車輪人の自転車日本一周・登山の旅 車輪人の自転車日本一周・登山の旅

2003年 3月8日 (土) - 244日目

天気 :

体調 : 良好

宿泊地 : 飫肥の河川公園

本日の移動 : 大崎町~都井岬~日南市(飫肥)

走行距離 : 101.8km

累計距離 : 9,839km
本日の出費

食費 : 610円

観光費 : 650円

宿泊費 : 0円

雑費 : 0円

費用詳細 : 観光費:都井岬灯台・飫肥観光チケット

現在地 : 宮崎県日南市  ( 全走行図 )

チャリダーたち

 日中はかなりあったかいが朝夕はやっぱり冷える。今朝も意外に冷え込んで寒い朝を迎えた。6時前には起床して、まずは公園ということで先にテント撤収。それから風の来ない軒下に移ってそこで朝食を自炊した。

 当初の予定では今日は都井岬を周って南郷までの予定でいたのだが、一昨日の停滞でそれを取り戻そうと今日は頑張って日南に入り、さらには飫肥の観光をしてしまおうと思っていた。そのために、今日はちょっと早い7時半前にはこの道の駅を出発した。

 最初は順調にひたすら距離を串間市街までは稼ぐことが出来た。だが、そこから都井岬までの道が大変だった。まずは都井トンネルのある都井峠!地図上でも登りは確認していたので、ある程度は気合が入っていた。だがそれ以上に長く続く坂道にさすがに大汗をかき、へたってしまった。そんな時に見つけたのが綺麗なお花畑のパーキングエリア。そこでちょっと休憩して鋭気を養い、そして残りの登りをなんとか這い上がっていった。

都井峠にて
ちょっと休憩(都井峠)

 こうしてなんとか峠を越えて、今度は長い都井の集落までの下り坂を気持ちよく下って行った。そして小さな集落を抜けると、今度は都井岬への有料道路へと続く上り坂だ!この坂も最初は地図からみた標高差から軽い気持ちで挑んだのだが、その驚くほど急な傾斜にすぐに参ってしまった。最低ギアでS字を描きながら必死で長い長い坂を登って行き、そしてようやく峠へと上りきった。ここから南へと別れ都井岬へと向かうのだが、この先、ピストンの8kmほどのアップダウンが続く道となる。そのため、出来ればどこかへ自転車の積荷を置いていけないかと探しながらいくが、なかなかそんなところが見つからない。でも、最悪この先の料金所の方に預かってもらったり、前の敷地にでも置かせてもらえたらいいなっと思っていた。こうして登って行ったのだが、結局よいところが見つからずに料金所へと行き着いてしまった。でもまだまだ先は長い為にここで預かってもらえないかと聞いてみることにした。料金所のおじさんに声をかけようと近づいていくと、こちらを見向きもせずただ手で「先へいけ」っと無言で先を示した。料金は要らないということなのだろうが、それ以外にもお願いしたいことがある。さらに近づくと、おじさんはただ横目でちらっと見るだけでまた目線をそらし、ただ手で邪魔者をのけるように先へ行けと手を振るのみであった。窓も締め切ってそんな具合だから、私の「すいませーん!」っという声もなかなか届かず、何度も言ってようやくこちら気付いてくれた。ただ、対応は変わらず、ろくにこちらも見ないまま不審そうにこちらを伺うのみ。こうして荷物の件をお願いしてみたのだが、ろくにこちらを見ることもなく、無愛想に「ダメだ、責任もてないから!」っとあさっての方を見て迷惑そうに答えるのみであった。そうな無愛想さにあきれて、こちらも最後は無愛想にあきらめて後にした。断られるのは仕方がないにしても、あの無愛想さにはあきれてしまった・・・

天然記念物・岬馬
 こうして仕方なくそのまま荷物満載で都井岬へアタックすることになってしまった。さらに先ほどの件で楽しいはずのこの都井岬の旅が一気に不機嫌な思い出しか残らない都井岬となってしまった。ただ、もうこんなところ早く終わらせたい、ただそれだけでこの先のアップダウンを必死に越えて行った。少し他とは変わった天然記念物の岬馬もちらほら窺うことはできたが、じっくり見ていく気持ちにもなれず、ひたすらアップダウンを越えていった。

 そんな坂の道中、単独チャリダーに出会ったのが嬉しかった。ちょっと休憩中にお話したのだが、この方はあまり話し好きではないようで、それほど会話も弾まずにさっさと行ってしまった。久しぶりのチャリダーなのに残念だ。

 ちなみに沖縄のキャンプ場などではたくさんのチャリダーに出会った。ただこの方たちは根っからの旅人で冬は沖縄、夏は北海道とバイトをしながら何年も無期限で旅を続けている方たちで、ちょっと私とは旅の思いや目的が違っていた。そんなチャリダーが基本的に多い沖縄ではあったが、でも、頑張っているチャリダーや旅人もいっぱいいた。そしてこの鹿児島の本土に帰ってきて、来るときの鹿児島とは違って、実は佐多方面を走っているときから何度か大学生チャリダーなどにあったりした。丁度、春休みで、そしてこの温かい南九州の旅がこの時期最高の場所なのだろう。でも、今まで出会った方はみんなすれ違いで声をかけることが出来なかった。でも、今日もこうして旅人と出会い、この先の南九州の旅は楽しみだ。

 話はまた元に戻って、いくつものアップダウンを越えてなんとか佐多岬灯台の地へと到着することが出来た。この先、日南の観光もあることから、早めに見てさっさと後にしようと思っていた。また先ほどのことから気分的にもあまり良い地ではなかったこともあった。だが、この岬の売店の地で気分は一転した。あたたかい売店のおばちゃんに声をかけられ、そしてそんな売店には同じチャリダーの方も一緒だった。先ほどとはまた違う方で、そんな3人でこの土地の話や旅の話で盛り上がった。そんな温かい場で時間を忘れて、地元のことなど聞いたり、またこの岬の話なども聞かせてもらった。ありがとうございました。結局、話は尽きることなく1時間ほど話し込んでしまった。でも、おかげで気分は一変し、楽しい時間を過ごすことが出来た。またこの都井の地が好きにもなった。

 このあと灯台へと見学。ここは全国でも数限られる灯台内が見学できるところだ。さっそく料金を支払って灯台内へとワクワクしながら上って行った。らせん状の階段状の最上部には、目の前に反射鏡等の設備があり、それらの普段見れない見られない設備に魅入ってしまった。そして、その先の展望は素晴らしいの一言!天候にも恵まれ、青い海と青い空が果てしなく広がっていて、そでも嫌なこと辛いこと全てを洗い流してくれた。

都井岬にて
売店のおばちゃんと
大学生チャリダー
都井岬灯台
都井岬より

 こうして都井岬でも思い出いっぱい作って後にして、また同じ道を引き返す。来るときとは違って心が洗われたおかげで思っていたよりも苦労なく、すんなりと都井岬と有料道路を過ぎることができた。そこから先は日南市へと向けてひたすら東海岸を北上!っと、気持ちよく行きたいところなのだが、これまた道は東へ西へ大きくS字を描きながらアップダウンを続けていく難路、それでさらに向かい風が続く、また黙々とただ必死で漕ぐのみだった。それは南郷町を過ぎるまで続き、そこから先はようやくアップダウンも少なくなりやっと快適道路へと変わっていった。ただ、このころから疲労の色が濃くなり始め、目指す日南市が待ち遠しくてたまらなかった。

 ただ、日南海岸の海はとても綺麗だった。海が澄み南国の木々は生え揃う。そんな海を常に眺めながら辛い気持ちを洗っていた。そんな南郷町を過ぎた後、あるスーパーで昼食タイムの為に立ち寄った。嬉しいことに半額パンがいくつかあり、迷わずそれで昼食とし、休憩していると、こんな小さなスーパーでまたチャリダーとの出会いがあった。そこ方はなんと女性単独チャリダーで輪行を併用しながら、この九州南部を周るそうだ。こうしていろんな方に会って、旅には男も女も、そして年齢も全く関係ないことを改めて感じた。また、そんな理由でためらっている方にも頑張って欲しいとも思った。

日南海岸
日南ロードにて
女性チャリダー(谷口さん)

 この南郷から先は一気に北上、難所はトンネルが掘られていたりと意外に快適で日南市街へと程なく入っていった。だがここからまだ10km弱、内陸へと入っていかなければならない。そして道はピストンとなる。そんな悪条件だったが、飫肥の町がどうしても気になり、頑張って立ち寄って見ることにしたのだ。ただ、疲労がピークに達し、一漕ぎ一漕ぎがもういっぱいいっぱいの状態で、さらにやっぱり向かい風・・・ もう、あと少しあと少しと、ほんと必死で辛い最後の飫肥までの道だった。

 15時、嬉しい今日の目的地、飫肥へと入った。苦労しただけにその喜び嬉しさは大きく、また温かい予想以上に情緒ある町並みにホッとした瞬間でもあった。さっそく自転車を止めて観光スタート。観光マップを貰って見てみると、もう見所も一杯の町で、とてもこれからの夕方の時間だけでは見れそうもないほどだった。 さすがに今日中に見ることをあきらめて明日の午前中もに引き続き観光をすることにした。

 今日は像章館、小村記念館、飫肥城跡、松尾の丸と観光。どこも素晴らしいところで、とくに印象に残ったのが、小村記念館。全国的にはマイナーな方かも知れないが、歴史の中としてはかなり重要な人物で、日英同盟、ポーツマス条約を結んだ明治の外交官で、その業績は凄く、そんな生き方をまじまじと資料館で見ることが出来た。また、この記念館は国際交流センターとして併用されていて、小さな町ではあるが、こうして国際交流の場を開いて行くことに関しても興味惹かれた。

 この城は天守閣はないものの松尾の丸と呼ばれる御殿は精巧に復元されていた。またその規模も素晴らしく、豪華さ、美しさに心惹かれ、書院造りの素晴らしさを感じた。やっぱり日本ならではの温かさがそこにはあった。

飫肥城
小林記念館
松尾の丸
天守跡
武家屋敷
今夜の寝床
飫肥の河川公園

 こうして各所を観光して今日の閉館を迎えた。帰路はのんびり町並みを見ながら1kmほど川沿いに下流にいった河川公園で今日は野宿することにした。静かなのんびりした公園で、なかなか良いところ♪散歩の方々も気軽に声を掛けてくれる、そんな温かい土地であったが、冷たい風が吹き、日が暮れると共に寒さがどんどん増していき、寒いこと寒いこと!h早めに18時にはテントを張って、暖かいラーメンを作って温まった。そしておなかも一杯になり、また今日の疲労から睡魔に襲われ、日記を前に21時には就寝してしまった・・・




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