※白布温泉(9:50)~西吾妻小屋(12:00)~西山嶺(12:20)~70分休憩・昼寝~吾妻神社(14:40)~新高湯温泉(15:50)~白布温泉(16:10)
目指すは標高2000m西吾妻山山頂だ!そのためにも必死に自転車を漕ぎ進めていくのだが、しかしそんな今日もまた時間に追われ、さらには溜まった日記に苦しむ日でもあった。まず、朝、昨夜寝るのが遅かっただけに、もう起きるのからして辛い。しかし今日、登山する為にはゆっくり寝ているわけにもいかずに6時から睡魔と悪戦苦闘しながらも這い出で、そして起きたと同時に登山へと出発準備に慌ただしく取り掛かる。そしてまた、情野さんから自転車消耗品をいろいろ頂いた為、それに平衡して朝から自転車メンテナンス。それが思った以上に時間が掛かってしまい、出発はやや遅れ、連日の慌て振りで食事を頂いた後、自転車にまたがり7時50分、勢いよく情野さん宅を出発した。
途中まで情野さんが送ってくれたこともあり迷うこともなく登山口への本格的な上りへと入っていった。しかし、坂のほうは空荷というお蔭もあり、思ったよりは快適に漕ぎ進んでいくことができ予想よりも早く9時半には登山口であり白布温泉へと上り詰めることが出来た。ただ、この温泉街の最後の上りだけは「なんだこの坂は!」と思わず口に出してしまうほどの激坂で、空荷だからこそ何とか漕ぎあがり、また、そんな道中で、那須野さん夫婦に声を掛けられ応援してくれたことも力となりなんとか上りきることができ、この後の登山に備えてホッと一息ついた。ありがとうございました。
9時50分、スキー場経由でなく、もうひとつの登山口、若女平を経由して西吾妻へと登るルートを選んで登山へと踏み出していった。ただ、最初はペースが全くといっていいほど出ない。ふくらはぎの筋肉はいきなり悲鳴をあげ始めるは、また足場も悪く、登山道は沢流れる泥沼状態で、慌ててスパッツ(靴・裾のカバー)を履いたりと、さらには付いてないことに、カメラをポーチから取り出すときに登山地図を落としてしまい、それがヒラヒラと面白いほど舞い落ち、そしてアレよアレよで気付けば地図は崖の下。取りに行くのに迷うほどであったが、しかし、昨日買ったばかりであり、なんとか取れそうな場所であることもあって、悪戦苦闘しながら崖へと下りて行き、そして帰路は草木のトゲに何度も身体を擦り傷つけながら攀じ登る。なんでこんなところを登っているんだと我ながら可笑しくなってくるほどの吾妻山登山のスタートであった。
そんな山もこの後はハイペース。理由は簡単、そんな悪戦苦闘の最中に、ある単独登山者に追い抜かれ、そしてすぐ前を軽快に歩き出して行った。私も何とか地図を拾い上げ、その人を追いかけるように新たに歩き始めたのだが、しかしこれがなかなか追いつかない。それも見えているのに追いつかないのである。距離はほぼ一定のままお互い物凄いスピードで登山道を駆け上っていく。前を行くその方も、私を気にしているようで振り返ってはさらにスピードを上げ走り去る。そして私も負けじと追いかける。そんな登山が30分以上、いや、1時間近く続いただろうか、しかし、それは山頂までは続かなかった。ほぼ5合目というほどのところだろうか、 目の前に広がりだした赤や黄色の紅葉に目を奪われ私が足を止めたことをきっかけにその登山に終止符が打たれ、しばらく黄色いトンネルに見惚れ、また写真撮影にも力が自然と入って行き、とても足が進まない状態に・・・ なんだか置いていかれるのが悔しくもあったが、しかし、この見事な紅葉を見捨てて置く訳にも行かず、また自分の登山の目的も早く登ると言うことではないので、しばらく続くその紅葉のトンネルを何度も足を止め楽しみながら進んでいった。ちなみにこの頃になると、登山道は最初の急登を終えて尾根へと入り、なだらかで快適な道がしばらく続き、なおさら気持ちよく歩いていくことが出来た。
標高も1500mを越えた辺りからだろうか、また景色は一変して、モミジやブナの広葉樹からマツなどの針葉樹へとガラリとかわりあれほどの紅葉色も驚きほどぱったりとなくなってしまう。そうなると足取りはまたハイペースへと自然と戻るのだが、しかし、さすがにこれだけのんびりしてしまってはもう先ほどの方に追いつかないだろうと思って歩き始めたのだが、しかし、自分でも驚くほどの軽快ペースで、もしかしてこれなら・・・ とも思い、再度追いつけるか挑戦してみることにし、さらにペースを上げていった。向こうも安心してペースを落としている頃だ、またバテテいるかもしれない。それを期待し一気に山頂目指して歩を進めていった。
しかし、そう簡単に追いつくものではない。僅かな時間の差であっても、あの僅差のペースの差では縮まらず、歩けど歩けど誰も見えてこない。走るようにして大汗を流しながら必死で駆け上り、近づく熊避けのスズの音を聞いては期待を膨らますが、しかし、あの方ではなく、他の登山者ばかりである。「くそっ!」と悔しがりながら、追い越して「まだか!」と何度も追い抜いてはため息をこぼし、もう山頂も間近で諦めかけ始めたその時、見えたではないか前方に!もうこの時はほんとうに嬉しく、翔ける様にして追い抜き「こんにちは!」と元気にあいさつを交わすが、しかし、意外に単調な普通の返事に戸惑い、またその後の言葉が見つからずに結局は軽くそこであいさつを交わすのみの交流となってしまったが、しかし、それでも自分にとっては目標が達成できた事が満足であり嬉しく、この後はもう山頂に向けて、またのんびりと楽しみながら歩き始めた。
山頂直下の西吾妻小屋での分岐。普通に最高峰である西吾妻山を登頂して下山しようと思ったのだが、しかし、そこから僅かに覗いた南側の見事なまでの展望に惹かれて思わず針路変更。西吾妻山山頂では展望は全くないらしく、そんなところは後回しにして、ここから見上げるだけでも展望が良さそうなのが分かる西大嶺を目指して歩き始めることにした。隣の山だけに一度、稜線を下らなければならないが、しかしそれ以上の価値はあるだろうと、稜線へ出たとたんに込み合いだした登山道を進んでいった。ちなみにこれらの人、ほとんどがロープウェイ、リフトを併用しての登山者だろう。苦労して登ってきた割には、こうして動力を併用すれば意外にハイキングの延長上で楽しめる山でもあり、老若男女、さらには団体ツアーなど、たくさんの人を掻い潜って12時20分、予想通りの360度の展望広がる西大嶺に登頂した。
目の前には磐梯山、そして安達太良山をも見下ろしていた。そしてさらに下方には磐梯山を取り囲む多くの湖、そして、その先には巨大な猪苗代湖を望み。一変して北側に目を移せば、懐かしの飯豊連峰、朝日連峰と連なり、そのすぐに他には先ほどまで居た米沢の田園地帯が広がり、まさに言葉を失い息を呑む展望。そして最後はこのあまりの展望のよさを誰かに伝えたく、また共感したく、ついつい「最高の展望ですね!」とすぐ脇にいるおじさんなどに話しかけては共に喜び合う。こうして共感しながら楽しむことが楽しくてたまらない。だからこそ、誰もいないたったひとりの登山ほど寂しいものはなく、このような人込みの山頂であっても、嬉しさは大きく、360度を見下ろしながら昼食をとり身体を休めていた。
30分ほどの休憩するとさすが10月の山頂だけに寒気が襲い自然と足は下山方向へと踏み出していた。しかし、稜線を駆け下りていけば、ピタッと先ほどまでの冷たい風は治まりポカポカ温かくなり始め、そんな陽気に誘われて、先ほど休憩したばかりとはいえ、また休憩。今度は藪の上に寝転んでちょっとお昼寝タイム♪またも30分ほど休憩して、ようやく本当の吾妻山最高峰である西吾妻へと向けて登り始めたのだった。ただ、もうこれだけ休んでしまうとペースはガタガタ・・・ ちょっとの登りに対し、息は情けないほど上げてしまうほどで、ゼイゼイ言いながら再度、小屋まで登りつめ、そして最後は針葉樹広がる樹林帯の中を掻き分けていき、無事登頂♪しかし登山地図で書いたあるとおり、全く展望はなく、またそんなせいもあり、あれほど賑わってい登山道に対し、ここでは誰もいない不思議なほど静かな山頂であり、私もそんな他の人と変わることなく、記念写真後、早々にその山頂を後にすることにした。
西大嶺の予定外のコース変更、そらには休憩にやや時間をとり過ぎてしまったことも重なり、この後はやや焦り気味の下山となってしまった。日暮れまでに下山はどんなに遅くてもできるのだが、しかし下山後、温泉に入ったりとのんびり楽しみたく、さらには夜間の自転車走行も同時に避けたいためにちょっと急ぎ足。とは言ってもいつもの軽快下山スピードである。ちなみに下山はスキー場のある天元台高原を経由して白布温泉へと下りて行った。ただ、意外に大変だったのがリフト山頂口までの稜線歩きで、予想以上にアップダウンが続き、焦る心をさらに焦らし、さらにはその登りに息を予想以上に切らせるのだが、もう休んでいる余裕はなく、ここから先は一気に下山へと歩んでいった。
こうして登山を終えたのだが、この後、まだまだ楽しみが待っていた。この温泉の入浴はもちろんのことだが、実が地元の友達(元会社の後輩)がこの3連休を利用し訪ねて来てくれることなっていたからだ。前回の福井での再会からこれで2度目の再会であり、積もる話もお互いに山ほどあるだけに、再会が楽しみでならない。この新高湯温泉のすぐ下の自転車を置いてきた白布温泉街でこのあと待ち合わせしていたのだが、しかしはっきりした場所は言っておらず、どこで待っていてくれているのだろうと、探しながら。、そしてワクワクしながら車道を下りて行き、そして自分の自転車まで下りて行くと、その前に後輩である宏也はすでに待っていてくれていた。しかし再会を喜び合うというよりも「ごめん、おまたせ~」と言えば、「おせーよ!」と返ってくるような仲、そんな仲を懐かしみながら、さっそく近くの温泉に入浴。しかしここでもまだのんびりしている時間はなかった。今度は日暮れが待ち構えている。休憩、団欒もほどほどにして自転車に飛び乗って、坂を駆け下り、情野さん宅へと戻り、そして自転車を預かっても貰って、宏也と米沢の市街へと慌ただしく飲みに出かけたのだった。
車は町の河川敷公園に止め、近くの焼肉屋へと入った。もちろん米沢牛だ!しかし2人共にそれほど食には拘らず、また、味にもうるさくない為に、ほんとに美味しく食べれるのだろうかと不安があった。チェーン店の牛丼の方が食べやすくて旨いのでは?!そう話しながら入ったお店は”べこや”、そして半信半疑で食べ始めた米沢牛であったが、さすが本場だけにやはり旨い♪最初こそ、どこで食べても一緒だろ!と2人して話していたが、しかし、噛めば噛むほど旨味が滲み出で、地元の焼肉チェーン店では味わえない旨さ、とくに生物は最高で、牛刺などはその食感、牛の甘みに驚き、二人して舌を唸らせて大満足の夕食となった。もちろん、そんな美味しいものに囲まれているだけに、会話はなお弾み、時間を忘れ語り合い、店をあとにした後も、コンビニでさらに夜食を仕入れて、車の中が語り合い、こうして久しぶりの地元の温かさに触れながら時間は流れ就寝は0時過ぎとなった。
★今日のお食事♪
・朝食 : ごはん・さけ、漬物などなど
・昼食 : パン×2
・夕食 :
ごはん・米沢牛などなど