車輪人の自転車日本一周・登山の旅 車輪人の自転車日本一周・登山の旅

2003年 4月22日 (火) - 289日目

天気 :

体調 : 良好

宿泊地 : 古橋さん宅

本日の移動 : 京都市観光

走行距離 : 21.0km

累計距離 : 12,338km
本日の出費

食費 : 514円

観光費 : 1720円

宿泊費 : 0円

雑費 : 420円

費用詳細 : 観光費:手塚治虫ワールド・国立博物館・清水寺・護国神社、雑費: 手塚治虫のピンバッチ

現在地 : 京都府京都市  ( 全走行図 )

京都に酔う

 この旅、出発前からこの京都の地が楽しみな土地の一つであった。日本の歴史・文化が全て詰まったていると言ってもいいほどなところで、それらを見て歩くのがほんと楽しみで、昨日、この京都市へと踏み入れたとき、とうとうやってきたこの地が嬉しくて堪らなかったほどだ。沖縄・最南端を出てから、次の目標地点として決めていた場所でもあり、その到達の喜びも大きかった。

 京都観光初日の朝は6時半起床。やっぱり今朝も日記を書くことから始まるのだが、でもみんなの出社の関係で、今日は最後まで書き終えることができずに、途中にして8時半ごろ、古橋さん宅を出発した。ここ数日、ずっと雨続きであったが、今日は久しぶりの快晴!♪気持ちよく老坂を下って行き、京都市街へと入った。この京都では見たいところばかりで最初どこから見ようか迷ったが、そんな中でまず向った先は京都駅であった。案内所で観光情報を聞きたかったし、また中学の修学旅行以来の懐かしい京都タワーをこの目でまた見たかったためでもあった。京都駅へと近づくに連れてだんだんと人混みが激しくなり、快適な空荷の自転車でも不便さをかんじるほどであった。これが荷物満載であったらゾッとするような状態であっただろう。

 真新しい巨大な京都駅には到着したものの京都タワーが見当たらない。うろうろ辺りを探すが見当たらず、諦めて先に駅へと入り観光案内所へと行ってみることにした。すると目に前に堂々とビルの屋上に立つ京都タワーが!近すぎて気付かなかった恥ずかしさに、ひとり苦笑いしながら、さっそくその懐かしいタワーを写真に収めた。そして自転車置き場探しに苦労しながらも、なんとか見つけて京都駅へと入り、そこで情報収集♪さすが京都の観光案内所だけにたくさんの人で埋まっていたが、でも、それ以上に手馴れた係員で驚くほど素早い対応で、人だかりは待たされることもほとんどなく流れていった。

 このあとはさっそく京都巡りへと思ったがあるポスターが気になり、ちょっと立ち寄ってみたのが、「手塚治虫ワールド」で、そこは今年、鉄腕アトムの誕生日ということもあっての、そのイベント資料館であった。元々、手塚治虫の本が大好きだっただけに、そのまま惹かれるように入館した。どれもこれも夢ある、そして考えさせられる話ばかりで、また本格的な歴史マンガも書いている。とくにその中でも好きなのが、「陽だまりの樹」・「シュマリ」などで、幕末・明治を時代背景にした話の濃い内容だけに、とても興味引かれ今も思い出に強く残っていた。そんな手塚治虫の世界を見てみたいと入館したのだが、主に鉄腕アトムの紹介ばかりで、人としての紹介が少なくそれは残念だったが、でもそれなりに楽しめる内容であった。ここでマンガの柄入りのピンバッチを最後に購入して後にした。

やっぱり京都タワー
手塚治虫ワールド
ブラックジャックさん
偶然知り合う♪

 こうして駅を後にしたときにはすでに12時になろうとして、そんな時間に驚き慌てて市内の観光へと向った。まず向ったのは国立博物館で、この京都を見る前に京都の歴史を知りたい。そう思って入館した博物館であったが、展示品は宝物ばかりで、期待の歴史については残念ながら学ぶことができなかった。ただ、そんな宝物たちも、一級品ばかりで、また個々に詳しい説明もついていて、それらに魅入ってしまい、時間のほうは思ったよりも掛かってしまった。こうして明治30年に建てられたというレンガ造りの巨大な本館を後にして、その周辺の観光へ歩いて向った。まずはすぐ隣の豊国神社へ、名前の通り、豊臣秀吉を祀る神社で、掛けられた絵馬たちは秀吉の馬印である「千成ひょうたん」の形をしていたのが印象的であった。

京都国立博物館
重厚な造り(博物館)

 そして、さらにすぐ隣へと歩くと今度は、いわくつきの大鐘で有名だという方広寺への敷地へと入った。そこには驚くほど巨大な大鐘が据え付けられていて、そしてそこに書かれているという「国家安康・君臣豊楽」という文字を探したが、よほど小さく書かれているようで分からなかった。またその詳しい説明の書かれた札は、その巨大な鐘楼の中にあり、遠すぎて一生懸命に目を凝らしても読むことが出来なかったのが残念だ。未だに何が書かれていたのか気になる。

豊国神社
豊国神社の説明
巨大な方広寺の鐘

 まだまだ辺りを散策。先ほどの豊国神社の正面にある小さな丘、そこは耳塚と呼ばれる墓であった。丘の上には巨大な五輪塔が建ってられていた。ここは秀吉の朝鮮出兵の際に戦功のしるしとして持ち帰った鼻や耳を、供養した所だそうだ。このあと、今度は国立博物館の南側へと歩いて、有名な三十三間堂へと向った。もうここも名前の通り、細長い本堂の柱の間数が三十三もあることから呼ばれている名らしく、今もその長い長い間数を抜きとおす「通し矢」が行なわれているそうだ。だが、ここの拝観は料金がやや高かったことから諦めて、そとから覗くだけとした。それでもその様子をそれなりに感じることができた。

 さらに隣の養源院へと今度は向った。他と比べれば小さな寺であったが、その歴史はここも興味引くものがあった。淀君の父、浅井長政を供養する為に建てられ、そして焼失後、淀君の妹である徳川秀忠夫人が伏見城の旧材を使って新たに再建された場所で、その使われた木材に、今も徳川家康の臣、鳥居元忠が関ヶ原の前哨戦・伏見城で自害したときの血痕が今もこの寺に残るという。それを見てみたくて行っては見たが、それを見るだけ払う拝観料は意外に高くて、断念してしまった。参拝だけ済まして後にし、そして最後に、またまたお隣の法住寺を散策、そして裏手に残されている、後白河法皇の御陵を見学して、この博物館周辺の観光を終えた。

耳塚
養源院
養源院の説明

 このあとは自転車を走らせて少し北へと向うと、有名な清水寺へとでる。寺まではかなりのところまで登っていかなければならず、空荷といえども、もう必死、でも後半はあまりの人ごみに押してあるかざるえなくなった。ここでも自転車を止めるところを探す。自転車といえでも車両だけにこの人ごみの中、止めるとこを探すのは意外と大変で、自転車も楽ではないことを実感した。なんとか置き場も見つけてあとはのんびり清水寺までの古風なお土産店が並ぶ清水坂の道をのんびり散策しながら登っていくと、中学以来に見る懐かしい大きな三門!っと書きたいところだったが、残念ながら三門は修復工事中で見事なほどに足場で囲まれていて見ることは出来なかった。

 この清水寺入ってまず目を引いたのは隋求堂の胎内めぐりというもので、信州でも入った善光寺の胎内巡りと同じような感じの、真っ暗な地下道を歩き、そして最奥の菩薩の魂の入った、石をさわり、そこに願いをいうというもので、真っ暗なだけにドキドキ、ワクワク感ある、アトラクションのような気持ちでの参拝であった。そんな胎内めぐりで楽しみ、そして本堂へと入っていった。今回、この清水寺では嬉しいことに243年ぶりという奥の院の御本尊御開帳中で、御本尊である観音菩薩を間近で見ることができ、また普段見れないというだけに貴重な体験が出来た。このあと、もう京都と言ったらあの有名な清水の舞台を見学。そこから見る景色は絶景であったが、この眼下に広がる一面の新緑が紅葉の時期なら・・・ そう思うと悔しい思いがして、またそんな時期に今度は来たいと強く思った。

 本堂の裏手へと歩くと縁結びの神様で有名な地主神社へと出た。さすがにここは男性よりも女性の参拝者が目立ち混雑していた。そんな混雑の中、自分も”よい人が見つかりますように!”それだけをお願いして、早々にその混雑から逃れた。

 清水の舞台脇から、こんどは階段を下っていくと、そこには羽音の滝と呼ばれる日本有数の名水が流れていた。この清水が、清水寺の由来であるだけに、やっぱり飲んでみたいと混み合う列に並び、やっとの思いで呑んでみた名水は、癖のないスッキリした清らかさを感じる水であった。こうして最後は三重塔を見上げながら、中学振り以来の懐かしい清水寺を後にした。

込み合う清水坂
清水寺
清水寺の説明
地主神社
名水・羽音の滝
三重塔(清水寺)

 にぎやかな参道を下っていき、途中から三年坂、二年坂へと護国神社へと向う為に坂を下っていったのだが、この道がまた風流で、歩いているだけでほんと楽しく、京都ならではの景観に囲まれた中をのんびりと散策した。もう他の都市の昔ながらの街並みや保存地区、それらとは比べ物ならないほどのところで、無理やり作り残したという町並みではなく、自然に親しみ残された町だけにその趣が他とはまったく違ったものがあった。

 こうして下っていき、さらにまた登り返したところに護国神社はあった。主にこの京都の護国神社は幕末の志士達を大々的に祀られている。もちろん大戦時の墓標も延々と並べられていた。その名の数にも圧倒されたが、でもここでも、幕末の知名人たちの志士の名に圧倒された。とくに有名どころといえば、坂本龍馬を筆頭に、中岡慎太郎、木戸孝允などなど上げれば切りがないほどであった。坂本龍馬と中岡慎太郎の墓標は共に並べられ、京都の町を見下ろせるところに建てられていた。今、彼はこの日本、世界をみてどう感じてるのだろうか・・・ 今、彼が生きていたらどう行動していただろうか・・・

 こうして護国神社を見てまわった後は、その前に建てられている”霊山歴史館”へと幕末の世を見学しに入館しようとすると、なんと入館は16時まで、そして今は16時・・・ 17時まで開館していると思い、ゆっくり見学していたのが失敗だった。先に歴史館を見て、護国神社を見学すれ・・・ そう後悔しながらも、まあこれも仕方がないと、空いた時間を有効に使うべく、市街へと下っていった。

三年坂
京都霊山護国神社
坂本龍馬&慎太郎像
四条通のアーケード

 京都ならではのアーケードを走り向った先は、献血ルーム♪前回、福岡で献血してから2週間ちょっとたち、また献血時期となった。やや奥まったところにあったが、観光案内所で聞いていただけでに、すぐに見つけることができた。献血時間は17時までとやや早く、歴史館見てきていたら、間違いなく今日出来なかったことを思うと、ある意味ちょうど良かったと思いながら、献血へと入った。テレビを見ながら約1時間ののんびりした時間を過ごす。いつも慌ただしくしてしまう自分だけに、この落ち着いた時間が幸せな時間でもあった。

 献血を終えて18時過ぎ、このあとはそのまま歩いて新京極通りを散策。そんなアーケード街で見つけたちょっとしたギャラリーに魅かれて見学、いろんな絵を見ているとほんと落ち着き、そして自分も書きたくなり芸術の世界が自分の中で盛り上がってくる。人の絵を見る、ほんと勉強になり、そして楽しい時間であった。このあと、同じくその通りにあるアウトドア・モンベルショップに立ち寄って、破れ修復だらけの真っ黒なカッパを買い換えたいな、そう思い覗いてみたのだが、やっぱり本格的な登山用のカッパはどれも高く、手が出ないまま仕方なく後にした。

 こんな近代的なアーケード内にでもたくさんの本格的な神社仏閣があるのには驚いた。そんなひとつ、錦天満宮で参拝。自分の学業の栄達をお願いして、京極通りを後にした。

献血ルームへ♪
テレビ観賞中~
ギャラリー見学
錦天満宮(新京極通)

 19時ごろ、今お世話になっている”古橋”さんの会社へとお邪魔した。自転車を会社に預けて、仕事を終えた古橋さんが食事へと連れて行ってくれた。そこは「招猩庵」という京都料理のお店で、とっても感じのいいところ。とくのその松本さんという料理人(御主人)の人柄も話しやすく楽しく、そしてそんな方の手が作り出してくれる料理の数々はカルチャーショックを受けたほどうまかった!!ほんと料理がこれほど美味しいと感じたのは初めてかもしれない。見て目はシンプルなのだが、ただの竹の子やアスパラなのだが、食べてみると、「えっ!!」、その食材のそのものの美味しさにどれも驚かされた。食材そのものの味を引き出す、これが京都料理なんだと、その美味しさをじっくり味わいながら話はみんなで弾んだ。松本さんも人生を楽しんでいるという雰囲気が溢れていて、またその下で働くなんと高校生の彼も、夢を追ってるだけに頑張っていた。そしてさらにその彼のお父さんもここへ遊びに来ていて、そんなみなさんで大いに盛り上がり、料理、お酒が進み楽しい時間を過ごした。そしてこうして京都の方々に会い、やっぱり京都の人たちだということを感じさせてくれる。昔ながらの、遠く江戸期の教養、誠心を残した人柄というのが、京都ならではであった。自分は言葉を知らないだけに、その人柄を言葉で表現することは出来ないが、自分の学んできた、長い長い江戸期がほんとここでは残されている、街を見て、人を見て、そんな京都にどんどん惹かれ酔わされた。別れを惜しみながらも23時ごろだっただろうか、お店を後にしたのだが、最後、なんと手土産のワインをなんと頂いた。ほんとありがとうございました!次、いつ再会できるかは分からないが、でもこれが別れではなく、出会いのだと思い、後ろ髪を引かれながらも店を後にした。

 気持ちよく古橋さんと酔っ払って、この後、祇園へと古橋さんなじみの店へと連れて行ってくれた。祇園では保存地区が広がり、こうして夜歩いていると、ほんとタイムスリップしたかのようで、不思議な世界に吸い込まれていくようであった。そんな世界を写真に収めようとシャッターを切ろうとしたときに、どこかのママさんが、「よかったら写しましょか?」 っと声を掛けてくれてお願いした。そしてそのまま写真撮影タイムへと自然に吸い込まれ、ママさんのお客さんだろうか、いつの間にか現れたおじさんと一緒に3人で、さらにはママさんとツーショット♪薄暗い中での写真だけにぶれてはしまったが、こうして思い出深い写真をたくさん撮って、祇園の表通りへと歩いていった。

 祇園の通り沿いにある、一見、普通の保存地区にある昔ながらの民家かな?そう思うほど看板もなにもない玄関をガラガラと古橋さんは入っていった。最初、知り合いのお宅なのかな?そう思ったほどだったが、ここがお店であった。あとから聞いたのだが、一見さん完全お断りのお店で、そんなはじめて入るお店の雰囲気にもう驚かされっぱなしであった。でも、そこには温かさがあり、またここで飲んでいたお客さんの一人、川上さんも交えて楽しくここでも話しに盛り上がった。こうして楽しい時間はあっという間に過ぎて、日をまわった0時半過ぎに後にし、終電もないことから、タクシーで古橋さん宅へと1時過ぎに戻った。もう自分としてはかなり飲んでいたことから、そのまま倒れるように、日記の更新が出来るわけもなく就寝した。

旬菜・「招猩庵」にて
古橋さんと♪
ご主人・松本さんと
(左奥)
みんなで撮影♪
祇園へお出かけ
偶然知り合ったおじさんと
これまた偶然に
祇園・「井政」にて
「井政」前にて♪



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