車輪人の自転車日本一周・登山の旅 車輪人の自転車日本一周・登山の旅

2003年 2月1日 (土) - 209日目

天気 :

体調 : 良好

宿泊地 : 徳之島町・徳久さん宅

本日の移動 : 徳之島町(畦浜)~天城町~伊仙町~徳之島町(徳久さん宅)

走行距離 : 43.5km

累計距離 : 8,525km
本日の出費

食費 : 500円

観光費 : 0円

宿泊費 : 0円

雑費 : 3500円

費用詳細 : 雑費:自転車修理代×2

現在地 : 鹿児島県徳之島  ( 全走行図 )

波乱万丈

 波乱万丈というべき喜びや苦しみと波のほんと激しい長い一日となった2月初日だった。そんな今朝は6時半に起床してまずは朝食準備。天気予報では昨夜遅くから雨という予報だったが、まだ雨は降り出してはいなかった。今日も一日なんとか降らずに持ってくれればうれしいのだが・・・ っと思いながら食事を済ませて出発準備を整えた。

畦浜キャンプ場にて
 一応警戒して先に雨具を着、自転車のザックカバーなども取り付けて雨対策を施して、いよいよ出発だ!っというとこに、恐れていた雨が降り出した。小雨ならまだよかったのだが、すぐに本降りへと変わっていった。さすがにこの雨では出発する気も失せてしまい、小雨のなるのを待つことにした。もう、このまま止まなければ連泊?そう思ってしまうほど雨は本格的に降り始めてしまった。

 のんびりした時間がながれたが、でも、時折、強風のために雨がこの自炊場まで入り込み、その度に濡れてしまい、その面ではあまり快適な場所とはいえなかった。止むのを待って読書すること1時間半。10時頃になって、ようやく雨は小雨になり、空も少し明るくなりはじめた。それを見計らって出発した。

 最初の目的地は、島を横断して元の入航した平土野へと戻り、その少し先の景勝地「犬に門蓋」を目指したのだが、またすぐに雨は本格的に降り出し、結局、雨の中の辛い走行となってしまった。でも、まだ暖かいだけに助かる。これがもし寒い本土だったらとてもこんな雨の中走れないだろう。靴もサンダルで雨の走行も気にすることないために楽である。

 こうして雨の中、小さな峠を越えて、もとの平土野へと戻り、そこから南へ少し走って「犬の門蓋」へ到着。その頃には嬉しいことに雨も小雨と変わり、こうして写真撮影もそれほど苦にならずに出来たのが嬉しかった。ちなみにこの景勝地、その断崖絶壁と奇石、下記写真はごく一部で予想以上の面白い展望がそこにはあった。

小雨降る中、犬の門蓋
犬の門蓋・メガネ岩
犬の門蓋・メガネ岩

 そこ景勝地を後にして今度はさらに南に下ったところにある「犬田布岬」を目指した。ここはただの岬とはちょっと違って、この沖で戦争末期に沈没した戦艦大和の慰霊碑がここには建っているそうで、その大きさがなかなか見応えあるそうだ。またそんな歴史や思いも知りたかった。

 小雨が降ったり止んだりする中、必死でアップダウンを越えていると、ある一台の車が先で私を待っていてくれた。そして手渡してくれたのが、高級長崎カステラだった。こんな高価な食べ物を・・・ ありがとうございました!さらに餞別まで手渡され、そして名前を聞く間もなく、早々と去って行った。お話できなかったのは残念だが、この甘いお菓子がほんと嬉しかった。

 時刻もちょうどお昼頃とあって、ちょっとした公園でこのカステラを勿体無い気もしたが、昼食変わりに食べることに。さすが美味しい事!この島、スーパーなどほとんどなく、あっても小さな個人商店で昼食の購入に困っていたときだけにこのカステラがほんと嬉しかった。

 こうして力を付けて再出発!調子よく自転車を漕いで距離を軽快に伸ばしていると、リヤタイヤから「シュパーッ」っとものすごい音と共と同時にタイヤはペチャンコに・・・ もしや、この前に修理した箇所(タイヤが裂けた所)が悪化したのかと思って、恐る恐る小雨降る中、パンク修理に入ったのだが、どうやらその箇所は大丈夫そうだった。ホッとして通常のパンク修理に入った。チューブが1cm近くに裂けていて、ちょっと変わったパンクだな、チューブの退化かな、っと思いながら修理して、手を真っ黒にしながらも何とか修理を終えた。

 よし!改めて気合を入れなおして再出発しようと漕ぎ始めてすぐ後ろから異音が・・・ まさかと思いリアタイヤを見てみると、なんとタイヤのリム接触部が裂けて、そこからチューブがはみ出しているではないか!!もう修理不能な状態であった。でも、この先、町まではかなりの距離があり、そこまで押していくこともさすがに出来ない。少しでも走れるようにならないかと、応急修理を試みてみることにした。パッチ(修理用ゴム)を、その裂けたタイヤの両面、外から内から貼り付けて、強化し、さらにはチューブ側にも同箇所にパッチを張って、飛び出てこないように強化して、下記写真のように醜くはなってしまったが、これでチューブが飛び出してこないことを祈りながら慎重に空気を入れていった。

 そんな時にある軽トラックのおじさんが声をかけてくれた。実は最初の修理の時も声をかけてくれ、「よかったら、ガススタまで載せてくか?」っと言ってくれたが、その時はまだ通常のパンクだと思い、笑顔で「大丈夫ですよ!ありがとうございます。」っと答えたのだが、しかしこの状態でまたパンク修理・・・ まだ直しているのを見て、こうしてまた声をかけてくれたのだ。こんどはさすがにどこまで走れるかも全く分からないだけに、お言葉に甘えてお世話になることにした。

 名前は「足田」さん。わざわざ自転車店を探して、また電話で在庫を確認したりと、いろいろ足を運んで頂いて、そして在庫のあった伊仙町の「YOU SHOP MORI」まで載せていってくれた。ありがとうございました!助かりました♪

 こうして助けられて、そして「MORI」でも暖かく迎えてくれ世間話をしながら、こんな時にも関わらず、こうして地元の方と話ができ、知り合えて意外に楽しい時間を過ごすことが出来た。そしてタイヤはバリバリの新品ロードタイヤに変わって気持ちよく再出発!ほんとうにお世話になりました。ありがとうございました。

頂いた長崎カステラを頂く♪
タイヤが裂けて応急修理
お世話になった自転車店
「YOU SHOP MORI」

 パンクから開放され、気持ちよく島内周遊に向けて走り出した。このパンクトラブルにより犬田布岬へはいけなくなってしまったが、でも、新たな気持ちで走り始め、そしてすぐ近くに歴史民族博物館へと立ち寄った。料金は嬉しいことに無料。その小さな館内には所狭しと剥製をはじめ、農機具、武具、そして目玉の本物の弥生時代の人骨・・・ さらには戦艦大和に関する資料までと意外に豊富。そんな館内を充分楽しんで後にした。

 また気持ちよく走り出したのだが、でも、先ほどのパンクからリヤの変速機がスムーズに行かなくなってしまった。そんなことから微調整しつつ走っていると、また島の方に声をかけてくれ、そして今度はなんと手作りの島名産品「黒砂糖」を頂いた。ありがとうございました!そんな嬉しいことも多々ありながら、また走り出しと、今度は突然、「ブチッ!!」っと・・・ それはリヤの変速機のワイヤーが切れた音だった。変えのワイヤーもなく仕方なく、フリーの状態であるトップ(高ギア)の変速でこのさき自転車店までまた必死にはしることになった。どうも今日は自転車運がないらしい、それもこんな離島で・・・

 次の町まで、っと必死に重たいペダルを漕いでいたのだが、今度は突然大雨が迎えてくれた。あまりの豪雨にたまらなくなって軒下に避難。そこで20分ほど雨宿り・・・ その間にもどんどん時間は過ぎていき、日はすでに傾きだしていた。

 まるでバケツをひっくり返した様な大雨だったが、じきに小雨へと変わっていき再出発。小さなアップダウンを越えて、この島最大の町”亀徳”へと無事に入ることが出来た。そして迷わずそこで町の人に聞きながら自転車店へと駆け込んだ。

 教えて頂いた自転車店は「モトショップ東」この店主も話しやすい方で、いろいろ島の話を聞かせてもらった。こんなトラブル続きの日ではあったが、でも、こんなたくさんの出会いもあり、その面では楽しい一日となった。無事にワイヤー交換も終えて、そしてのんびりジュースをご馳走になりながら楽しい会話♪でも、もう18時前、日が暮れる前に寝床へ行かなければ!ちょっと慌ただしくなってしまったが、会話もほどほどにして出発した。ありがとうございました。

伊仙の歴史民族博物館
博物館内の人骨
さらにお世話になった
自転車店「モトショップ東」

 今日の寝床は、実は今日「新聞を見たよ」っというこの徳之島在住の方から「よかったら寄っていってください!」っと嬉しいお誘いを頂き、そしてお言葉に甘えてお世話になることになったのだ。そこはこの亀徳よりも少し北にいったところにあり、そこまでは小さな峠をひとつ越えることになる。でも、ギアも直り低速までしっかり入ることもあり、今度は快適に登りきって、そして下りでは、大きな製糖工場を見ながら気持ちよく下って行き、そしてお世話になる”徳久”さん宅のある井之川の集落へと入った。着いたら電話しますという連絡方をとったのだが、だが・・・ ここはau携帯圏外、なんとか電波の届く場所を探して電話を入れるが、やっぱりすぐに切れてしまう。仕方なく公衆電話を探してウロウロしていると、それを察した徳久さんが探しに着てくれた。こうして無事に会うことが出来て、ご自宅へと案内してくれた。

 小雨の降る中で、濡れていたこともありまずはお風呂へと案内してくれた。身体の心まで温まって、そして夜は、親族みんな集まって賑やかに夕食。今日は旧正月とあってご家族みんな集まったそうだ。そんな時にお邪魔してしまって迷惑ではないかとも思ったが、でも、みんな温かく迎えてくれ、島の名産料理尽くしで、そして楽しい島の話を聞きながら楽しい夜は更けていった。

製糖工場
お世話になった
徳久さんご家族と♪

 ずっと飲めずにいた名物黒糖焼酎をいただいて、気持ちよく酔い、そして会話し、子供達とも遊び、そして23時半頃、温かい布団で就寝した。

 今日はこんな雨でさらにトラブル続きの日であったが、でも、たくさんの島の方々に助けられ、そして島の話を聞き、親しみ、あるいみ、とても良い日でもあった。そして観光地化されていない、この静かな、そして暖かい島が本当に好きにもなり、また必ず訪れたいっと思った島であった。ちなみに島民同士の会話になると方言ばかりで、何一つ内容が分からない状態であった(汗) でも、そんな方言、文化もまた島の魅力でもあった。今、そんな方言も島では失われつつあるという。でもそれを大切にしていこうと、学校ではその方言を教える授業があるという。そんな島を文化を大事にする島の姿勢にも魅かれた。




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