い。雲が走るように流れ、瞬く間に霧に包まれたかと思うと、一変、今度は雲上から山々が眩しいほどに顔をだす。そんな幻想的な世界に引き込まれていった。だが、しだいに霧の中にいる時間が長くなり、次期にすっかり霧の中に埋もれてしまった。もう一度晴れることを祈りながらしばらく山頂で休憩。薄曇の中から時折顔を出す日はあまりに気持ちよく、睡魔を誘い、そのうちウトウトと夢の世界へと入っていった。

 約1時間、うとうとしながら待ったが、相変わらず霧の中であった。さらには深まる一方で睡魔を誘う日差しはもう届くこともなく、今度は寒気が襲ってくる始末であった。さすがに諦めて10時40分、下山へと向った。

 下りは天神尾根より田尻尾根を通っていった。相変わらず霧の中で視界が悪く、ルートも探す有様であった。さらには広い雪渓にも阻まれるが、そこは嬉しいことにポールが立てられていて迷う心配はなかった。尾根沿いに徐々に下りていくと、次第に霧は晴れ、見上げる谷川岳は見事なほど雲の中であった。そんな見えない谷川岳をいつまでも眺めながら下っていく。しばらく進むと「カタカタ」という音が、どうやらロープウェイの運転音のようだ。営業しているようだが、お客はいるのだろうか?!この山行で出会ったのは1組のみ・・・ それだけではないかと思えるほどであった。そんなロープウェイを見上げながら、ひとり黙々とすぐ下をのんびり下っていき、そして12時15分、ロープウェイ乗り場へと無事に下山することができた。

 意外にもそこは賑わっていた。またロープウェイも平日というのになかなかの繁盛ぶりであり、時には大型バスさえ入り、トレッキング靴のおばちゃん達で賑わっていた。その理由は水芭蕉であった。山頂駅周りには見事なまでに咲き乱れていることを案内ポスターで知った。自分はそこを迂回して下山してきてしまっただけに悔しくて堪らなかったが、しかい、この後に入る尾瀬に期待し、今回はこうして雨にも降られず、また、それなりの展望を楽しみ、そして無事に下山してきたことに感謝し、自転車へと戻ることにした。

谷川岳山頂♪
山頂より茂倉岳
山頂はじきに雲の中・・・

 が、ここにきて雨が・・・ 残りわずか車道10分という距離だが、この雨でとても遠いところに遠ざかってしまった。でも、空にはどんよりした重みはなく、すぐに止むだろう、そんな期待を胸に雨宿りすることにしたのだが、それがなかなか止まない。小雨はひたすら降り続き、結局1時間待ったが止むことなく、雨の中を歩くことになってしまった。

どあい駅
 小雨のおかげで思ったよりは濡れることなく自転車を置く”どあい駅”へと戻ってくることが出来た。わずか数時間ぶりの駅だが、とても懐かしく感じ、そして変わらぬ駅の姿に、今朝見送ってくれた、牡鹿さん、おじさんが今も居る様なそんな期待まで込み上げてくる始末であったが、もちろん居るわけもない。ただ、そんな駅へと踏み入れると、なんと見覚えのある自転車が!それは自分と同じ”グレートジャーニー”で、荷物こそ載せてなく長期旅行者ではなさそうであるが、でも嬉しいのは変わらない。そんな自転車の主は日帰り旅行中の”都丸”さん。とても陽気な方で話しやすく、すぐに打ち解け、さらには駅へ遊びにきていた外人2人組みも合流し、静かな駅が一変!一気に賑やかな楽しい雰囲気へと変わった。ちなみに外人さん、名前は残念ながら聞きそびれてしまったが、アウトドアが好きでその関係の仕事をこの日本でしているという。さらには旅も好きだそうで、なんとあのお遍路をもほぼ私と同時期に周ったと言う。そんな共通点からも話しに盛り上がった。

 楽しい時間は飛ぶように過ぎていく。14時過ぎに外人さんと別れ、そして都丸さんと共にこのあとも駅で雨宿り。すぐ止んでもおかしくなさそうな空模様なのだが、あれから止むことなくシトシト降り続けていた。さすがに15時を差した頃、待ちくたびれて雨の中へ出発!名残惜しくもある思い出いっぱいの駅を見送り、自転車を漕ぎだした。目指すは20kmほど先だが、また登山口とあって楽な道ではなく、県道63号へと入ればまた長い長い登り坂が始まった。それでもまだまだ許せる範囲の斜度で、ヒイヒイ言いながらもなんとか漕ぎ進み、そして途中からは登山口目指して林道へと入って行った。

藤原ダム
武尊キャンプ場にて

 林道へ入るとどうしても不安が込み上げてくる。この先、寝床は見つかるだろうか?さらには水場はあるだろうか?そんな不安が込み上げるが、しかし、明日の登山を考えるとどうしても今日中に登山口近くまでは行っておきたい。不安を抱きながらも斜面を上って行ったのだが坂の方は鋭くなるいっぽうで、ペダルはどんどん重くなり、S字を描きながらなんとかこぎ上げれるというほどになっていた。そんな道と約1時間ほど戦い、そして最初の寝床候補、武尊キャンプ場へ到着した。さっそく料金を聞くと900円という返事が・・・ 今の旅では無理な料金である、で、第2候補のこの先の登山口に水があるかどうか聞くと、残念ながら飲み水はないという・・・ うーん、さすがに困ったが、そんなときになんと「いいですよ!ここ使ってください!」、そんな嬉しい言葉がキャンプ場の方から!♪その代わり今度は友達さそって遊びにきてくださいね♪と言うことであったが、そんなキャンプ場、申し分ない設備で快適そのもの♪ほんとありがとうございました!夜はのんびりとラジオを聴いたり、読書したり、人の目を気にすることなく楽しんだが、でもひとつ難点が・・・ それは携帯が圏外でありHPが更新できないことで、こうなると自然、日記を書くという気力すら起こらなくなってくる。いくら疲れた身体を奮い立たせても一向に書こうという気になれず、仕方なく仮眠してから、そう思ったのだが、そのまま起きれずに朝まで寝てしまった・・・

 ~追伸~
 冬季閉鎖道路、強行突破に決定!ですが、県道63号の道路工事。そして国道352号の枝折峠の2輪車通行禁止ということでさらに難関・・・ 行けるでしょうか・・・ さらに問題が山積み!その中で登山しなければならず、その登山口のほとんどが山小屋併設&駐車場管理ととても野宿できそうにもないこと(T_T) 無理そうな為に、35Lバックで無理やりテント1泊2日の山行へと向うことになりそうです。日帰り(半日)の山なのに・・・

 ★今日のお食事♪
 ・朝食 : ごはん&レトルト中華丼ー
 ・昼食 : パン・菓子
 ・夕食 : 菓子




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