昨夜は先日同様のところにテントを張って日記を打ち込んでいると、いつもどおり眠くなってくる。たまらなくなって、仮眠のつもりで就寝。だが、いつもどおり起きれずに、朝五時に起きて続きの日記を書いた。どうもいつも仮眠のつもりが朝まで寝てしまう。 6時にようやく更新が終わり、テント撤収、そして朝食を食べて7時半、出発準備完了。今日は白骨温泉に行って有名な”泡の湯”に入浴後、上高地のキャンプ場までいくつもりだ。その泡の湯の入浴時間は10時半からとすこし遅い。泡の湯まで8kmほどなので1時間ほどでいけるため、もっと出発を遅らかしてもよかったのだが、早朝の涼しい時間に白骨温泉までの峠を越したかったので、すぐに出発した。 乗鞍高原での自炊で荷物が軽くなったとはいえ、体感はまったく変わらぬ重さだ。坂が辛いこと辛いこと・・・ 昨日の軽快な登りはなんだったのだろうか。今日もいつもどおりの、ちょっと登っては休み、ちょっと登っては休みを繰り返して登っていった。 それでも登りの距離自体は短いので、すぐに峠であるトンネルに到着。それを抜けると、白骨温泉までのきつい下りだ。荷物が重いだけに止まらないこと。スピードの出すぎに気をつけながら慎重に下っていく。 そして無事に泡の湯へ到着したのだが、まだ8時を過ぎたばかりだ。のんびり待とうと思ったのだがのんびりする場がない。そんな場所で2時間以上も待つのはちょっとつらい。そして出発当初は入浴する気満々だったが、今はどっちでも良いかなという気になってきてしまった。料金も800円とちょっと高い。それに温泉は昨夕は行ったばかりだ。さらに入浴してもこれから上高地までの登りがあるために汗をまたかくことになる。そんな理由で通過することにした。 それでも、ちょっと後ろ髪を引かれる思いを感じながらの通過だった。なにせこの泡の湯はこの旅の出発前から楽しみにしていたところだったのだ。 気を取り直して、沢渡までまた急な下りを下っていく。そして沢渡からは上高地までひたすら登りとなる。登ったり下ったり、そして登ったりと今日は忙しい日だ。歩道のない登り坂のトンネルをいくつも越えてとうとう上高地への分岐へ。ここからは一般車両通行禁止なのだが嬉しいことに自転車は入れるのだ♪ここでアルバイトの交通整理の方といろいろお話した。彼も自転車好きでこの秋に旅行を考えているとのことで、そんな話に盛り上がった。 そしていよいよ上高地へと入る。最初から辛い登りだ。必死で登っていくと問題の釜トンネルへ。ここの通過にはかなり苦労した。なにせ狭いのだ。そんな道に大型バスがすぐ横を通過していく。そしてトンネル内は薄暗く路面も荒れていて傾斜は急ときている。まさしく恐怖のトンネルだった。車が来るたびに自転車を止めて壁にへばり付くようにして通過を待つ。その繰り返しだった。そして登りは登れないほどの急登だ。荷物が重すぎる・・・ 何度も何度も休憩しながら少しずつ少しずつ登っていった。もう泣きたくなってくるトンネルだった。 そしてようやく前方に光が・・・ 出口だ。抜けたときの嬉しかったこと。でも、そのあとも変わらず登りが続き相変わらず足取りは重かった。上高地はまだか・・・ とつぶやきながらゆっくり登っていく。そして急に目の前に視界が広がった。大正池だ。そしてその前方には穂高岳の山々が。思わずその景色に感動。そのあとはほぼ平坦な道が続きそして上高地バスターミナルへ到着。ここまでの道のりの長かったこと・・・ 気持ち的に楽に考えていただけに予想以上につらかった。
ちょうどお昼時だったので、久しぶりに食堂で食事を取ることにした。明日から山に入るため、その前に少しでも栄養を取ろうと奮発して1200円のハンバーグ定食を購入。野菜もたっぷりで久しぶりの栄養だ! 食事をとった後は遊歩道をのんびり、自転車を押してキャンプ場へと向かった。キャンプ地まで自転車を持っていけてほんと助かった。当初は駄目だと思っていただけに嬉しい誤算だ。キャンプ場は予想以上に広く設備も充実していた。いくつもトイレや炊事場が設けられていて、そしてさらにお風呂まである。至れり尽くせりだ。さっそくよい設営場所を探していると、さきほど釜トンネルでがんばっていた方ですよね?とお声が・・・ はい。そんな会話から始まりすぐに会話が盛り上がっていった。さらに果物や珈琲までご馳走に。そんな楽しい夫婦の横にテントを張ることにした。
設営後は上高地を散策。ビジターセンターでは北アルプスの写真がたくさん展示されていてその芸術性に見せられた。 夕食時にも珈琲や果物などをご馳走になりながら、団欒を楽しんだ。トンネルは辛かったが、そんな楽しいこともあり、幸先のよい上高地登山のスタートとなった。 さて、明日は足慣らしを兼ねて焼岳に日帰り登山に向かおうと思う。そして足に問題なければいよいよ槍・穂高に向けて縦走しようと思う。