車輪人の自転車日本一周・登山の旅 車輪人の自転車日本一周・登山の旅

2003年 1月22日 (水) - 199日目

天気 : 曇一時晴

体調 : 風邪気味

宿泊地 : 新高塚小屋

本日の移動 : 淀川小屋~宮之浦岳登頂~新高塚小屋

走行距離 : 0.0km

累計距離 : 8,231km
本日の出費

食費 : 0円

観光費 : 0円

宿泊費 : 0円

雑費 : 0円

費用詳細 :

現在地 : 鹿児島県屋久島  ( 全走行図 )

積雪1m?!宮之浦岳

 起床は6時半。昨夜は就寝が早かったこともあって、3時ごろからもう何度も目が覚めてしまい寝るのがもう苦痛にも感じていたが、朝になって起床の時間になると、待ち望んでいた時間にも関わらず起きることが出来ない。あまりの寒さのために寝袋から出ることが出来ないのだ。

 3人ダラダラしながらも、仕方なくそれぞれ気合を入れて起床。そして外に出てビックリ!あるおじさんが軒下で休憩していたのだ。話を聞くと、夜中に山頂方面から歩いてきたそうで、その積雪は半端ではなく、通常の2~3倍の時間が掛かるほど難路だったそうだ。時には腰まで潜るほどの積雪・・・ その話を聞いて、ちょっと不安になった反面、逆に嬉しくもなった。大変だが、そんな雪山が好きでもあった。でも、明るいうちに到着できるか時間的不安もあったことも確かだ。

 今朝の食事はインスタント五目御飯と餅入りスープを作り食べて力を付ける。そして出発準備に入るがパッキングなどに苦戦してしまい出発はやや予定よりも遅れて、8時40分発となってしまった。

 雪道を歩き始めて標高を稼ぐうちに、次第に足をとられるほどの積雪へと変わっていった。何度も膝まで足を没せながら黙々と歩いて、そして花之江河へ到着。ここでやっぱり休憩♪一面の銀世界を前に写真撮影。霧深い天気で黒味岳を望むことは出来なかったが、雪の上で楽しい時間を過ごした。

雪深い中、必死で登る
花之江河到着~
(中・あやっぺ、左・えせかつ)
一面の雪の花之江河
花之江河の上にて
花之江河♪
凍る木々

 楽しい休憩もほどほどにして宮之浦岳へ向けて出発した。このあと当初の予定では黒味岳を登頂してから向かうことになっていたのだが、あまりの積雪のためにショートカットすることに、そしてただひたすら雪深い道を宮之浦岳めざし進んだ。ちなみに、この積雪のために登山道はかなり分かりづらくなっていたのだが、でもそんな中、助かったのが今朝会ったおじさんのトレース(足跡)だった。そのただ一つの薄れゆくトレースを頼りに山頂を目指して、埋まる足に耐えながら必死で前に進んでいった。

 宮之浦岳が近づいて来た栗生岳手前あたりだろうか、急に今朝からの霧は晴れだして、青空が顔を出した。この時の嬉しさを言葉に表すほどができないほどだ!驚くほどの空の青さと、そして輝く雪たち・・・ あまりの美しさに思わず声を上げてしまった。そこからの登山はもうウキウキ気分♪嬉しさのあまり叫んだり、吼えたりと、もうみんな屋久猿状態でワイワイ楽しく宮之浦岳を目指した。

晴れ間が!
凍る山々
宮之浦岳はまだか~
栗生岳?
晴れ間ものぞきごきげん♪
青空♪
奇石
奇石
雲海を望む

 だが、山頂直下になると先ほどの晴天は嘘の様に、どんどん厚い雲が立ち込めいつの間にか霧の中へと吸い込まれてしまった。そしてそれと同時に強風が吹き荒れ、先ほどとは一変、過酷な冬山の地へと変わっていた。視界も開けない極寒の中、唯一残された朝のおじさんのトレースを頼りに山頂を目指しすすんだ。このトレース(足跡)がなければきっと何度も道を迷い探していただろう。ほんと救いのトレースであった。

 でも、さすがにこの天気、出来れば先ほどみたいな快晴な元での登頂がしたい。そう思い途中、風の防げる岩陰で天気の様子を見るために休憩しながら、そこで初めてアイゼンを装着した。下山を考えての装着で、この天気での山頂では装着はきついと思いここで時間もあることからつけたのだ。

 そんな休憩を挟んではみたが、しかし天気の方は一向に回復する兆しはなく荒れるばかり。しかたなく再出発となった。また強い風と霧の中を山頂目指してひたすら突き進み、なんとか無事山頂へ。このときの嬉しかったこと!たとえ1度登った山とはいえこの状況下、ひとつ判断を間違えば遭難という危険が大きいこの冬山での悪天候。そんな不安をやはりどうしても抱いてしまう。でも、その分だけ喜びも大きくなり、苦労があるから喜びもあることを実感した登頂でもあった。

山頂直下では
霧&強風に・・・
霧の山頂
宮之浦岳山頂!

 でも、そんな喜びの山頂であったが、あまりの寒さに写真撮影後は早々に下山へと向かった。凍った巨岩を見ながら今日の目的地、新高塚小屋を目指してひたすら歩いた。幸い山蔭まで降りると風はだいぶ収まり霧のほうもある程度は晴れてくれた。でも、決して楽な道ではなかった。積雪のあまりの多さから何度も足をとられ、そして時には腰まではまり苦労の連続。もちろん場所によっては滑落の危険もあるところも・・・ 慎重に一歩一歩進んでいった。そんな道で一番苦しめられたのは、木々の生い茂る登山道だ。積雪が多いために登山道は嵩上げされて、枝の中を縫って行かなければならない状態に・・・ 木々の下を時には這って進んだりと、体力をどんどん消耗させていった。

 降りるにつれて気温が上昇したせいか、木々に積もった雪がどんどん融けだしてそれが雨のようにポタポタと降り注いだ。またそんな濡れた木々を掻き分けて進んでいくので、もういつの間にかビッショリだった。そんな中をひたすら歩き、15時40分、無事に山小屋へと到着し、ホッと息をついて今日の疲れを癒した。

凍る巨石
奇怪な凍り方
霧の中を下る

 山小屋では鹿さんがお出迎え。ほとんど人を怖がらず、かなり人馴れしてしまっているようだった。そんな鹿さんと遊びながら、先ほどの山頂の出来事が嘘の様な、静かな時間を過ごした。今夜の夕食はインスタントカレー&スープ♪お腹も膨れて、そして温まり寝袋へと入った。それからは今日もやっぱり雑談会、こうして楽しい夜の時間も過ぎていき、昨日同様21時頃就寝した。今日も貸切の山小屋で・・・

無事に新高塚小屋へ
餌を求めて鹿くん




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