車輪人の自転車日本一周・登山の旅 車輪人の自転車日本一周・登山の旅

2003年 6月23日 (月) - 351日目

天気 :

体調 : 良好

宿泊地 : 旅館・みちのく温泉

本日の移動 : 琴岡町~大潟村~深浦町

走行距離 : 95.3km

累計距離 : 15,315km
本日の出費

食費 : 1387円

観光費 : 300円

宿泊費 : 0円

雑費 : 0円

費用詳細 : 観光費:干拓博物館

現在地 : 青森県深浦町  ( 全走行図 )

迷いに迷って

 地平線まで果てしなく続く田園を眺め走りながら、「どうしようか・・・」と悩んでいた。白神山地をである。この白神山地はご存知の通り世界遺産であり、その由縁はもちろん広がる広大なブナの原生林だ。それをもちろん見てみたくもあるが、ただ、さすが世界自然遺産だけあって山は深く、一般的な白神山地の展望所のひとつである白神岳へと登山しなければならない。だが、実際のところすでに”人力100名山登頂”登山でヘトヘトであり、これに加え、さらに観光登山となるとどうしても気が重くなってしまう。また、自分はまだブナの魅力にもはまっていない。このブナに見せられ人が多いそうだが、私はまだそこまでははまっていたない。ただ、たしかに魅力的だとも思う。だが、現時点ではこの旅に加えて、さらに観光登山へと向う気がしなく、そんな気持ちで登っても、ただ辛いだけであり面白くないだろう。そんなことから自分的にはこの登山を避けたい。そのかわりに、すぐ先の山腹にある十二湖を見てまわろうと思っている。そう、これがまた曲者で、この箇所には2つも連続して大きいな見所があり、共に観光してまわる元気と時間がなかったのもある。さらにその先には岩木山が控え、「諦めよう・・・」、そう思うのだが、そう思うと、このHPのプレッシャーが押し寄せてくる。「なんでいかなかったの?いいところなのに・・・」、そんな声が怖くもあり、でも、その声が自分の原動力でもなっているから複雑な気持ちだ。でも、ここは旅の原点に戻り、”100名山の登頂&史跡巡り”を重視し、この白神山地は十二湖より触れるだけにし、深部へは今後の楽しみとすることにした。

 そんなことを今日一日中、田園を眺めながら考えていたような気がする。言い換えれば、一日中、田園を眺めていたとも言えるかもしれない。それほど広大な田園が続いた。今朝はその中にあるといって場所である”道の駅・琴丘”の休憩所で6時に起床した。夜は明るすぎてほとんど熟睡できなかったものの、でも快適性では、さすが休憩所だけによかった。外を覗けば眩しいばかりの久しぶりの快晴が広がっていた。”モワッ”っとした暑さが襲うが、でも雨よりは比べようもなくなく嬉しく、走行意欲が高まっていった。でも、今朝もやっぱり日記の更新に終われ、そして快晴に誘われて久しぶりの洗濯と大忙し!なんとか9時過ぎにはまとめて、自転車に付けた洗濯物をなびかせながら出発した。

 昨日横断した八郎潟をまた抜けて大潟村市街を目指す。昨日、この疑問いっぱいの八郎潟の歴史や現状を学ぶ為に資料館へと入るためなのだが、やっぱりこの広大な田園は長い。昨日もその長さに苦しめられ、そして、今日もその長さが分かっているにも関わらず同じようにその延々と続く地平線に驚かされ苦しめられた。「北海道ではどうなっちゃうんだろう・・・」、そんな不安さえ起こり、逆に東北各地の史跡の方にと興味を持ち、今は北海道に対する期待が不思議なほど薄らいでいた。逆に北海道でダラダラしてしまいそう、いや、そうはならないにしても、旅人との出会いが多すぎて、この日記を書く間がなくなりそうで怖くもある。

 この八郎潟の島の左隅に唯一といっていい住宅街があるのだが、その規模は小さくほんと小さな村であるが、でも、どの家も豪邸のような巨大な家が立ち並んでいた。またその周りには驚くほどの空地や花畑がひろがり、そんな有り余る土地の姿にも驚かされた。ちなみにこの田園は他の日本の田園と違い、住居はすべてこの地に集まっているようで、田園には倉庫小屋程度しかなく、この風景がまた日本離れしている。日本文化にないものと言っていいだろう。

 そんな集落内にある”干拓博物館”へと入館した。そして、予想以上に豊富な資料を見てまわり、歴史を勉強し、そして先日の疑問もすぐに解けた。約2時間あまりのんびり観光し、そして、北上へ向けてまた漕ぎ出した。

まずは干拓博物館へ!
館内はみどころいっぱい
八郎潟

 当初の予定では青森との県境にある道の駅・八森で終えようと思っていたのだが、この田園地帯広がる平坦な道に、途中で道草ばかりしたにも関わらずに15時ちょっと過ぎには到着した。もう、この辺りまで来ると、先ほどとは一変し海岸線は険しくなり始めるが、それでも、ちょっとした平地を利用して、時には山を崩し僅かな平地を作って稲作に励んでいた。幅は僅か数メートルというところがざらであり、これが日本の風景らしかった。それにしても、先ほどとは比べ物にならないほどの差に、ただ唖然とするばかりであった。

 時間にまだ余裕がある。また、白神岳登山を諦めた事もあって、それを越え明日観光予定の十二湖麓まで走ることにした。今日はその麓で野宿だ。寝床があるかどうかは不安であったが、でも、明日頑張れば十二湖観光後に一気に岩木山登山口まで走ることができ、時間的に丁度いい距離である。ただ心配は寝床であったが、嬉しいことに麓には無人駅があり、小さいながらもそこで寝ることが出来そうだった。ただ、無人駅とはいえ有名な観光地の麓である。列車の数は意外に多く、もちろん利用者も多い。小さな可愛いホームであるのに、それを大きくはみ出して観光列車”リゾートしらかみ”まで停車していた。また名所をまわるお洒落なバスまで走っていた。

八竜町・役場前にて
ラベンダー(峰浜)
ラベンダーと一緒♪・・・
ちょっとわざとらしい
名水!お殿水
青森突入!
十二湖観光バス
リゾート列車

 そんなホーム脇で読書等しながら日暮れを待った。18時ごろだっただろうか、ちょっと品のある感じのおばさんが「どこからきたの~」と、愛想良く声を掛けてきてくれた。そして、話をすると、どうやら旅館の女将さんらしく、宿を提供する代わりによかったら家で手伝っていかないかとのことだった。朝夕に働き、そして昼間は時間をくれると言う。また1日だけでもいいそうだが、ただ、ここから10kmちょっとまだ先であり、それに明日の観光のこともあり断ることにした。また、夜に働くのではこの日記は更新が全くといっていいほど出来なくなってしまい、それが一番の苦痛であり、出来ない理由でもあった。それでも「働いて見たい・・・」そんな気持ちもあり、やや曖昧な断り方をすると、それを察してか、女将さんは「よかったら、この先の”みちのく温泉”を訪ねてね。」と言い残し走り去った。

 地図を眺めしばらく考えた。しばらくと言ってもほんの2、3分だろう。気付いた時にはすでに”みちのく温泉”へと向けて自転車を漕ぎ始めていた。そのあまりの速さに自分でも惚れ惚れとしてしまうほどであったが、でも、ここまで到達するのにはそれなりの苦労があった。あそこで断ってしまった自分を攻めた。いろいろ見てみたいと出てきたのに、何をしているんだと・・・ さらには自分自身が何も変わっていないではないかと・・・ 間違いなく目の前の壁から逃げている。面倒だ、大変そうだ、気も使う、そんな理由を口実に逃げている。せっかくの体験と出会いのチャンスなのに、そんな自分を攻めに攻めた結果、自転車を漕ぎ始めていた。

 予想以上の大きな宿で、先ほどの女将さんが笑顔で迎えてくれ、そして名物の温泉に入浴後、さっそく仕事スタートだ!まずはお客さんの食事時を狙った布団敷きである。時間との戦いともあり、またお客さん相手だけに丁寧さも求められる。簡単な仕事ではないが、でも、「どこかでやってきたの?」と言ってくれるほど、すぐに覚え、そしてテンポよく各部屋の布団を敷いていった。自分でも意外な素質にビックリするほどであった。

お手伝いする
旅館・みちのく温泉
さすがにグッタリ・・・

 また、この後は夕食の片付け、そして朝食の準備と大忙し!この旅館は温泉が最高にいいためか大繁盛していて、明日なんかも満室だというほどだ。そのため、その忙しさは半端ではなく、こんな何も分からない初陣にも関わらず、仕事に追われっ放しであった。22時過ぎまで間を置くことなくセッセと働き、ようやく今日の仕事を追え、それから自転車の荷物の片付けに入り、23時頃になってようやく落ち着くことが出来た。昼間自転車を漕ぎ、夜は仕事とさすがにもうグッタリである。もう、そのまま就寝したかったが、それでもHPが・・・ と気力を振り絞り、0時頃まで頑張り倒れるように就寝した。明日も5時起で、お手伝いだ!

 こうして久しぶりの”労働”というべきものに触れ、たしかに大いに疲れたが、気持ちのよい疲れ方であり、やはり仕事はいいな♪とさえ思った。また、そんなことから、”早く帰りたい”とさえ思い、こうしてただ、遊びの旅をしている自分に改めて苦痛を感じた・・・

 ★今日のお食事♪
 ・朝食 : パン・菓子
 ・昼食 : 外食(ラーメン&カレー大盛り)
 ・夕食 : 旅館で美味しい夕食♪




自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・