そして9時20分、待望の山頂だ!懐かしい!!まず最初にそう思った。そう、以前に一度、車で旅をしているときに反対側の登山道から登ったことがあるのだ。でも、その時は霧雨の悪天候で、このような展望もなにもなく、ただ、悔しい思いだけを胸に下山した。そんな苦い思い出があったからこそ、今回のこの好展望が嬉しく、思い出と喜びを山頂で噛み締めていた。
太陽の降りそそぐ風のないポカポカした陽気の中、山頂を10時まで満喫して下山へと向かった。先ほどにも書いたとおり、下山道は表登山道(九州自然歩道)を行くことにした。こちらはそれほど急な箇所もなく、ただひたすら緩やかな下りを行くようなコースで、これがのぼりならやや面白さにかける部分があるが、でも下りなら楽でスイスイ行くことができ、快適コース。展望もそれほど開けるところもなく、黙々と下っていき、そして11時20分、無事に北谷登山口へと下山した。
久しぶりの登山であったが、大満足の内容で、そしてこの祖母が好きにもなった。荷物を整理して、美しい祖母山を振り返りながら、今日の宿泊地、阿蘇RHに向けて12時ごろ出発した。ちなみに阿蘇町までまっすく向かっていく道がなく、そのため、どのルートをとって行こうか迷いに迷った。そして地図の等高線を何度も確認して、無難な県道41号を選んだ。それでも、アップダウンは激しく、何度も苦しめられたが、でもこの晴天と、そして久しぶりの登頂の喜びから、鼻歌を歌いながら気持ちよく越えていき、そのため、道の割には苦労は少なかった。何事もやっぱり気分の問題が大きい。
長い長い県道を越えていく。山の中の道ではあったが、でも意外に民家が多く、そして辺りには林業が盛んなようで、植樹された木々が生え並び、それらの景色がほのぼのとしていて、そんな意味でも気持ちよく走ることが出来た。そして、そこを抜けると懐かしの国道57号線だ!九州を南下してくるときに通ってきた道で、同じように今回ここから阿蘇へと入る。その当時の心境とだぶり、とても懐かしく感じ、そして峠を越えて阿蘇の連山を望んだときは嬉しさ、懐かしさがピークで涙物の阿蘇であった。この阿蘇で、年末年始、長く過ごした土地でもあり、そしてたくさんの出会いも生まれた土地でもある。そんな思い出の土地なのだ。
懐かしいそんな阿蘇の地に15時過ぎに入った。前回、見逃してしまった阿蘇神宮を今回、参拝・観光して、懐かしのRH(ライダーハウス)のある、内牧温泉へと入った。この温泉街の中心地に店を構える「商(あきない)」にまず立ち寄った。空腹ということもあったが、RHの管理人でもある吉澤さんに早く会いたかった事もある。普段はここで働いているんだ。そんな吉澤さんと久しぶりの再会を喜び合い、そしてお互い積もり積もった話が盛りだくさんで、2時間以上も話しこんでしまった。この方も自分が尊敬している方の一人なのだ。
話しこんでいるうちにすっかり日も暮れてしまい、この後、内牧温泉街のたくさんの外湯のひとつ、”宝湯”へと入浴して、旅の汗を流し、そして懐かしの阿蘇RHへと入った。ここでも自分を待っていてくれている方がいて、以前にHP上で知り合い、いつか会いたいですねっと話していた方だ。”小黒”さんで自分と同じくチャリダーでこの3月いっぱいをかけて、九州を周るそうだ。夜遅くには管理人の吉澤さんも加わり、遅くまで楽しく語り合った。就寝は翌日の午前1時過ぎとなってしまった。