今朝は5時に起床。軒下のテントをたたんで昨日のベンチへ移って朝食をとる。実は昨夕の夕食後、ある単独ライダーの方に会い、いろいろ会話を楽しんだ。今朝も一緒に軽い朝食をとりながら過ごした。いつもと違いちょっと楽しい朝だ。ライダーの方は7時過ぎにまた旅へと出発した。
私の場合は出発したくても荷物を預けなかれば出発できない。それまで荷物の整理したりして観光案内所が開くのを待った。ほんとうは開館は9時なのだが、案内所の方が8時には出勤してくるために、8時過ぎにすぐに対応してくれた。さらに荷物5点で500円なのだが、200円でいいよとまけてもくれた。ほんとうにありがとうございました。助かりました♪
さて、荷物を預けていよいよ出発だ。8時22分スタート!!なんでも一週間ほどまえにここで大会が行われたらしい。自転車でここから山頂まで競うレースだ。4000以上の方々が集まり、早い人で1時間で登りきったというからすごい。遅い人でも3時間半ほどたったそうだ。さすがにこんな坂を進んで上るだけあってレベルが高い。私の場合は好きで登るのではない。とくに自転車が好きではないのだ。自転車はのんびりとした旅の移動手段としか考えていないところがある。だが、登山が好きなので仕方なく登山口まで上っているといった具合が強い。だから同じように登っているチャリダーを見ると、よくこんなきつい坂を進んで上るな~ っと思ってしまうほどだ。自分も一緒に登っているのに・・・ だから今までは時間などにこだわらず自分のペースで休憩しながらのんびり登っていた。だが、今回はその大会のコースタイムを知っていただけに、また荷物も軽くなって、あまりに気持ちがよく軽快に走れるので、ちょっと自分の実力を知るために始めてがんばって見ることにした。
繰り返すが、そんな気持ちで8時22分スタートした。たった一人のつらい大会だ。さすがに荷物がないと軽く面白いほどグングン登っていく。あっという間に国民休暇村を過ぎる。実はちょっと不安なことがある。さきほど書いた大会の出発点がどこかちょっとあいまいなのだ。多分、自然保護センター前だと思うが、もしかしたらこの休暇村からかもしれない。100mほど 標高差が変わるので大きな違いだ。私の場合は自然保護センターよりスタートした。
中盤になるとさすがに疲れが出てきて足取りが重くなる。さらに傾斜もました。一番つらかったのが、お尻が痛いことだった。いつもと違い気合を入れて登っているからだろうか、お尻がとても痛い!何度もお尻の位置をずらしたり、上げたりして必死で痛みを堪えながら登っていたった。
1時間ほど漕いだあたりから、辛さがピークに達した。大会の優勝者はすでに登頂しているころだろうが、私は上を見上げると山頂はまだ見上げるほど先だった。やはり私には大会とのレベルが違いすぎる。タイムを計るほどの実力もない。もうあきらめよう。休もう・・・ そんな気持ちに何度も襲われた。実際、何度も休もうとした。だが、ここで休んだら後悔する。必ず後悔する・・・ そう必死で言い聞かせて登っていった。
登っていて嬉しく励みになったのが、たくさんのドライバーやライダーの方から声援を頂いたことだ。ただ中盤を過ぎると疲労のあまりその声援も届かなくなり、さすがに休もうと思う気持ちが強くなった。さすがにもう限界だった・・・ だが、そんなとき初めてチャリダーの方にあった。同じように登っている最中で、休憩していた。その方に「こんにちは!がんばってください! 」と挨拶して先へと横ぎっていった。初めて峠でチャリダーを抜かした瞬間だった。いつも重い荷物のせいもあってか休んでばかりで、抜かされっぱなしだった。そして悔しい思いをしていた。そんな自分が始めて追い越すことができたのだ。その嬉しさのあまり力が甦る。がんばろう!最後まで!初めて自転車で登る事が楽しく感じた瞬間だったかもしれない。
すこし足取りも取り戻して後半へと差し掛かった。それでも辛いことには変わらない。負けるものか負けるものかと、何度もあきらめそうになる自分に言い聞かせて登っていった。標高も上がりさらに息苦しくもなる。もう山頂が見えていた。私の場合、ゴールを見ると安心してしまい力が抜けてしまう傾向があるようで、今回もそうだった。あそこまでだ。あとはもうゆっくり行こう・・・ と力が抜けてしまう。だが、タイムを見るとあと10分ほどで2時間。2時間は越したくない。せっかくここまでのぼってきたのだから・・・ と思い最後に力を振り絞り必死で登った。そして2時間丁度!!無事登頂を果たした。
あまりの苦しさつらさに倒れるように横になり休んだ。呼吸が整うまでにかなりの時間を要した。またちょっと歩くとお尻に痛みが走り普通に歩けない・・・ それほどお尻にも痛みが溜まっていた。10分ほど休憩してからだろうか、ようやく落ち着いた頃、こんどは自然に涙がこぼれてきた。初めて一度も休まず登りきった嬉しさから涙がこぼれたのだ・・・・
今回の登頂に、大会の時とは違いある程度の荷物も持って登った。この後の登山も考えて水1.5リットルをはじめ、一眼レフカメラ、防寒具、昼食、雨具、自転車工具セットなど、7、8kgはあっただろう。そんな荷物がなくて、さらにロードバイクでの、専用のパットの入った衣服に身を包んで登ったらもっとよいタイムがでただろう。いつかそんな好条件で挑戦してみたいなと思った。
さて、1時間ほど畳平で休憩して、11時15分いよいよ山頂に向けて出発。それだけ休憩してもやや疲れが残り足取りは重い。まずはコロナ観測所へと登った。そこから直接最高峰へ登れず一度降りないといけないのだが、その観測所を間近で見てみたかったため向かった。
以外にもコロナ観測所では中の望遠鏡まで見学できた。外は色あせた建物だったが、中の望遠鏡はすばらしく綺麗で立派なものだった。見学後、また少し下って、今度は最高峰を目指す。肩の小屋を越えてから登りは急にきつくなるのだが、ハイキングコースだけに登山初心者が多くスイスイ追い抜いて、富士山のようなザレ場の登山道を登っていった。
そして12時25分山頂へ♪久しぶりの山頂での素晴らしい快晴で、大展望が広がった。最高の山頂を30分ほど満喫して下山へと向かった。
下山はさらに初心者と技術差がでて、ザレ場の歩きにくい下りを皆が苦労している中、スイスイ下る。そんな下りが気持ちがよかった。13時半、あっという間に畳平まで下山。
さっそく預かってもらっていたた荷物を受け取り、自転車に取り付ける。ビックリするほど自転車は重くなった。よくこれでここまで漕いできたなと改めて自分自身にビックリしたほどだ。
ベンチでゆっくり荷物整理をして、昨夜も行った”せせらぎの湯”に浸かり疲れと汚れを落とす。そして夕食をとって、昨夜同様の場所へテントを張って就寝することにっした。
今日は短距離とはいえ、足を挫いて以来の久しぶりの登山であったが、痛みもなく登ることができてよかった。足の腫れもなくなった。ただ、足首を押さえると少しまだ痛いが、登山中にはまったく痛みが走ることはなかった。