いよいよ今日、道東は知床の地に入る。そのためにも今朝もセッセと出発準備。いつもと同様に朝5時頃から日記、そして最近ちょっと凝ってきた自炊、そんないつもと大して変わらぬ朝の準備であるが、でも、時間の方は意外に早く9時前にはキャンプ場を出発することができた。
青い空!そう言えなくもない空が広がるのだが、実際は半分でしかない。半分は重たいどんよりした雲に覆われ、見事なまでに今日は青空と雲との境界線ができていた。北を見れば雲ひとつない真っ青な空が広がるのだが、徐々に南から雲が青空を飲み込むかのように広がり始め、いつかこのまま全てが飲み込まれてしまうのではないかという恐怖心さえわく空模様を見上げながら知床は斜里を目指していた。
道はやはり北海道特有の直線道を果てしなく走っていく。そしてようやくカーブだとホッとするのも束の間、曲がればまた果てしない直線が続く。そして辺りは湿原か牧場が広がっていた。そんな中をひとり黙々と漕いで行くのが普通だろうが、今日は元気なおじさんに一定な距離を保ったまま後を追いかけてきた。それもママチャリ、そして小さなバックひとつである。荷物が少ないとはいえ、ママチャリの4、50代のおじさんが間隔を空けることなくついてくる。自然、悔しい。そんな思いが込み上げ、こちらもちょっと必死で漕ぎ始めるが、大して間隔は広がることなく追いかけてくる。「なかなかやるではないか?!」とひとつブツブツ言いながらも悔しみながら、それでいて楽しんでもいた。しかし、それにしても早い!なにかスポーツでもやっているのだろうか、それとも毎日この道でトレーニングしているのだろうか、そんなことを考えながら追い抜かれまいと走り続けたが、最後は前面に現れた斜里岳に見惚れ足を止めたときに、軽快におじさんは走り去っていった。そして写真撮影を終えた頃にはすでに見えなくなるほど先へと走り去っていた。
さすがにこれだけ離れるともういくら必死でこのあと走っても追いつくことは出来なかった。ただ、数キロ走ったところにあった道の駅にておじさんが休憩しているときに追いつき、そして私は休憩こそしなかったが、今まで声を交わすことがなかったが、ここで初めてお互い笑みを浮べ「こんにちわ」と、声を交わした。やはりおじさんも気になっていたようだ。そしてお互いの笑みは戦友かのように温かかった。
こんなおじさんとの出会いのお蔭か、黙々と漕ぎ進んでいたために距離はいつの間にか延び今日の目的地である斜里市街はもう目の前であった。しかし時間の方はまだ昼前と早い。もっと距離を延ばして行きたい気分ではあるが、”登山”という旅の目的のひとつがそうはさせなかった。この斜里市街が次に目指す斜里岳の麓の町となっている。それだけにさらに先へと進むことが出来ず、なんだか気合が入っているだけに不完全燃焼している気分ではあったが、仕方なくその気分を抑え、宿探しを始めた。ただ、宿と言っても地図に書かれているキャンプ場マークが全てである。この斜里で唯一一箇所あったのだが、果たして値段的にいけるだろうか・・・ オートキャンプ場であったらどうしよう、そんな不安を胸に抱きながら向った先は”クリオネキャンプ場”。そこはRH(ライダーハウス)に併設されているところで値段は800円。やや高いが、しかし温泉つきということもあってそこでお願いすることにした。ちなみに室内宿は1000円と、こちらの方がお得な気もするが、やはり私の場合、キャンプの方が似合っていると思いこちらを選んだ。PCをやるにしても落ち着き、また、人を気にすることなく寝れるのも嬉しい。そしてなにより室内に入ってしまうと自炊する気が失せてしまう。そうなるとさらに倍お金が掛かってしまう。そうならないためにもキャンプがよく、そして私にはあっていた。
RH脇の野営場にテントを張り、そして荷物を全て置いて出かけたところは知床博物館。そこは自然の宝庫!いや、正確には知床の自然の豊富さを実感させてくれるところであり、そして人間との共存を在り方を常に考えている資料館で、実際に事故や人間の害により傷ついたオオワシやオジロワシ、そしてエゾ鹿などがここで保護され療養されていた。しかしそれにしてもこの両ワシの大きいこと!翼を広げると2m近くになるという。ちなみにこの2種のワシ、共に渡り鳥で冬にこの北海道へとやってくる。ただ数少ないがまれに渡りしないオジロワシもいるそうだ。実はそんな異種とサロマ湖畔で私は偶然にも見ることができた。「なんでこんな時期に?!」と、そのときはただ驚いき、そしてその大きさに自然の力まで感じることができたが、しかし、今こうして檻の中に舞うワシにはその自然の力を感じることなく、ただ「大きなワシだ・・・」そう思うだけしかない。飼育されているのと、野生とではここまで違うのかとただ驚くばかりであった。
人間との共存にもここでは深く触れられていた。いや、それを中心に動物の紹介をしていたと言っていいほどだ。猟銃の鉛球による鉛中毒で苦しむワシ、新種のダニに犯され減少の一途を辿る北キツネ、そして田畑を荒らすエゾ鹿、人間を襲う熊。これだけ大自然溢れる知床でさえ、どれもこれも人間とは密接であることに驚かされた。そしてその町の対策や取り組み意欲に他にはない力を感じ、この資料館ではしばらく見せられていた。最後にこの資料館に併設されて姉妹都市交流館がある。弘前市と竹富町と提携し、そんな町の資料も豊富に展示され、共に以前に訪れたことがあるだけに懐かしさを感じながら見学した。
こうしてかなりのんびり観光を楽しんではきたが、それでも15時にはキャンプ場へと戻り、さっそく宿の天然温泉(斜里温泉)へと入浴♪そしてこの後、ある人を待っていた。それは函館で知り合った高田さんで、共に斜里岳を登りたいとわざわざ今日来てくれたのだ。16時ごろ、無事のこのRH(ライダーハウス)にもちろんバイクで到着し、そして共に夕食の買出し!町まではなぜか私がバイク、そして彼女が自転車、久しぶりのバイクにオドオドしながも、でもさすがは北海道、広い道路と少ない交通量に救われて難なく市街へと到着し、そし今夜はちょっと豪華にお買い物♪そして夜はキャンプ場でお酒を交わしながら楽しい夕食となった。今夜の私の一押しは”ホタテクリィミィー”でした。 ★今日のお食事♪
・朝食 : ごはん・具沢山コンソメスープ(ジャガイモ・人参・玉葱)
・昼食 : パン×2
・夕食 :
ごはん・マーボー豆腐・ホタテフライ・各種ツマミ