車輪人の自転車日本一周・登山の旅 車輪人の自転車日本一周・登山の旅

2003年 8月31日 (日) - 420日目

天気 : 曇のち晴

体調 : 良好

宿泊地 : 霧多布岬キャンプ場

本日の移動 : 根室市(納沙布岬)~浜中町

走行距離 : 132.8km

累計距離 : 18,636km
本日の出費

食費 : 1986円

観光費 : 0円

宿泊費 : 0円

雑費 : 500円

費用詳細 : 雑費:霧多布温泉入浴

現在地 : 北海道浜中町  ( 全走行図 )

本土最東端

 日本四端完結。波照間島・与那国島・宗谷・そして最後に今日この納沙布岬に到達した。だが、この最後の地だけは「日本最○端」という碑はなく「本土最東端」という書き方であり、また碑は他同様に沢山建てられているのだが、どれもこれも北方領土返還関係ばかりで、この本土最東端というイメージよりも北方領土返還の地という色が濃いところであった。そんな納沙布岬、僅か3.5kmほど海を隔てるともうそこは日本の統治外であった。小さな小さな貝殻島。灯台ひとつが何とか建っているといった程度の島であるが、そこですら日本は統治できず、戦前に日本が建てた灯台が今は朽ち果てさらには傾き、まさに廃墟といった雰囲気になってしまっていた。そしてその先、岬から7kmほど先には水晶島がある。ここには一般の人こそ住んではいないが、ハッキリと島にロシア警備隊の観測レーダーや監視所をこの岬より見ることができ、その近さゆえに恐ろしさも感じ、また、島国日本がこれほど他国と近い距離を持っていることに驚き、そしてこの先の国後島、択捉島には今ではたくさんのロシア人が住み生活を営んでいるにも関わらず、今まで交流がない両国の緊張した関係に国境という大きな壁を感じた。だが、92年よりビザ無しでの交流が実現し、定期便こそないが今では多くの方が互いの国を訪問し、そしてただ睨み合うのではなく文化を知り分ち合うということが頻繁に行なわれているそうだ。新しいそんなふれあいに、そして生まれ故郷の地をようやく踏むことの出来た国後、択捉島に住んでいた日本人の人々、そんな歴史が克明に根室市の四島交流センターでは展示・紹介され、そこではその資料内容うえに魅せられ、そして最後には涙した。国という壁はあっても何も変わらない同じ人なのである。

 さて、そんな最東端到達の今朝は強い風により目を覚まさせられた。テントをビュービュー!と音をたてながら強風が襲う。そして天気のほうも昨日のあの真っ青な快晴はどこにもなく、北海道に入ってからは見慣れてしまっている重い雲が空を覆っていた。この風、そして天気ではとても出発する気にはなれない、そう思いながらも今は予定よりも遅れてしまっているこの北海道の旅、今日も頑張らなければ!という気持ちを胸に叩き込み今朝も5時からHPの更新作業に立ち向かっていた。しかし時間のほうはあっという間に流れるばかりで今日も出発は結局9時近くとなってしまい、この時にはすでに”稲ちゃん”、”ゆうちゃん”を見送り、しばらくしてようやく最後に残った私と石井さん親子と共にキャンプ場を後にした。

目指す最東端
 目指したのは冒頭にも書いた通り”本土最東端・納沙布岬”だ。細長く延びた半島の先にあるこの岬には、その細さの為にピストン走行となり、またこのキャンプ場へと戻ってくることになる。そのため、荷物をこのサイトに置かせてもらい最後の岬には空荷での挑戦だ。それなら軽快そのものだろう、そう期待しての今日の岬アタックだが、この不気味なほどの音を立てる強風がそう簡単には走らせてくれなかった。行きこそ荒れ狂う追い風に追い立てられ軽快に飛ばしていたが、帰路はその反面、下りだろうが自転車を追い返すほどの突風に見舞われ、ひたすら苦しみに耐える走行となってしまった。今日はできればこのあと霧多布まで走りたい。そんな思いもあったために、時間にも追われるがしかし、思うように進むことは出来ず、ただむきになって自転車を漕ぎ進めたため、空荷にも関わらずもう足は張ってくるほどの疲労が早くも出だした。太ももを手で押さえ「頑張ってくれ!」と筋肉にお願いしながら元のキャンプへと急いだ。ちなみにそんな道中に冒頭にも書いた北方領土関係資料館”北方館”や”四島交流センター”と見学し、共に興味深い資料だけに時間を意外と費やしてしまいこうして必死で漕がなければいかない原因にもなってしまった。かといって今日の当初の目的地・霧多布を諦めてもよかったのだがしかし、その手前にはずっとキャンプ場はなく、この元のキャンプ場となってしまうのでそれではあまりに時間があまりすぎる。日程にも追われ始めここは距離を延ばしたいところだ。

島の架け橋
また再会♪
納沙布岬灯台
灯台裏には・・・
本土最東端・納沙布岬
北方領土視察証明書
北方四島交流センター
資料豊富なセンター内
根室名物・エスカロップ

 キャンプ場で荷物を積み直し休みことなく再出発。空荷で走ってきただけに、この荷物の重さが自分でも驚くほどペダルに直に現れた。疲労感がすでに出始めている筋肉だけに最後まで持ってくれるのか心配になるほどキリキリ痛み出して太ももを手で常にさすっていた。そんな不安をよそに風は相変わらず吹きつけ襲い掛かる。筋肉が風と共にさらに悲鳴を上げる。このままでは先にまいってしまいそうで、そうならないためにも休憩を兼ねてやや遅い昼食をとることにした。根室名物・エスカロップを豪華に頂く。バター焼ごはんの上にカツを載せたちょっと変わった定食で、これがなかなか美味しくこの後の頑張りにも繋がった。30分ほどの休憩タイムであったが、このあとしばらくは向かい風と戦いながらもそれなりに漕ぎ進み、そして無事に霧多布湿原へと入った。さすがにまた筋肉が緊張し始めるが、しかし、ここまで来ると目的地まであとわずか、そんな安心感からか漕ぐ足も自然と軽くなり余興を楽しむかのように最後はのんびり進めていくことができた。そしてその頑張りを褒め、そしてご褒美をくれるかのように、この霧多布の湿原に見事なまでの夕日が沈んでいき、その後、真っ赤に空は染まっていった。そんな美しさに見惚れ何度も振り返りながら市街へと入っていった。

 さて、この市街でキャンプ場を前に温泉タイム♪なんとそこでまたまた石井さん親子に再会!この霧多布のキャンプ場に行こうかなとも話していたのでキャンプ場で会えることを期待していたんだが、しかしその前にこの温泉で会えるとは、完走を喜びを噛み締めながら、そんな石井さんとのんびり団欒し、そして今日の疲れを癒した。ちなみに稲ちゃんも同様にこのキャンプ地にしようかなと話していたのだが、しかし時間にまだ余裕があったのだろうか一歩先の町まで今日は進んだらしい。ちょっと残念だが、しかしこの先、まだまだ再会の時はあるだろう。この旅で会えなくてもまた次があるさ!そう信じながら温泉を後にし、数キロ先の岬にあるキャンプ場へと入った。

 すでに日は完全に落ち、真っ暗の中でのテント設営と、すでに到着しのんびり過ごす他のキャンパーたちを横目に遅刻した自分を実感し今慌ただしく設営する寂しさを感じるが、しかし、この後は今夜も美味しく楽しい時間が待っていた。牡蠣で有名なこの先の厚岸町で、もちろんその牡蠣を石井さんたちが買ってきてくれてあったのだ。もちろん生でもいける。ホッペのとろこけるようなその美味しさを堪能しながら、自分が今までこの生牡蠣が嫌いだったことを思いだしていた。こうして「うまい!」と言いながら食べている自分が信じられないほどであったが、さすが土地のものはうまいとも実感もした。これだけ流通が発達した中でも、生物だけはやはり現地で!そんな旨い牡蠣にお酒も自然と進み、今夜も大いに飲み、そして会話を楽しみ、やっぱりHPは出来ずまま23時頃就寝した。

青空いっぱい♪
霧多布湿原に沈む
今夜も宴会

 ★今日のお食事♪
 ・朝食 : ラーメン・コンビニ弁当・パン
 ・昼食 : カスカロップ・パン・アイス
 ・夕食 : パン・アイス・生牡蠣




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