車輪人の自転車日本一周・登山の旅 車輪人の自転車日本一周・登山の旅

2003年 7月24日 (木) - 382日目

天気 : 曇時々晴

体調 : 良好

宿泊地 : 沙流川キャンプ場

本日の移動 : 平取町~日高町

走行距離 : 51.9km

累計距離 : 16,911km
本日の出費

食費 : 3331円

観光費 : 400円

宿泊費 : 500円

雑費 : 1000円

費用詳細 : 食費:3日間の登山食含む、宿泊費:沙流川キャンプ場、観光費:二風谷アイヌ文化博物館、雑費:一瞬の思い出・・・

現在地 : 北海道日高町  ( 全走行図 )

一瞬の思い出

 平取町。小さな町ではあるが見所も多く今日の午前中は観光に没頭していた。そして何より興味を惹いたのがアイヌ文化だ。実は昨夜に泊ったところもアイヌの伝統工芸を大切に守っているところのひとつ、”貝沢工芸”だったのだが、その店内にすっかり魅せられっぱなしであった。とくに、すぐ前にあるアイヌ文化博物館を見学してからは、なお拍車がかかった。

 ちなみに今朝はその民芸店の裏に建てられているプレハブ小屋でひとり寂しく朝を迎えた。いつも通りのテントならそれほど寂しさを感じないのだが、こうして広い屋根のある空間で、ポツンとひとりごろ寝はやはり空しく感じてしまう。でも、逆に良いことももちろんあった。それはHPの更新が進んだこと。ここ連日はなかなか進まなく、いつも日記を残して出発していたが、今日は久しぶりに全て書き終えることが出来た。いつも頭を悩まされているだけに、今日はほんと気分よく出発することが出来た。

 9時。まず向ったのが、ちょっと戻ったところにある二風谷ダムだ。昨日ここを横目に登ってきたのだが、このダムのちょっと変わった色合いや形に興味を惹かれていた。それだけに今日のこの見学を楽しみにしていたのだ。なんて言ったって、ダムに屋根があるのだから、そしてその色が緑、遠目で見た時にはとてもダムとは思えず、農協の施設なのだと思っていたほどである。さて、そんなダムの資料室、豪華な建物の割には資料は意外に質素でちょっとガッカリ。多目的ホールにダム紹介パネルを数点並べただけのもので、またその内容もありふれたものであり、それほど興味惹かれることなく早々に後にした。

 この小さな集落の観光はまだまだ続く。お次はこの地区のメイン的観光施設であるだろう”アイヌ文化博物館”だ。冒頭にも書いたとおり、この辺りは元々アイヌが多く住んでいたこともあり、今はその保存運動が盛んである。とくにアイヌ民芸品については運動盛んで、至る所に手作り工芸店が並んでいた。またその店々で毎年いろんなイベントを行い風習を守ってもいた。ちなみに資料館のほうはその文化を総合的に紹介したもので、その独特性の強い異文化に興味惹かれた。この日本には大きく分けて2つの異文化が南北にある。琉球文化とアイヌ文化だ。普通に内地で暮らしていれば接することはまずないだろう。いや、未だに残り伝えられていることすら知らずに終わってしまうかもしれない。私も元々はそのひとりだったのだが、今はこうして接する機会をこの旅で得た。旅前はそれほど興味ある異文化ではなかったのだが、現地でそんな異文化に接し、同じ日本なのに、内地にはない風習、文化にただ最初は驚くばかりであったが、今はその文化に驚くよりも興味が湧いて仕方がないといった感じだ。ちなみに今回のアイヌ文化。どう紹介していいのか難しいが、私の印象では自然に溶け込み共に生きている民族という印象を受けた。そんな民族から自然というものを教えられることが多く、いろいろ考えさせられ、そしてそんな心を自分自身に焼けつけようと、また、ひとつ思い入れを増やそうと、先日お世話になった貝沢民芸で鹿の角を細工して造ったブレスレットを購入した。実は昨日見たときから気になっていた物であったが、どうしても旅での節約精神から購入する決心がつかなかった。どれだけいい食べ物が食べれるか・・・ そう思うと手が出ない。だが、今日、こうしてアイヌ文化を見学し、興味惹かれ迷いは消えていた。

二風谷ダム
アイヌ文化博物館
アイヌ資料は豊富

 こうして新たに購入したブレスレットに思いを託し、お昼頃、ようやくこの集落を出発した。ちなみにこの集落でもうひとつ、沙流川歴史館というところも見学したのだが、お金が掛かっている割にはそれほど面白みはなく、すぐに後にした。集落を離れると、また辺りはのどかな牧場が広がりはじめた。この日高地方、とくに太平予側一帯は競走馬の産地でもあるそうで、まさにそれを物語る風景であり、、「おっ!」と驚かされるほど大きく素人目にもたくましい馬も多くいた。名のある競走馬だろうか、そんなことを思いながら、自転車を漕ぎ進め、次の集落である振内へと入った。

アイヌの無料検診
牧場がいっぱい

 明日、向う山”幌尻岳”はここより山へ入っていくのが一般的コースなのだが、その取り付けまでには30km近いダートがあり、さらにその先には沢登りまであるという。難易度的にはそれほど高くはないそうだが、でも、腰まで浸かる部分も多々あるそうで、もちろん要沢用品。だが、そういうものを残念ながら持ってなく、ここからの登頂を断念したのだが、でも、そこまで調べつくしてなかっただけに、登山に必要な荷物はこの振内に送ってもらっていた。それは、75Lという巨大なザック。この幌尻といい、さらにこの先の大雪山縦走、共に長距離で山中泊となる。そのために、このザックを送ってもらったのだ。去年の9月以来の久しぶりに対面するザックであり、見ているだけであの時の登山の記憶が甦り、また今後に期待も同時に膨れてワクワクしてくるのだが、実際に自転車に積み込んでみると、「こんなに大きかったっけ?」、まるで荷物が走っているのかと思うほどに、荷物だらけとなってしまった。そして最初の人漕ぎですぐに違いがわかるほどペダルが重くなっている。「こんなんで、去年よく漕いだよな・・・」、旅の初めとあって余分な荷物も多々あり、さらに重かっただろう当時、我ながら漕ぎ進んでいたのが信じられない思いであった。

75Lザックを追加!
うう・・・ 重い

 ちなみにこの振内には鉄道記念館という見所があり、そこは嬉しいことに無料で入れる施設なのだが、ただ、その資料は少なく、やや寂れた雰囲気さえ持っていた。だが、面白い施設もあった、野外施設である。巨大なD51機関車が展示され、そして客車もあるのだが、その客車がなんとRH(ライダーハウス)なのだ。客車内に洗面所、トイレ、さらにシャワー室まで設けてあり、それでいて1泊480円!ちょっと泊ってみたいところではあったが、明日の登山に備えて今日中に日高までは行っておきたく、残念ながら後にすることとなってしまった。

D51!
なんとここがRH
ちょっとお邪魔しました

 日高までもはそれほど距離なく、真剣に漕ぎ出せばあっという間に到着することができた。さあ、あとは宿の問題である。明日の登山の為に、なにがなんでもこの日高で泊るしかない。RHもあるのだが、ここから3,4kmほど戻ったところであまり行く気も起こらない。いや、今日買ったブレスレットのこともありここは出来るだけ節約しておきたかった。かと言って野宿・・・その場を期待してこの日高の道の駅とやってきたのだが、役所前、郵便局と併設されているような道の駅で、とても野宿できそうもない。また、どこかで荷物を預かってもらえるところも欲しかった。明日は20kmほどのダートを走る。かなりキツイだろう、それもずっと登りだ、もしかしたら漕げずにひたすら歩くことになるかもしれない、そんなところへ無駄な荷物を持っていきたくなかった。そんな為にコインロッカーも探すが、この日高には無いと言う絶望的な言葉しか返ってこなかった。やはりRHしかないか・・・ もう、最後の望みをかけてオートキャンプ場にも問い合わせてみることにした。オートだけに1000円、2000円という金額であることを心配したが、なんと500円と、思ったよりも普通の値段、さらに相談してみると荷物も預かってもらえるとのことだった。もう迷うことなくここにお願いし、登山の食材を買いあさってこのキャンプ場へと入った。

 明日は早朝出発!それに備えて今から荷物の整理。山中泊となるために持って行く荷物も膨大で、それだけに1時間はかかってしまったのだが、でも、このキャンプ場に着いたのが16時ごろと早かったこともあり、そのあとはのんびりと自分の時間を楽しむことが出来た。また日が暮れだすと続々とライダーも訪れ、先日頂いた夕張メロンをここでそんなみんなと一緒に分け合った。「ほんと甘いね!!驚いたよ!」、と帰ってくる言葉はそんな嬉しいものばかりであった。それほど甘くて旨い。当たり前の答えかもしれない。谷さん!ありがとうございました。

塩さんとキャンプ場で♪
さらに斉藤さんも♪

 さて、こうして楽しい夜は暮れて行ったのだが、ひとつ辛いことがあった。それは今日買った思い出を詰めた品、ブレスレットをどこかに落としてしまった。辺りを必死で探すが見当たらず・・・ どれくらい探しただろうか、残るのは空しさだけであった。その詰めた思いは自分にしっかりと焼付けなおしてはいたが、金銭的な悔しさはどうしても残り、その夜は、塩さんと22時ごろまで楽しくお酒を飲みながら旅話を交わし、必死で忘れようとしていた。

 そして、23時前には明日に備え就寝した。

 ★今日のお食事♪
 ・朝食 : パン×2
 ・昼食 : ビーフカレー
 ・夕食 : ごはん&レトルト丼・夕張メロン




自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・