車輪人の自転車日本一周・登山の旅 車輪人の自転車日本一周・登山の旅

2003年 9月18日 (木) - 438日目

天気 :

体調 : 良好

宿泊地 : 雪中行軍茶屋

本日の移動 : 青森市(市街散策~八甲田)

走行距離 : 29.3km

累計距離 : 19,883km
本日の出費

食費 : 0円

観光費 : 200円

宿泊費 : 0円

雑費 : 46408円

費用詳細 : 観光費:雪中行軍資料館、雑費:生活雑貨・登山靴・登山Tシャツ・登山靴下・自転車用具・郵送料

現在地 : 青森県青森市  ( 全走行図 )

雪でもなんでもこい

 再びやってきました東北は青森へ!まだ日の昇らぬ4時を周ったばかりの時間、フェリーは静かに懐かしの青森港へと入港した。以前、この青森へ入った時にはいろんな文化や歴史を見ようと胸躍らせていたが、今回はちょっと違う。みたいところは前回ほとんど見ておいた事もあり、また、今回は山間部へと抜けるルートをいきなりとる予定なこともあり、期待膨らますというよりも、その山間ルート、さらにはその先に待つ登山に負けないよう自分を奮い立たせての青森の地であった。

 自分自身に押しつぶされないよう、真剣な眼差しでの上陸であったのだが、先ほども書いたとおり、辺りはまだ真っ暗であり、また、フェリー内で3時間ほどしか寝ていないこともあり、そのままフェリーターミナルのベンチで仮眠・・・ 寝難いガタガタのベンチであり、また、フェリー発着時はやや騒がしくもなるが、睡魔はそれらに負けることなく襲い続け7時ごろまでベンチで寝入っていた。そしてそれからHPの更新作業に入るのだが、なかなか集中して書くことが出来ず、時間ばかりが流れていった。

 今日、この青森でやりたいことがひとつある。それは買い物だ。久しぶりの都市であり、またこれ以降、しばらく山間部を走るために、大きな都市の通過はなく、これから訪れる冬に備えてここで悔いのないように買い物をしておきたいと思っている。欲しい物は山ほどあるだけに時間もかかりそうだ。しかし、買い物ばかりで一日費やすわけにも行かず、明日の登山に備えて登山口までは行っておきたい。そこまで僅か30kmほどではあるが、しかし、それを明日にまわせば中途半端な距離となり、また、登山もさらに翌日となってしまう。そうしたくないためにも今日中に登山口に行っておきたく、9時半、日記を終わらせていないのは悔しく、また落ち着かなくもあるが、しかし、時間にそうは余裕がないために慌ただしく買い物へと出発した。

 まずは郵便局で軽量化。読み終わった本、冊子、そしてラストスパートに向けてもう使わないだろう水彩画セット、さらには不要な雑貨などなど袋に詰めて実家に送る。数キロあっただけに大きな減量だ。しかし、この先、冬将軍が襲う季節ともなれば、今度は防寒着で自転車の荷台は埋まることになるだろう。それまでの快適走行だ。さて、荷物も軽くなって、買い物スタート!ホームセンターで自転車消耗品、雑貨を購入、そして今度は登山用品だ!そんな時に、ある青森の方から連絡が入る。それは松森さん、以前この青森を北上していたときに恐山で声を掛けて頂き、そしてお世話になった方だ。その時は慌ただしくお話しただけであったが、今回、仕事で忙しい中にも関わらず会えないかと言うメールが入り、もちろん喜んでメールを送り返し、そして僅か数分後、自転車に乗ってやってきたのが松森さんで、まずは喫茶店へと入り、そして久しぶりの再会を喜び合った。

 こうして再会した松森さん。今日、この青森で買い物をしたいことを話と、なんと共に買い物巡りをしてくれることになり、100円ショップ、そして登山用品店へと案内してくれた。自分ひとりでは知らない土地だけに苦労するだろう店探しも松森さんのお蔭でスムーズに進み、買い物していくことが出来たのだが、しかし、苦労したのが登山靴探しで、冬(雪)にもある程度対応できる靴をどうしても欲しかっただけに難渋・・・ 普通の大型スポーツ店や登山用品店であろうと、量産店では置いてないほどの数少ない靴の種類なのだ。何件も松森さんに案内してもらいながら周り、さらには電話帳で問い合わせたりと、もう松森さんを引き回してばかりいたんだが、しかし、これにはほんとに助かりもした。ひとりではとてもこうして登山用品店巡りなど出来ず、ただ進まぬまま焦っていただろう。ちなみにそんな市内散策の昼食は、松森さんに誘われてお勧めのお店”大かつ”へと入った。そして注文はもちろん名前の通り名物”大かつ”であり、その美味しさ、量にもちろん文句なし、さらには話しやすいお店のご夫婦に引き寄せられ一緒に記念撮影♪楽しい今日の昼食ともなった。ありがとうございました。

松森さんに誘われて♪
お食事処”大かつ”にて
松森さんと
明日もお世話に?!
奮発して購入!
 さて、靴探しは続く。なかなか思い通りの靴は見つからず、また先ほど行った店へと戻ったりとしながら探しに探し、そして最後、値段はやや張ってしまったがそれでも自分にあった靴を見つけることができた。これなら靴ずりもすることなく履けそうであり、またある程度の雪でも大丈夫そうだ!そしてなにより嬉しいのが、靴内に水が入らないことで、今までの靴、老朽化が激しく革はひび割れ、また靴底はツルツルになってしまい、その貧弱さに泣きが入っていただけに、この新規靴が嬉しくて堪らない。もう雨も雪も何でもこい!っと言った感じだ。ただ、痛いのは財布の中である。ほぼ一ヶ月の生活費がこの靴の為に飛んでいってしまったことになり、この先、財布の紐をさらに絞らなければと思い、その分、気が重くもなるが、しかし、買わなきゃ進めない。他にも長袖Tシャツ、撥水スプレー、革用スプレー、登山用靴下なども購入し、この後の旅に備えた。

 こうして松森さんに助けられ、買い物を済まして青森市街を後にすることになった。ほんとうにありがとうございました!最後にお土産にとビールまで頂いての出発であったが、しかしこれでお別れではない。なんと明日、また会う約束をしたのだ。それもなんと温泉旅館の接待までしてもらえることになり、思わず「ほんとにいいんですか?!」と何度も確かめてしまった。こうして明日も松森さんの会社の慰安旅行に便乗するような形でお世話になることになり、明日の夜を楽しみにしながらの今日の出発であった。

目指せ・八甲田!
 さあ、登山口へ!と、こうして向ったのだが、しかし時間はすでに14時をまわり、さすがに登山口までは無理そうである。それでも明日登山へ向けて、せめて登山可能範囲までは自転車を漕ぎ進めたく、目指した先は雪中行軍茶屋であった。ただ、そこまでのわずか20キロ弱の道程がきついこときついこと、あれだけ昼食のカツで精を付けたはずなのに足取りは重く自転車は進まない。目の前にはひたすら9度、10度という急な坂が延々と続く。いったいどこまで上るのだろう、八甲田山を越えてしまうのではと思うほど坂は延々と続き苦しめられた。しかし、これが日本の坂だともヘトヘトになりながらも感じていた。北海道はほとんどなかったこのクネクネと曲がりくねった急な坂である。そして日本らしい原生林が辺りを埋め尽くしている。やっぱり私は北海道よりも本州が好きだとも改めて感じながらも、ひとり苦しんでいた。

 この苦しさをさらに倍増させていたものがあった。それは青森市の郊外にあるはずの八甲田山雪中行軍資料館がない!どこだ?!もしや行き過ぎてしまったのでは?と心配にもなり人に聞くと、なんと事故後100年という節目を記念し、新しく立て替えているところだという。言われてみたところを見てみれば、建物も何もないただの工事現場と化していたが、しかしそこにはしっかりと”雪中資料館工事中”という看板が掲げてあり、今日、この資料館を楽しみにしていただけにかなりのショックを受けた。これが今日のこの辛さを増しているのではないかとも思う。しかし、あのカツ、さらには明日の温泉旅館、そのことを思えば自然と力が・・・ そう思いたいところだが、しかし、目の前の壁は変わることなく迫りはばかれ続けた。

 これほど苦しみ続けた坂であったが、それでも一漕ぎ一漕ぎどんなにゆっくりでも進むことによって、時間こそかかったが16時過ぎ、なんとか雪中行軍茶屋に到着した。銅像と小さな茶屋があるだけと思っていたそこは意外に観光地化されていて、芝生広がる丘の上には巨大な後藤房之助の銅像が建ち、そして、茶屋の方もお土産店が併設されたレストランで、さらには奥に雪中行軍資料館までもが併設されていた。もう完全に資料館には諦めていただけに、これには飛びつき、17時の時間いっぱいまでここで見学させてもらった。

 もう寝床はここしかない。トイレと水があり、さらには店の軒下も利用できそうである。この山中、他ではもう野宿できるようなところはないだろう。遭難の舞台となった場所だけにやや気味悪くもあったが、仕方なくここで宿を求めることにし、売店の終了までは今日買った靴の整備、そして撥水スプレーをカッパにかけ復活させたりと今後の雨に備えて万全の準備をしていた。今後と言っても明日がいきなり怪しく、曇雨の予報。そして明後日も同様・・・ 気が重いがしかし、この撥水かけたカッパと新規購入の登山靴で今回だけはいつもと違い、雨に対し「負けるものか」という気持ちはある。ただ、あるとは言っても晴れるに越したことはなく、予報が外れることを期待しながらの今日の就寝であった。ちなみに今夜はテント設営後、それほど時間をおくこともなく、また食事すらとらずに19時頃には寝てしまっていた・・・

雪中行軍碑
雪中行軍遭難資料館
後藤房之助の銅像

 ★今日のお食事♪
 ・朝食 : パン×3・栄養ドリンク
 ・昼食 : ボリューム満点巨大カツ定食
 ・夕食 : なし




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