出発して7ヵ月半、とうとう日本の最西端の地へ立つ時がきた。未だまだその日が来ることが信じられないまま、今朝を迎えた。6時半起床。今日はテントを撤収しなければいけないため、朝から慌ただしい。荷物をまとめながら朝食の準備。朝食はちょっと手を抜いてチキンラーメン。でもその中には昨日買ったジャガイモをたっぷり入れたちょっと豪華ラーメンだ。大きなジャガイモが一つ分入れただけあって、これが意外にお腹が膨れ、最後まで食べるのに一杯一杯なほど。最初は足りないかな、っと思いご飯まで炊こうと思っていたのだが、ほんと炊かなくてよかった。
テントを片付け終えて、出発したのが、8時半。そして港には9時前には到着した。出航は10時なのでかなり早い到着だが、やりたい事がひとつあった為にこうして早く来たのだ。それは、もちろんこの日記を書くこと。昨日も日記書けずじまいだったので、待合室で必死に日記を書きながら、久しぶりにAirH(PHS)圏内ということで、いままで出来なかった重い画像がアップをした。
だが、その溜まった画像量が多すぎて、すべてをアップできないまま船は出航。日記の法は船内で最後少し書いてなんとか書き終えることが出来た。あとは船内では読書したりして過ごしていたが、やはり睡魔に襲われて仮眠・・・ また読書と言った感じで約4時間の航海を過ごした。
窓の外を見ると、最低端の地「与那国島」の姿がすでに現れていた。船から見ると意外に島は大きく、隆起も激しく見えた。そんな島でどんな出会いがあり、旅になるかワクワクしながら、14時過ぎに船は寄航し、最西端の地へと降り立った。
最初に何処へ行こうか?これが一番の問題だった。この港から見上げることが出来る最西端の地へいきなり行こうか、それとも島を周遊してから最後に行こうか、と迷いに迷った。どっちかというと美味しいものは後にとっておくタイプなので後にしようかと最初は思っていたのだが、でも、明日にすると、荷物を宿orキャンプ場に置いて空荷の走行になる為に、その姿での最西端はちょっと寂しく思えた。どうせなら、いつもの荷物満載のこの姿で行きたい!その重いが強く、このまままずは最西端を目指すことにした。
と、その前に腹ごしらえ。ちかくの商店に立ち寄っていろいろ探すが、どれもこれも高い・・・ その中で唯一お腹が溜まりそうで値段もそこそこだった、焼き芋を1つ買ってそれを昼食代わりとした。こうして腹を満たして、いざ最西端の地へ!もう、ここから見える位置にあるのだが、意外にそこまでの登ること登ること、荷物満載の為にちょっとした坂がきつい。最近の空荷に慣れてきてしまったせいもあるだろう。でも、最後の最後は降りたくないので、キツイ坂を登りきり、さらには遊歩道も漕いで登って、最西端の碑の前まで頑張って登りきった。
それだけでもう大汗をかいていた。そんな疲れからか、すぐに最西端の地は来たという実感がわかず、とりあえず汗が引くまでその地をフラフラ散策。果ての島ではあるが、ここだけは引っ切り無しに観光客が訪れて賑やかであった。そんな観光客が少なくなったのを見計らって、さっそく記念撮影。やっぱりここでは、いままで一緒に旅をして、苦労も共にしてきた自転車と一緒に写真を撮った。
海を眺めて、この先にはもう日本ではなく、自分がもうこれ以上、西へと行かなくてよいことを実感した。今までただ西へ西へと来たが、これからはようやく東へと進むことが出来る。不思議な感じだ。そして今までの苦労、出会いなどの出来事が込み上げ目頭が熱くなった。
天気のほうは久しぶりに良かったが、残念ながら霞かがり、台湾までは望むことが出来なかったが、でも、この最西端の地が嬉しくてたまらずに、なかなか離れることができなかった。そんな思いから、もう今日は一日ここに居ようと決心し、そしてこの灯台をスケッチしてみることにした。今回はいつもよりも心が落ち着いていたのか、雑にならずに丁寧に書くことが出来た。時間はやや掛かってしまったが、それなりに満足いく絵がかけてきたと思う。だが、最後まではとても書けなかった。日が傾き始め、このまま暗くなる前に寝床を探さなくてはならない。ほんとはこの場所にずっと居て、最西端の夕日を見たかったが、涙を飲んで寝床探しへと出かけた。
石垣でキャンプしている方から”比川浜”ならOKだよという情報を得ていた。ちなみにこの島は前面キャンプ禁止で、その浜もゲリラキャンプすることになる。やや不安はあったが、そこしか当てがなく、牛が車道をあるく牧場を抜けて、その比川浜へと目指した。
約30分ほどで到着し、他にキャンプ者がいることを祈りながらその浜を堤防から覗きこんだ。やっぱりその方が心強いし楽しいからだ。最初は誰もいないのかと思ったが、よくよく見てみると奥の浜の方に2張り、並ぶように張られていた。自分もその辺りで張ろうと思い浜を散策。確かにこの場所は静かなところで、よいところだが、欠点は水、トイレがないことだ。そして浜で強風に耐えながらの設営となる。さすがに2000円払って素泊まり宿にするか迷ってしまったが、でも、やっぱり勿体無くて、少々不便と不安はあったが、この場所とした。
そうと決まればさっそくテントの設営。そして全ての荷物を3往復してテント内に運び込む。ほんとはここで荷物整理等しながら、のんびり過ごしたかったが、すぐに自転車にまた飛び乗って漕ぎ始めた。目指したのは、また 最西端の地である。やっぱり日本最後に沈む夕日が見たかったからだ。さらにこの快晴と、条件も完璧だ。この日意外に見る時はないと思い、日が沈む前にと夕日めがけて必死で同じ道を引き返した。
なんとか日が沈む前に岬へと到着。あとは、日と、それを照らす海をを眺めながら、海に沈むのを待った。でも、そんな期待とは裏腹に、だんだんと地平線には雲が広がり始めてしまった。そして残念ながら雲へと沈む夕日となってしまったが、それでも自分にとっては大満足の夕日であった。沈んでからもいつまでも見続けていた。ちなみに雲に沈んでいったのは18時40分頃だった。
帰路は薄暗くなりつつ中をのんびりと走り、さきほどの浜へと戻った。浜へ降りたのとほぼ同時に、先に張ってあったこの2張りのテントの方が帰ってきた。共にライダーで、同じフェリー内で知り合ったという。そしてさらに祖内(北側の集落)で泊っている女の子2人を連れて帰って来た。聞くと、みんなそれぞれ一人旅で、そして偶然知り合い、こうして今夜みんな一緒に鍋をやろうという話になったらしい。「一緒にどうですか?」と誘ってくれたのもあり、一緒に鍋を突っつくことに♪こうして楽しい夜は始まり、そして美味しい鍋を頂いて、話も弾んだ。満天の星空の元、0時過ぎまで語り合い、そして1時近く、遅い就寝となった。ありがとうございました♪