コースタイム:山形市街(7:50)~上山市(8:50)~(県道12号)~坊平高原(10:15)~30分休憩~刈田峠(11:50)~登山出発(12:30)~熊野岳登頂(13:10)~下山へ(13:30)~刈田峠(14:00)~上山市(14:40)
自転車で登ってしまおうか、それとも普通に登山をしようか、今朝になってもはっきり決まらずにいた。それは蔵王登山のことである。標高1842m、その直下である1750m近くまで車道が走り自転車でもそこまで行けるのだ。しかし、その山腹の蔵王温泉より登山するのも悪くない、そう思うからこそ今朝になっても決まらずに、どちらにしようかと迷っていた。そんな蔵王さんへの出発は8時前、今朝は昨日遅かっただけにさすがに朝寝坊の6時半起きで、それからでは朝恒例の溜まった日記書きはとても出来ずに、そのままにしての気の重い今日の自転車の漕ぎ初めではあったが、しかし、身を包む防寒着は真新しい緑の頂いたカッパで、これは昨日も書いたがもう嬉しくて溜まらず、何度も自分の姿をマジマジと見つめては笑みを溢しながら、朝の寒気強い中、通学する学生たちに紛れ、市街地を抜けて行った。
天気も予想通りの快晴♪写真でもう何度も見てきたあのエメラルドグリーンのお釜の姿を目に浮かべながら、まずはその蔵王へと上る道、エコーラインへと向う為に上山市を目指した。結局はそこから、県道12号(エコーライン)を使って山頂直下まで自転車を漕ぎあがることにした。荷物を尾形さん宅に置いていけるというのが大きな理由で、また最近自転車を漕ぎ進めてないだけに、久しぶりの大きな峠に気合も入ったことも理由のひとつだろう。こうして直下まで目指し、いよいよエコーラインを8時50分、上り登りはじめたのだった。標高差何メートルあるだろうか・・・ 標高1700m以上まで上らなければならないだけに、さすがに坂は延々と立ちはだかるが、しかし、思ったよりは傾斜は全体的に緩やかで軽快に上って行くことができた。坂よりも空荷だからそう思えたのかもしれない。こうして一漕ぎ一漕ぎ確実に漕ぎあがり、そして標高と共に広がり始めたのが、紅葉色、そして振り返れば山形の盆地の先には雲海が広がりだし、そしてそんな雲上に飯豊連山の山々が浮かび上がっていた。何度もそんな景色に見惚れながら、漕ぎ進み、また見惚れることによって疲れを少しでも忘れようとし、必死で漕ぎあがっていった。ちなみにそんな道中の休憩は1回。ちょうど坂の中間地点にあたるだろうか、坊平高原でのんびりポカポカ陽気の日差しを浴びながら休んだ以外は、後は黙々と漕ぎあがり、自分でも驚きの順調さで昼前には峠である刈田峠へと上り詰めることが出来た。そしてさらには勢いに乗り、最後の有料道路までも走り抜けてさらに山頂まで足を伸ばそうと自転車を漕ぎ進めたのだが、しかしその有料道路は残念ながら自転車通行禁止であり、まだ戻る羽目に・・・ これにはかなりショックを受けながらも、迎えてくれた青空がそんな気持ちも洗ってくれ、気持ちよくまた刈田峠へと戻り、登山へと向けての出発準備に入った。
手作り弁当で力を養い、そしていよいよ登山へと足を踏み出す。ただ登山といっても標高差は僅か150mほどだろうか、気分はハイキングであるが、しかし気象条件はなかなか過酷で、この峠付近に来て肌を刺す風が吹き荒れ始め、さらに稜線まで上がれば日差しはなくなりガスの中・・・ もうその模様は冬山である。それほどの寒さだから、お釜を見に来た一般客はもうみんなして悲鳴を上げていた。私も寒いには寒いが、しかし。それでも装備をそれなりには持ってきていたので、唯一露出する顔が痛いくらいで、あとは意外と平気に足を進めて行き、そしてお釜展望台へ、しかし、こんなガスの中ではその期待した姿をさすがに見ること出来ず、いくら見下ろしても見えるのは真っ白な霧の世界。さすがに悔しくはあったが、しかしこればかりは仕方がない。ただ、この後、最高峰である熊野岳方面へと向うと徐々にそんなガスも晴れ始める。どうやらこの稜線に走る県境がガスの境目となっているようで、山形側は快晴なのに対し宮城側はこの雲である。今日に限らずここ連日、こんな雲模様が続き、山形は快晴ながらも見上げる宮城側の山々にはいつも雲が張り詰めていた。しかし、そんな中でも、この最高峰である熊野岳はやや稜線から外れ山形側に突き出た感じになっているために、こうして晴れ間が広がったのだろう。ただ、吹き荒れる強風と共にガスも運ばれ、常に晴れているわけではなかったが、それでもガスに没しているよりはよく、そんな雲の流れと共に、広々とした広大な山頂をしばらく楽しんでいた。
下山はまた同じ道を戻る。ガスの中へとまた歩んでいくのだが、しかしそのガスが深いだけにしっかりとルートを確認していかないと迷うほどである。とくにリフト脇に登山道へと入るところが分かりにくく、晴れていればただのハイキングコースなのだが、しかし、こうして天気によっては一変する景色にまたマジマジとその山の怖さを感じながら慎重に足を進めて行き、そして無事に下山。しかし、距離、標高差がないだけにやはり登山という気はせず、さらにはハイキングといっても言いすぎなほどで、散歩、そんな感じの蔵王山登頂であった。しかし、ここまで自転車で漕ぎあがってきたこと、それが登山であったということは言うまでもない。
こうして蔵王の名物である御釜こそ見れなかったものの、それなりに展望を楽しみ、また結果としてはそのガスをも楽しみ、無事に登山を終えて、自転車にまたがり来た道を気持ちよく駆け下っていく。流れ過ぎる紅葉に見惚れ、時に自転車をも止めてしばらく見下ろしたりと、あまりの気持ちよさにただ駆け下りて行くのは勿体なく、楽しみながらのんびり坂を下っていった。今朝、登って来た道とはいえ、まるで違う道のようにも感じるほどで、あれほど登りにゆっくりなスピード自転車を漕ぎ進めていたのに、あまりの坂に対して夢中になりすぎ、また、景色を楽しむといった余裕がとうしても欠けてしまうのだが、下りでは余裕をもって景色、もちろんその紅葉を存分に楽しみながら下っていける。その余裕があるからこそ、景色もより綺麗に見えるのだろう。ただ、あまりに見惚れすぎて、どこかへ突っ込みそうにもなるほどで、これにはやや冷や汗ものであったが、しかし、鼻歌まじりで気持ちよく無事に坂を駆け下りて、そしてそのあと、そのままただ山形市街へと戻るわけでなくちょっと寄り道。そこは温泉豊かな上山市街であった。しかし、立寄ったところは温泉ではなく、その市街に高々と聳える上山城で、そのどこからでも望める巨大な城郭の雄姿に見惚れて吸い込まれるように自転車を市街へと走らせていた。
まさかこんなところに現存する城が?!とも思ってしまったが、しかし残念ながら近年復元された上山城。鉄筋ではあるが、しかし、先ほども書いたように見事にその雄姿を今に伝え、それに引き込まれるようにして城内の歴史資料館へと入館した。天守から眺める町並みは素晴らしく、広がる城下の先には、つい先ほどまで、そこにいた蔵王山頂を望むことが出来たが、しかし、やはり山の向こう、いわゆる宮城側は相変わらず雲で覆われているのがここからでも見ることが出来た。そんな好展望な上山城、しかし資料のほうはやや物足りない感じで、歴史資料に対する興奮よりも疲れが身体を襲い、見学後は、ベンチで腰を降ろし、10分ほど仮眠してしまうほどであった。しかし、あまりゆっくりもしてられない。日のあるうちに山形市街げと戻らなければならないことはむろん、早く帰ってやり残してきた日記を少しでも進めたい。どちらかと言えば後者の日記に追い詰められ、また黙々と自転車を走らせて、山形市街は尾形さん宅へと17時ごろ帰宅した。
こうして戻ってきた今日3泊目の尾形さん宅。そんなお世話になっている尾形さんに今夜はさらにお世話になることになった。今日、このHPを通して知り合ったのずさん(石井さん)が私を訪ねて遊びに来てくれることになり、その旨を尾形さんに話と、それなら共に泊っていけば!と快く進めてくれ、私と共に、旅行中ののずさんもお世話になることになったのだ。ちなみにそんなのずさんとは、飯豊山で知り合って以来、札幌、根室などなど、もう数え切れないほど会い共にしている方で、それだけに今日の再会も楽しみにしていた。そんなのずさん、私が尾形さん宅に帰ってきてそれほど時間を置くことなく、すぐにやってきた。もう何度も再会しているだけに、感極まるといった感じよりも、むしろ普通に友達と会うかのような今回の再会であり、またそれだけに、すぐに旅の話で盛り上がり、尾形さんと共に、3人、話途切れることなく0時過ぎまで盛り上がり就寝は0時半過ぎとなってしまうほど盛り上がった。ちなみにそんな楽しい夜の夕食は尾形さん宅特性の”マーボー豆腐”でそれがもう、辛くて辛くてそれが美味しいこと!ただ辛いだけでなく、味が深く飽きないうまさで、のずさんと共に舌を唸らせながら、何度もおかわりして味を堪能していた。ご馳走様でした。ちなみに日記の方はさらに溜まってしまっていた・・・
★今日のお食事♪
・朝食 : ごはん・味噌汁・漬物などなど
・昼食 : おにぎり・とんかつなど・パン
・夕食 :
ごはん・マーボー豆腐