眠い目を擦りながら登山へと向うために5時に起床。書き途中になっていた日記と、自炊を平行して朝から慌ただしく出発準備をする。順調な準備で7時過ぎには準備を整えることが出来たが、なんとここで腹痛の襲われ、一時、トイレにこもってしまった。2、30分格闘にて、なんとか持ち直し、気を取り直して6時40分、やや不安なお腹を抱えながら登山口”中出”へと向けて出発した。
登山口へ入る分岐までは大した坂もなくすぐに到着。だが、このあとがこの登山中、いや最近の登山や坂を含め一番苦しめられた気がする。やや体調不良もあったかもしれないが、それでも必死に漕いでももう中盤からは駆け上がれなくなってしまうような坂で、まるで歩道橋のスローブを登っている感じであった。ほんとはもうここはピストンになるので、もうこの辺りで自転車を置いて歩いて登りたかったが、その自転車を置くところもまったく見当たらない・・・ 藪の中に入り、そして木に立てかけておく程度しかなく、さすがにまるで捨ててあるかのような様子になってしまい、仕方なく荷物満載の自転車を最後は押して登って言った。
たかが2kmほどの坂だが、もう朝から汗だくで四苦八苦。後半はダートの急坂へと変わり、押すにしても押せない。自転車は深い砂利にタイヤを盗られながら、時には埋まり、また横滑りもする。足の筋肉はもちろん、腕まで痛くなってきてしまった。さらには膝の関節まで痛い。もうボロボロになりながら、押しては休み、押しては休みを繰り返し、そしてなんとか目標の登山口に到着した。
「フゥーッ」っと深く息を吐き疲れを癒す。ほんとこの坂にはやられたが、でもこの後の登山は快適そのもので、9時ごろ出発して、暑さにはやや苦しめられたが、9時20分には荒島岳の前ピークである小荒島岳へと登頂した。今日も快晴のお天気で、登山中はかなり暑く苦しめられるが、一度、行動を終えれば丁度よい陽気♪ここで軽く行動食を頂いて、お腹を満たすと、自然と睡魔が襲ってきた。そして逆らわずに日差しの下、ちょっと仮眠♪幸せなひと時を過ごして、10時20分頃、改めて出発した。
この先辺りから徐々に北斜面を中心に雪で覆われだした。山頂近くでは1m以上もあるのではないかと思うほどの積雪であったが、自分の歩く稜線(尾根沿い)にはまず雪はなく快適で、また晴天続きということもあって泥濘も少なく、快適そのものであった。山頂まではまた一気に登り、10時20分ごろ登頂した。そこで迎えてくれた展望はまさに最高で、眼下には大野の平野が広がり、そして周囲は見下ろす山々が連なる。ただひとつを除いては・・・ それは白山!もう5月も中旬になろうかというのに、未だに真っ白な銀世界で覆われた白山連峰を見渡すことができ、その標高の高さを窺えた。同じ山で別世界のようで、また神秘性も伝わってくる。古来より霊山として崇められてきた理由も窺え、また、この荒島岳のよさが、全てこの白山の展望にあるかのように感じた。ここでもあまりの陽気、そして展望の気持ちよさからまた睡魔に襲われてちょっと仮眠などもして、12時10分頃まで山頂を満喫して下山へと向った。ちなみにさすがGW後だけあって登山者は少なく、山頂に約1時間居たのだが、その間に来た登山者は2組のみ。さらには私の取った中出コースは私のみ、といった登山数で、おかげで静かな登山が出来たという反面、やや寂しいところもあった。
下山は休むことなく一気に駆け下りて、13時50分に下山。そして変わらぬ姿である自転車にホッとしたのもつかの間、バックを開けてみると、蟻の大群に襲われていた。100匹は越えていただろう。本や工具が入ったバックでとくに餌はないのだが、でも暗いところが好きらしく、裏蓋などにはかたまって山のように蟻が積み重なりジッとしていた。以前にも同じように襲われたことがあったが、また襲われるとは・・・ 場所が結局は登山口とはいえ、藪の中の木に立て掛けておきざるえなかっただけに心配はしていたんだが、でもさすがにこの量の蟻にはビックリした。カバンの荷物を全て出してひっくり返して蟻を追い出し、ようやく落ち着くことができ、いよいよ大野市街へと観光へ!が、順調にはいかなかった。ある程度は予想はしていたが、ダートの急な下りは、上りと共に過酷で、最初は乗って下りていったが、タイヤがロックしたり、横滑りしたりととても、恐怖に駆られるばかりで、結局歩いて下りていくことになってしまった。
市街へ下りてまず向った先は越前大野城 、その資料館では小さい町ながら意外なほど表舞台に出てくるこの大野藩に魅せられて、そして天守からは小高い山城だけに町を一望することが出来ることはもちろん、町を挟んだ奥には先ほど上った荒島岳を望むことが出来た。この小さな丘程度の高さからみる荒島岳は雄大で、とても今さっきまであの山頂にいたとは思えれない高さであり、それが不思議に思うほどであった。ちなみに荒島岳で魅せられた白山はと言うと、もう山の奥深く、手前の山が邪魔し、この高さからでは全く望むことが出来なかった。
この大野城を散策中に神社で、ある里帰り中の夫婦にであった。「写真を撮ってもらっていいですか?」という出会いから始まったのだが、もう嬉しいそうに「ここ、私の故郷なんですよ!もう懐かしくて懐かしく!」っと話してくれた。そんな笑顔からよほどこの町に愛着を持ち好きなんだなと感じ、またこのあと、その町のよさを感じることになった。
城を散策し終えて、ここで福井市ではGW中ということで出来なかった広報活動へと挑戦!地元新聞社にお願いしてみると快く取材に応じてくれた。写真撮影時には通りがかりの小学生2人を呼びとめ強制的に私と触れ合う写真を撮ると言う出会いであったが、でもこの後、普通に分ち合え、そしてなんと思い出にと理科の実験道具であろう物まで頂いた。ありがとう♪ 取材のほうは順調に終えるが、掲載のほうが出来るかどうかは分からないそうだ。
この大野市の街中には名水100選のひとつにも数えられる清水がある。今回、そこで取材してくれたのだが、取材後、さっそくそこで水汲み♪さすが御清水!味は格別であった。
もう17時過ぎ、最後の観光は町並み散策♪寺町通りをはじめ、いろいろ周って見たが、情緒があり落ち着いた町並みで走っているだけでほんと楽しかった。さらにこの後、銭湯へと入る為に、数人に道を聞いていったのだが、みんなが身を乗り出して、時には道路まで出て、さらには近所の方も乗り出して、道を教えてくれた。またこの後の銭湯でもコインランドリーの場所を聞いたのだが、その時の「えっ、そこまでしてくれなくても・・・」っと思うほど、わざわざ番台から出て、道を教えてくれた。ほんとそんな人柄もこの町ならではだろうし、また、だからこそこの風情が残されているのだろう。先ほどの夫婦の郷土愛が失われずに残っていたのも分かる気がした。
登山後の温泉は最高だ!ちょっと面白い名の「キューピー湯」に浸かって、そのあとはコインランドリーで洗濯。身も衣服もピッカピカにして、最後、本屋で小説をあらたに購入し、、また昨日もお世話になった公園へと戻った。すでに20時になろうとしていたが、昨夜泊った所と言うだけに寝床探しに困らず安心して、こうして日が暮れるまで観光することが出来のだ。ちなみにこの寝床には今日、先客がいた。「ここで寝させてもらっていいですか?」っと断って隅を空けてもらったのだが、一見ホームレスと思っていたのだが、聞くと、どうやらホームレスではなく、ちゃんと帰るところがある方の様であったが、このことについてはあまり深くは訪ねなかった。ちなみにこのおじさん、ここで夕方から夜にかけて過ごすのが日課らしく、実は昨夜、私が先にこの地へと入りテントを張ってしまったものだから、逆に警戒してこの地へ何度か足を踏み入れたが、すぐに引き返してしまっていたのを昨夜何度か私は目にしていた。こういう旅をしていると、よく「公園とかで野宿して怖くない?!」っと聞かれるが、でも、一番私が思うことは逆に恐怖を与えている側であることである。今回もその一例であろう。確かに自分も恐怖を感じるが、でもそれは自分から好きでやっているのに対し、恐怖を与えられてる一般の人から見れば、不審人物といだけで不安にさせてしまう。そんなことを改めて今日最後に感じさせられた。
★今日のお食事♪
・朝食 : ごはんと缶詰&味噌汁・エネルギードリンク
・昼食 : パンとチョコレート
・夕食 : 鉄火巻き・お芋・わかめ入りインスタントラーメン