6時起床。今日から2泊3日の予定で”えせかつ”、”あやっぺ”と3人で宮之浦岳登頂に向かう今朝の天気はあいにくの重い空模様。今にも降ってきそうだが、屋久島では仕方のない天気で快晴を待っていたらいつまでたっても出発できないだろう。こんな天気でも妥協して出発準備を始めた。
山での宿泊は無料の避難小屋があるので、テントの持っていく必要はないので嬉しい。寝袋、マット、食料、調理器具、防寒着をそれぞれ分担してザックに詰め込む。ちなみに今回の登山ルートは3人ちょっと違う。これは私が今回の旅に対して目標があるために変わってしまったのだ。そう、全ての山の人力登頂という目標を立てているので、登山口まではどうしても人力で行きたい。2人には迷惑もかけるし、そして自分自身も寂しいがコレだけは妥協するわけにも行かずに、2人よりも早く一人8時半過ぎに自転車でRH(ライダーハウス)を出発した。
まずは10kmちょっとのもう何度も走った島の外周道路を走る。この道路アップダウンがきつくほんと嫌になってくる道だ。そこを走り終えるといよいよ登山口へと登る荒川林道へと入る。その道が急なこと・・・ 風邪気味の体調のために、途中何度も咳き込みながらも、必死で漕ぎ進む。東に種子島を見下ろしながら走ること1時間半、ようやく目的地の”荒川分かれ”にもうすこし!っというところで後ろから軽トラックが・・・ そしてその荷台にはあの2人、そう”えせかつ”、”あやっぺ”だ!手を振りながら笑顔で去って行った。どうやら無事にヒッチハイクに成功してヤクスギランドまで乗せて行ってもらえたようだ。ほんと悔しく、こんなことしている自分がバカらしくも感じたが、これだけは仕方がないと自分に言い聞かせて、ひたすら必死で登っっていった。
このあとほどなく自転車で行く”荒川分かれ”に到着した。ここに自転車を置いてここから淀川登山口まで車道を歩くことになる。ほんとはこの先まで自転車で行きたいのだが、帰路のことを考えるとこの分岐までが精一杯だ。ちなみに下山は荒川登山口へ降りる予定。またそこから車道を歩いてこの分岐まで来る予定だ。ちなみに”えせかつ”達は白谷雲水峡へ抜けるとの事。そのため、下山も途中からお別れ・・・ 最後また寂しい登山になってしまうが、何度も書くが自分自身が決めたこと仕方がない。
自転車をバス停に置いて休憩をほとんどとらずにそのまま出発した。ちなみに”えせかつ”達は2kmほど先のヤクスギランドまで車に乗せてもらい、そこからは同じように歩いて登っているそうだ。それに少しでも追いつこうと車道を必死で登っていった。およそ10kmの登りの車道。決してあまくない。自転車でおよそ900mちょっと登り、そしてこんどは車道で500m近い標高差を登っていく。最初は雪もなにもない車道がだったのだが、徐々に白く変わっていき、そしていつの間にか真っ白な世界へと変わっていた。そんな車道を足元に気をつけながら黙々と登っていると、ある嬉しいメッセージを発見!それは車道の雪面に書かれた「しんちゃんガンバ」っという言葉。そんな嬉しい便りに励まされながら黙々と長い長い車道をひたすら歩いていた。
そんな車道にも一つ大きな見所がある。それは屋久島を代表する杉の一つ「紀元杉」だ!そんな名所に着いたときに、ここで出発しようとする”えせかつ”と再会!一緒に行きたいという気持ちもあったが、やっぱりゆっくりこの杉を眺めたい。また”えせかつ”達と距離は離れたが、軽食をとりながら歴史を感じていた。
そこから残り2kmほど気合を入れなおし、歩くこと30分ちょっと・・・ ようやく淀川登山口に到着した。そして2人にここでちゃんと再会!♪この先の雪道を警戒してそれぞれスパッツ(雪が靴に進入するのを防ぐもの)を装着。そして3人で記念撮影して本格的な登山がいよいよ始まった。
ただ今日の登山路は40分ほどの短い道のり。しっかり雪を踏みしめて予想以上の積雪のある中を歩き、そして14時過ぎには無事に今日の目的地「淀川小屋」に到着した。こんな雪上ではあるが日も出てポカポカして暖かい。そんな中、山小屋で贅沢にのんびりした時間を過ごした。何をするわけでもなく、ただ散歩したりダラダラしたりして時間が過ぎるのを待った。
そんなポカポカ陽気でも16時を過ぎると日が傾きだして急に寒くなってくる。あまりの寒さに夕食の時間を早めて、そしてメニューも改めて熱いラーメンを食べることに!山小屋でみんなで食べる食事。これがほんと美味しい事!こうして身体を温めて冷える前に寝袋にくるまった。だれか来るかなっと思っていた山小屋であったが、しかし貸しきり状態。嬉しいやら、寂しいやら複雑な気持ちでの就寝だった。真っ暗な中、会話を楽しみながら、そして出没するネズミと戦いながら夜を過ごし21時頃に眠りについた・・・