車輪人の自転車日本一周・登山の旅 車輪人の自転車日本一周・登山の旅

2003年 3月29日 (土) - 265日目

天気 : 晴時々曇

体調 : 良好

宿泊地 : 蛤浜海水浴場

本日の移動 : 福江市~奈良尾町~有川町

走行距離 : 74.0km

累計距離 : 10,938km
本日の出費

食費 : 391円

観光費 : 0円

宿泊費 : 0円

雑費 : 1070円

費用詳細 : 雑費:フェリー代(福江~奈良尾)

現在地 : 長崎県有川町  ( 全走行図 )

五島列島

 この五島列島には計3泊しようと思っている。だが、実際の観光時間は2日だけだ。明日の午前中の便で佐世保にと戻ろうと思っているので、今日で五島観光を終えたことのなるのだが、こうして2日間だけでが五島を見てきて、今まではただの島国と思っていてそれほど興味もなかった島だったが、入ってみて、島独特の文化があり、生活があり、そしてとくに他とは異した歴史があった。その中の一つがキリスト教だろう。弾圧中はこの五島が唯一のキリスト教にとっての楽園と唄わて、そしてたくさんの人が移住してきたこともあったそうだ。だが実際は土地が痩せ生活は苦しく、さらに弾圧も他と同様に決して甘くはなかった。そんな一例の歴史を挙げたが、こうしたことも他にはない島だからこそ生まれた歌なのだろう。

 今朝は福江市の外堀公園で迎えた。今日、北へ渡って中通島へと朝の便でいくつもりなので、ちょっと出発準備は慌ただしい。5時半に起床して、HPの更新作業をしながら朝食の準備。今朝のおかずは昨夜買ったチキンカツとちょっと豪華♪最近の食事はスーパーの店屋物の安いおかずを買って、そしてご飯を自分で炊いて食べることが多くなった。今朝もそんな食事をとりながら、HPを書き、食事を後はテント撤収、出発準備と慌ただしく8時過ぎに公園を出発して港へと向かった。

 出航は9時10分とややそれまで時間はあったが、ただ切符を買ったり乗船したりと落ち着かない時間でもある。そのため書き途中の日記を書きたいところだが、こういう半端な時間は読書をして過ごした。最近なかなか読書が出来ずにいるのでこんな時間が幸せだ。こうして乗船後、いつものことだが、一目散に電源が取れる所を探し、そしてすぐに充電&日記の更新へと入った。今回の航海は1時間ちょっとと短い。果たしてそれだけの時間で日記を書き終え、そして充電できるだろうか。そんな心配をしながらも、必死で日記を書いていった。

 今日は風がそれほど吹いてないおかげか、波も穏やかでそのおかげで日記を書き続けることができた。1時間の時間をいっぱいに使ってもうすぐ入港というアナウンスが流れたころ、ようやく書き終えることが出来た。ホッと一安心♪これを書き終えないとゆっくり観光もする気分になれない。自分に課した課題とはいえ、毎日3時間の作業、なかなか頭を悩まされている。

 さあ、五島2つ目の島”中通島”へ上陸だ!まずはフェリーターミナルで島のことについて情報収集。観光パンフレットを片手にどんなところがあるか調べそして今日の大まかな日程をたてて出発した。まず向かった先は、ピストンになってしまうが行き先とは逆方向にある集落へと向かった。天然記念物にも指定されている巨大なアコウの木があるそうなのだ。その幹は根っこに向うにつれて二股へと別れている。そしてその真ん中の空いた空間が参道として整備されているから面白い。そんな樹齢650年を誇る木を前に思わず「すげー」っと声をあがってしまうほどどっしりとした巨大な木で、さしてその根のトンネルの先には神社が建てられていた。やっぱり旅の安全と成功を祈願した。

アコウの大木
アコウの神社にて
(写真の参拝者は私)
綺麗なリアス式海岸

 このあとは北へ北へと国道沿いを一直線。ただ道のほうは甘くはなく、大きく湾曲しながら峠道が何度も続く難路であった。この複雑な入り組んだ地形が生み出す、アップダウンの道でここまできついと予想もしていなかっただけに、その辛さは大きなものとなった。ただ、それを和ましてくれたのは途中の展望で、どこも素晴らしいものがあった。入り江や入り組んだ湾を見下ろし、日に照らされた海は常に透きとおっていた。また道中には見所も多い。それは教会で、どんな小さな集落でもひとつは大きな教会が大概建てられていた。真新しく見えるものもあれば、古い歴史を持つものも多くあり、それらをのんびりと見てまわりながらの走行だった。

 今日は走行中、たくさんの応援と差し入れを頂いた日でも会った。最初に出会ったのが里帰り中だという赤ちゃんを連れたお姉さんで、これから花見に向うという。そんな豪華お弁当の中から、手作り料理を分けて頂いた。さらにはこのあと、今度はある夫婦から大判焼?とリンゴを頂いた。ありがとうございました!

 こうして気分よく走りながらも、でもこの予想以上の難路に気の重たく心の晴れない走行が続いた。今日は早くのんびりしたいそんな気分であった。そんなせいもあって、行けたら行ってみようかなと思っていた道からちょっと逸れたところにある教会はほとんど眺めるだけの見学で通過してしまった。なんとなく今日はやる気が生まれなかった。

中ノ浦教会
美しいステンドグラス
真手浦天主堂

 それでもどんどん北へと進み、そして上五島町市街を抜け県道170号に入った頃に大きく近代的な建物の教会が見えた。ちょうどお昼時ということもあったので、ここでそんな教会を眺めながら昼食タイム。頂いたお弁当、さすがに美味しくあっという間に食べほした♪

  30分ほど食事休息タイム後、また峠越えへと黙々と走り、そして今日の目的地のひとつ、”青砂ヶ浦天主堂”へとようやく到着した。隠れキリシタンが力をあわせて立てた歴史あるレンガ造りの教会で、そんなまわりには子供たちが走り回って遊び、時には天守堂内のオルガンを弾いて遊んでいた。そんなほのぼのとした天守堂内へと入り、ちょっとここで一休み。こうして教会でのんびりすごして、鋭気を養い、今度は有川の町目指して出発した。

上五島町の
巨大なカトリックセンター
青砂ヶ浦天主堂
天主堂内

 町までは大した坂もなかったのだが、でも今日はなんだか気力が欠けていたのか疲労だけが込み上げ、そしてなかなか進まない日であった。なんとか到着した有川の町にある綺麗だと聞いていた蛤浜で寝床の物色もかねてまた休憩。遠浅の美しい海岸が広がっているこの海辺の海水浴場には休憩所等設置され寝床としては最高のところであった。気力を失っていた今日、また読書や絵画などしたかったこともあり、ここで今日は終わりにしようかとも思ったのだが、この先の頭ヶ島教会までは当初から行こうと思っていたところなので、他は妥協できてもここだけは妥協したくない。あとあと後悔したくなかったことから、気を入れなおして出発した。寝床はここを第一候補としてチェックしておいた。

 この先の約10kmの道のりは全てピストンとなることもあって、帰りもこの坂を越えないといけないと思うさらに気が重くなる。それでいて、坂のほうは今までこの島の中ではでもっともアップダウンが多いから辛くなる。清んだ青い海輝く景色だけは最高であったが、ただもう空しさだけが流れた。そんな辛いときに、ある女の子達が声を掛けてくれた。もちろん彼女らは車での観光だ。こうして声を掛けてくれるのが嬉しかったが、今の自分では笑顔を作るだけが精一杯でまだまだ元気を取り戻すことが出来なかった。だが、このあとも何度か偶然にも彼女達とすれ違ったり会ったりした。だんだんの顔がほころんでは来たが、最初の気の重い時での出会いをいつまで引きずっていたのか、ちょっと話しづらく感じてしまい、最後まで作った笑顔の素っ気ない雰囲気での会話だったかもしれない。この感じが伝わっていたかと思うと申し訳ない。でも、彼女達のおかげで元気を貰うことが出来た。ありがとう♪そしてごめんなさい。

 ”龍馬ゆかりの地”という碑が建つこの地は、亀山社中の船がこの沖合いで難破した地であった。なんとなくいいイメージを持ちそんな”ゆかりの地”という碑文であったが、悲惨な内容の碑であっり同社の多くの同志がここで命を落としたのだが、龍馬自身はこのとき療養中で乗船していなかったそうだ。この難破船の舵取り棒はこの公園内に復元された物が展示してあり、そこには個人所有品を借り復元しました。書かれており、その個人所有者はすぐに分かった。ここへ来るすぐ前の一軒宿の看板に大きく”舵取り棒展示中”書かれていたからだ。

蛤浜海水浴場
美しい五島の海
坂本龍馬ゆかりの地
「頭ヶ島天主堂」(書き途中です)
 そんな道草をしながら頭ヶ島教会を目指した。なんども峠を越えてそして下りては走り、そして地図上ではいつ現れてもおかしくないところまで来ているのだが一向に姿を現さずひたすら上り坂が続いた。これを登りきったところに・・・ っと思いながら必死でこぎ進むと、”あと1000m”という看板が、その先の道は急な下り坂が続き、疲労のせいかそれがまるで崖のようなに見えた。さすがにこれを自転車で降りる気にはなれず、ここで自転車を置いて歩くことにした。歩くと案外気が楽なものであり、またよい気分転換にもなった。湾を挟んだ対岸には飛行場が見え、こんな入り組んだ地形だけに山腹を切り開き、土砂で積み上げたりして、かなりの費用をかけただろうと思われる姿が伝わってくるそんな山上にある飛行場であった。

 この下り坂には途中いくつかシュートカット用の山道が作られていて、そのおかげでかなり快適に下りていくことが出来た。こうして苦労の末に到着した頭ヶ島天主堂は、やや小ぶりな教会ではあったが、珍しい石造りのせいかどっしりとした重みがあり、漂う静けさが苦労を癒してくれた。教会内でしばらく休憩後、この静かな教会を描いて見ることにした。もう16時をまわってしまっていたが、小さく描けば間に合うだろうと描き始めたが、時間は嘘のようにあっという間に過ぎて18時・・・ それだけ集中していただろうし、また面白くもあった。そしてこの”絵を描く”という時間のおかげで先ほどまでの気の重さ、疲労感、何もかもが消滅し、ただ清々しさだけが残っていた。ちなみに絵の方は残念ながら彩色まで持っていくことは出来なかったが、それでも満足いく時間を過ごすことが出来たと思う。

 まだ有川までの長い帰路がまっていたが、この帰路は驚くほど早くそして楽に走破することができ、また走っているのが楽しいほどでもあった。やはり気の持ちようというのは大きい。こうして戻ってきた有川のスーパーで今日も半額パンや格安商品を見つけて、寝床と決めていた蛤浜海水浴場へと入った。電源が取れず、また照明がどこにもないという欠点はあったが、静かな快適なところで、ちょっと豪華にマーボー豆腐を作って夕食とし、そしてHPの更新作業へと入った。そして就寝前にはちょこっと読書まで楽しんで22時半ごろ就寝した。

頭ヶ島天主堂内
夕焼け
豪華な夕食?!




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