車輪人の自転車日本一周・登山の旅 車輪人の自転車日本一周・登山の旅

2003年 3月13日 (木) - 249日目

天気 : 晴時々曇

体調 : 良好

宿泊地 : 祖母登山口(北谷)

本日の移動 : 日之影町~高千穂観光~祖母山登山口(五ヶ所高原口)

走行距離 : 44.0km

累計距離 : 10,150km
本日の出費

食費 : 1097円

観光費 : 200円

宿泊費 : 0円

雑費 : 15円

費用詳細 : 食費:明日の登山行動食含む、観光費:高千穂民族資料館(コミュニティーセンター)

現在地 : 宮崎県高千穂町  ( 全走行図 )

九州自然歩道

 どんよりとした重い雲に覆われた小雨降る朝だった。6時に起床したもののこの転機で憂鬱な朝の自炊と済ませ、撤収作業。そして雨対策の為に各自転車サイドバックにレインカバーをかけたのだが、嬉しいことに出発の時には雨はあがってくれていた。そしてそれほど時間をおくことなくどんどん晴れ間が広がり、予想外の好天気へと変わっていった。そんな具合だからもう嬉しくて、青空が覗く中、気分良く高千穂峡を目指した。

  この五ヶ瀬川沿いの渓谷にはたくさんの大きな橋が架かっている。昨日からの写真で撮っているのも、もちろんこの渓谷に架かる橋なのだが、でもその一部に過ぎないほどだ。そして今日、気になる橋がもう一つ、「日本一のアーチ橋」と書かれたこれまた巨大な橋なのだが、でも、昨日「東洋一のアーチ橋」があったような・・・ =日本一?!どういう訳か良く分からないが、とりあえず巨大な橋が続く、景色も雄大ながら、その中に人類の力の凄さも壮大だった。

 それらの景色に見惚れながら気持ちよく進み、もうすぐ高千穂市街へと入るというところまできると、なんと前方の集落の向こうには阿蘇の連山が見えるではないか!その美しさにさらに気分良く市街へと入っていった。

 最後はバイバス(国道)を通らずに市街をのんびり散策しながら入り、そしてまず向かった先は高千穂神宮。9時を過ぎたばかりのまだ朝の為か、だれもいない静かな境内であった。大きな杉が立ち並ぶ本殿で、旅の安全、達成を祈り、そしてこの神社に自転車を置いたまま、あの有名な高千穂峡を一目見ようと渓谷の下まで歩くことにした。もちろん車道もあるのだが、この坂が半端ではでなく、自転車で行くところではない、と言いいたいほどの坂が続いていた。

天翔橋?日本一の
アーチ橋と名乗るが・・
高千穂神宮

 そんな坂を下り切り、そして渓谷沿いの遊歩道へと入っていく。看板をみて気付いたのだが、この道が九州を縫うようにして走る、”九州自然歩道”であった。そしてこの看板を見るたびにモバイルしながら旅を続けている”田嶋”さんを思い出す。まだお会いしたことはないのだが、自転車モバイル日本一周と遣り遂げ、そして今、全国の自然歩道を歩かれている方で、尊敬している方の一人である。話は逸れたが、この高千穂峡の散策道に入り、そしてまずその神秘的な渓谷に魅せられほんと驚いた。絵葉書や雑誌等で今まで何度か見たことある風景なのだが、写真写りが良いのだろうとあまり気体はしていなかった。だが、その絵葉書以上の景色に、そしてさらに、見た人でしか伝わらないだろう神秘的な雰囲気もあり、まさに幻想の世界であった。さらに見所はそこだけではなく、何処までもまた違った素晴らしい景観を見させてくれていた。そんな高千穂峡に驚き、また好きにもなった。この自然歩道をこのまま進むと自転車を止めた高千穂神社へと戻れるということで、これはラッキーと思い、そんな楽しい道を散策して行ったのだが、なんと途中で、倒木にため通行止めという悲しい看板が・・・ 楽しみにしていただけに辛いが、仕方なく車道へと戻り、またきつい坂を上り元の高千穂神社へと戻った。

幻想的な高千穂峡
断崖の高千穂峡
3本の巨大な橋!

 このあと市内散策へ。まず向かったのは歴史民族資料館で、ここでは高千穂の歴史を中心にかなり詳しく、そして丁寧に説明されていて見所充分でのんびり見学した。そんな資料館で、ちょっとビックリしたのだが、なんと先ほど書いた”田嶋”さんの話がでた。なんでも、田嶋さんがお世話になったところでもあるそうだ。ちょっと不思議な出会いのように感じた。

 このあと、駅前にちょっと変わった民家があるということで、そのまま自転車をそこに置き歩いて行ってみた。そんな駅には可愛い電車が、まさにちょこんとっと言った感じで止まっていた。そして、その前には民家跡があり、中には民族芸の展示されていた。そんな見所いっぱいの高千穂を約3時間ほど散策してちょうど12時ごろ、いよいよ明日の祖母登山のためにその登山口へと向かった。

高千穂民族資料館
兼、コミュニティーセンター
民族資料館内
高千穂駅にて
駅前の民家跡
民家内では伝統芸展示

 出発して次期にちょっと気になるところを発見!さっそく立ち寄ってみた。そこは閉鎖された鉄道のトンネルのようで、以前は熊本~延岡間の鉄道の開通が発足していて、熊本側では高森まで、延岡側はこの高千穂まで無事に開通したのだが、この間の開通に難航し、さらに事故が多発したことから途中で凍結してしまい、そして現在ではそのまま廃止という結果になってしまったそうだ。そんな使われない作られたトンネルを利用してワインの貯蔵所となっていた。そんな前にある売店では試飲もでき、ちょっとお酒を頂いて、この先に坂に向かっていった。

 さて、ここからが大変!国道325号を登って行ったのだが、その途中でさっそく峠越え、せっかく登ったのに、また下っていってしまう悔しい道路なのだ。そのあと県道8号へと入り、五ヶ所高原へと目指した。看板の距離は6kmほどと、これならすぐに着きそうだなっと安易な気持ちで登り始めたのだが、それが予想以上どころか、果てしなく続く、まさに壁のような上り坂で苦しめられた。最低ギアでもとても真っ直ぐ登れずに交通量も少なかったことから、道幅いっぱいに使ってS字を描きながら必死で登って行った。さすがに疲労も半端ではなかったが、でも久しぶりに本格的な登りがちょっと嬉しくも感じ、休むことなく奮闘し、そして登りきることができた。

 この五ヶ所高原への上り坂、最後はトンネルを越えるのだが、そこを越えると目の前には雄大な雪を被った祖母山が突然そびえ立ち、まさに感動物だった。そしてさらに、この先に”三秀台”と言われる展望台があるのだが、そこからは名前の通り、祖母山、阿蘇山、久住山と3つの九州を代表する山を望むことができ、まさにこれまた感動物!いや、涙物の展望であった。ここまでの苦労が全て洗われ、そして最高の達成感を得ることが出来た場所であった。

廃鉄道の利用
感動の3秀台
3秀台より
祖母山をバックに

 この先、祖母の登山口へはさらに側道へと入り8kmほど登って行ったところにあるのだが、でもここを野宿場所にしようかとも思った。トイレもありキャンプ場のような施設もあり、申し分ないところであった。でも、まだ15時と時間的に余裕もあり、体力的にも頑張れそうだった。そんなことから、明日少しでも楽しようと、また、明日のうちに登山し、そのまま阿蘇へと行きたかったのもあって、今日中に登山口まで頑張ることにした。

 分岐前にある祖母嶽神社に登山の安全を祈りながら後にして、いよいよ本格的な林道へと入っていった。ただ、この道は先ほどと違って、地図から見る限りではそれほど急ではなさそうで、気軽な気持ちで入って行った。結果はその通りの、なだらかな上りで気持ちよく進んで行ったのだが、なんと途中からダートへと変わってしまった。さすがにこれにはまいり、泥濘の道だったこともあり、もう押して歩くしかない状態であった。幸い、道の傾斜はそれほど急ではなく、約1時間ほどの徒歩で登山口に着くことができた。ちなみにここも九州自然歩道で先の田嶋さんの歩かれた道だ。

 こうしてなんとか16時半ごろ無事に登山口へ到着。嬉しいことにちょっとした休憩所もあり、そこにテントを半無理やりに押し込み張らせてもらった。ちなみに他に車などなく、もちろん行き止まりの林道だから誰も入っても来ない。そんな山中で一人今日はのんびりと言うより寂しく迎えることになった。景気付けにラジオを聴きながらすごしたのだが、一つ不便なことがこの地にあった。トイレもあって良いところなのだが、冬季とあってか水がでない!仕方なく、往復15分の距離を沢まで下ってその水を飲料水とした。ちなみにこの沢は大分湾に流れる大野川の源流で、その清さ、美味しさは格別であった!ちなみに今夜の自炊用飲料を一度持ちに行き、そして自炊後、明日用にとまた沢へととりに行った。水だけでも大変な作業だった。こうして水苦労させられたが、思ったよりも快適な屋根の下で、日は暮れていった。ただ、やはり誰もいない山中とあって寂しさはあったが・・・ ちなみに携帯は圏外で、HPの更新は出来ず、またそんなことから、日記も書く気力も失い、また疲れていたことから、20時頃には就寝した。  

祖母嶽神社
ようやく到着~♪
祖母登山口(北谷)
むりやり休憩所内に設営
今朝の宮崎日日新聞
 ~追伸~
 本日(13日)の宮崎日日新聞の朝刊にこの旅の事を掲載して頂きました ありがとうございました。




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