国土交通省が日本全国の道の中から歴史、風景などあらゆる面から厳選した道100選!この旅の中でもたくさんの道100選を通ってきたが、今回の道も個性溢れる面白い道であり、またその先には出会いが待つ嬉しい道でもあった。ちなみにその道は”大山道路”という米子から大山寺までの道だ。
そんな道へと向かう今朝はキャンプ場という快適な空間の中で6時に起床した。10時間近くも寝てしまったわりには眠い朝で、今日もやっぱり黙々と眠い目を擦りながらもHPの更新に取り掛かった。何もやらずに寝てしまっただけに今朝は時間がかなり掛かってしまい、食事&HP&撤収を終えたのは10時となってしまい、今朝は遅い出発となった。
今日は大山登山口までの道のりで距離的には35kmほどしかなく、そんなおかげで実際はそれほど焦らずの作業であった。また、また話をさかのぼれば、昨夜もそんな気持ちがあったからこそ、なにもやらずに仮眠、そしてそのまま就寝という動作になってしまったと思う。のんびりとキャンプ場出発し弓ヶ浜を気持ちよく走る。前面には大山!っという展望を期待したのだが、霞かかってしまい、まだここからでは望むことができなかったが、天気の方は快晴で快適に浜沿いを進み、そして米子市街へと入っていった。もうここから20kmもない距離で今日はもうのんびり気分で本屋にも立ち寄った。ここで1時間ほどこの先の旅の情報収集♪そして近くのスーパーで登山用の行動食を買出しながら気持ちよく、そしてのんびりまた進み始めた。
日野川を越えると前面にうっすらながらも巨大な大山が姿を現した。その予想以上の雄大な姿に驚き、そして人目、この山が好きになってしまった。とくに各谷間に残雪の残る雪景色が美しく、今の時期ならではの姿がそこにはあった。そんな眼下に、色とりどりのお花畑が目に入った。なんだろうと迷わず行ってみるとそこは一面のチューリップ畑で、その華やかさに自転車を思わず止めて花園へと飛び込んでいった。満面の笑みで記念写真を撮り、この快晴の天気の、そしてお花畑、さらには前面の雄大な大山、もう気分最高で、大山登山口へと足取り軽くまた進みだした。
高速をくぐると県道24号となりここが道100選!”大山道路”となる。この道はほぼ一直線に登山口のある大山寺へと上って行く道路で、地図上からでもちょっと気になる道路で、その景観を期待しながら踏み入れた道路は案の定、ほぼ直線でそして先には雪残る大山が常に聳え立っていた。その雄姿に励まされながら、またそんな写真を撮るのを楽しみながら、最初はほぼ一定の緩やかな上り坂をひたすら登っていった。
だが、徐々にそんな余裕がなくなってくる、山が近くなってきたせいか、山頂は段々と木々で隠れ、そして見えるのはひたすら続く上り坂のみ・・・ でも道の両際は広いスペースが設けられていて開放感があり、また所々には松の巨木が立ち並んでいた。そんな一直線の道路で、まるで北海道の大地を走っているかのような広い開放感は格別であり、延々と続く坂ではあったが、鼻歌まじりで楽しく標高を稼いでいくことができた。
もうかなり登っただろうと思っていた頃に現れた無常な看板「標高300m」・・・ 地図上では800m弱まで登らなければならず、改めてその800mという標高の高さを感じ、そしてまたこの先の登り坂に対し、まだまだ!っという力が入った。鼻歌をテンポに長い坂ではあるがまだまだ気持ちよく登っていった。途中の乗馬センターで馬を軽快に操るおねいさんに励ましの声を頂きながら、距離をまたどんどん延ばしていく。だが、この頃から坂は徐々にきつくなっていき、だんだんと歌う鼻歌も途切れ途切れとなっていった。次に現れた看板「標高500m」・・・ まだまだ!っと思いながら近づく大山を見上げながら進むが、さらに傾斜は増して行く。考えてみればそりゃそうだろう。富士山のような裾野を持つこの大山を真っ直ぐ一直線に登っていけば、勾配がきつくなっていくのは当たり前である。この先ももっときつくなるのか・・・ そう思いながらも今を必死で登って行った。
終盤、さらに傾斜が増し、それに疲労がだんだん現れ始めた。もう汗だくで黙々と登っていくしかなかった。車が来ないときにはS字を描きながら勾配を軽くし、あと少しだ少しだ、っと登っていく。600m、700mの看板はさすがにきつい勾配のせいで距離は近い。登山口到着目前、もう辛くて堪らないときに、神のお恵みなのか、500円ゲット♪磨り減り、そして錆び付いてはいるが、500円硬貨が道端に落ちていたのだ。きつい道ではあるが、景観素晴らしく運まで落ちていた100選の道。そして14時過ぎ、やっとの思いで登りついた先には、あるライダーとの出会いが待っていた。
最後、登りつめる一番きついときに後ろから「がんばってください!」っと声をかけてくれた方で、登山口へ到着してホッと一息ついたとき、また声をかけに来てくれたのだ。青山さんというかたで根っからの旅人間!旅情報をいろいろ教えていただきながら意気投合。一緒にこの先の大山寺、そしてさらに奥にある大神山神社などなど一緒に散策することに。その前に、この信仰の山として有名な大山のお勉強をしにビジターセンターへと入館した。平安時代から興った仏殿の数々、最盛期には3000人の兵僧を抱えた一大勢力を誇っていたらしいが、明治維新直後の神仏分離政策で多くの寺院が廃寺となり姿を消したり神社となったりし、一気に衰退してしまったらしく、それでも今でも多くの寺院が残っていた。
大山寺の参道は急な上り坂であるが旅館が並び、とても雰囲気のよい道で、さらに奥の大神山神社へと向うと道は長い石段へと変わり、その両脇には今も残雪が高々と残っていた。明日の登山、いきなり雪道となりそうだ。そんな雪山にちょっと緊張しながらもワクワクしてきて、そして今見上げる真っ青な空に浮ぶ残雪の大山、明日も好展望を期待しそんな山行に胸が高鳴った。
大神山神社で一緒に参拝。 あとはのんびり楽しみながら、また今日のよさそうな寝床地を探しながらまた自転車を止めた駐車場に戻ったのだが、ここでビックリ!あるおじさんが自転車の脇に座っていたので「なんだろう?」っと思っていると、「おーい!」っと声をかけてきた。それがなんとこの旅で4度目の再会となる香川の宮武さんだった!以前も偶然の出会いが多かったが、今回も偶然の部分が多い。こちらに私がいるのは知っていたそうだが、ここにいるのはもちろん知らなかったそうだ。ただHPの情報で、また会えたらいいな、そんな気持ちでの今回も写真撮影旅行中であったそうだ。こうして登山口3人で記念撮影♪3人でこの好展望を眺めながら話に盛り上がり、そして17時ごろ青山さんが先にお別れ。またの再会を祈り難い握手を交わした。そのあともカメラの話など盛り上がり、さらにはなんとカメラレンズを痛めたことを知り、代わりのレンズをくれるというではないか!ほんとありがとうございました。また5度目、どこかで再会することを約束してお別れした。
こうしてこんな辺鄙な登山口(大山寺)でたくさんの出会いに恵まれた。ほんと人の道とはなにがあるか分からないから面白い。このあと大山寺参道脇の河川敷広場を見つけてそこに設営。そして美しい夕焼けを望んだあとは、夕食を自炊し、明日の備え必死で日記の更新に取り掛かったが、電池が1本なくなったのを気に、22時半頃就寝した。