落ち着かない、そして時間に追われてしまう一日だった。ただ唯一朝だけはのんびりした贅沢な時間が流れた。起床は6時頃、まずは昨夜買っておいたパンを食べながら日記を書く。8時ごろようやく書き終えて、テント撤収へ。そして出発!っと思ったら1つ忘れていたことを思い出した。それは、前輪がパンクしていたことだ。昨日、雲辺寺を下山後に、空気が少ないのに気づいたのだが、その時は、直す気力すらなく、ただ空気を入れるだけで騙し騙し走っていた。そのため、今朝起きたときにはもうタイヤはペッチャンコ・・・ 仕方なくパンク修理をして、ようやく9時頃に出発準備を完了した。国方さんも朝はのんびりするタイプだそうで、ほぼ同時刻に荷物をまとめ終えた。そして二人で、前の公園広場で行っているヨガ体操をバックに記念撮影。そして固い握手を交わし、お互いの旅の成功を祈ってそれぞれ出発した。その別れぎわに、なんと昨日作ったという、お守りをくれた。こんな残るものは、ほんと嬉しい♪それを見るたびに力が出るからだ。ありがとうございました。こうして、宝物がまたひとつ増えて出発した。
まずは、この泊った琴弾公園を散策。昨夜、上から眺めた銭形を下から見てみたり、または松原でも有名で、白砂の砂浜としても有名な有明海岸を散歩。そして9時半過ぎにようやくお遍路の旅へと出発した。まずはすぐ近くの70番・本山寺、立派な五重塔が建ち、ここでまた国方さんと会えるかなと思ったが、残念ながら会うことはできなかった。そして次の71番・弥谷寺は十数キロ離れている。道中、小さなアップダウンを繰り返しながら、歩道もなく、また交通量の多い国道11号恵をひたすら進む。そして最後、わき道へと逸れて71番へと向かうのだが、ここからの坂がきついこときついこと!途中、遍路道を発見したので、そこでもう自転車を置いて、この先はもう歩くことにした。歩いても、やはりきついのは変わらない。そして寺へと入ると、こんどは永遠と続く階段・・・ 今日はやや温かいためにもう汗ビッショリ!そんな状態でようやく本堂にたどり着き、ようやく参拝を済ませて次へと出発した。
次は、小さな峠を越えた数キロ先にある。そんな峠にも関わらずもうヘトヘト。やはり体力が落ちているのだろうか。そして暑さも今日は厳しい。季節外れのTシャツになってこの後、夕方までそれで過ごした。峠を越えて、また少し上ったところに次の72番・曼荼羅寺がある。そして次はここからさらに数百メートル上ったところにある。そこはさすがに、曼荼羅寺に自転車を置いて歩いて向かった。こうして73番・出釈迦寺を参拝して、また次の霊所、74番・甲山寺へと進む。ここは下りだけで着けたので楽だった。
ここら辺りはお寺が密集しているために、参拝が連続する。そのため、距離は進んでないのに思わぬ時間を食ってしまう。とくに71番・弥谷寺だけで、徒歩も含め1時間以上もかかってしまった。そのため、今日の予定がだんだん苦しくなってきた。こんな街中で野宿するところもなく、どうしても今日は道の駅・うたづ海浜公園までは行きたい。そしてその途中の遍路は全てすましたい。そのためには最低でもお寺は17時までに周らなければならない。そう納経帳の受付がその時間までだからだ。ちょっと駆け足でこのさきも進んだ。
もう、とっくにお昼をまわっていたが、まだ昼食はとっていない。落ち着いてとる気にもなれなかったし、だいいち、よい食べ所がなかったためだ。こうして向かった善通寺。ここもさきほどの甲山寺から近く、すぐに到着。広い広い敷地をトコトコ歩いて参拝。帰路、うどん屋を発見したが、もう次に行かなきゃ!という思いが強く、寄らずにそのまま次へと向かった。この次でもあるだろうと思い。
ちなみにこの次はお遍路をちょっと外れて、金刀比羅に向かった。やや上りの道を必死で漕いでなんとか14時半に到着。途中、目を引く大きな看板の”灸まんうどん”という看板が目に入りそこで食事をとろうと決めたのだが、なんとそこに限って今日は定休日・・・ ガッカリしてしまった。
この金刀比羅宮、有名な長い長い石段がある。そしてその参道の前半はお土産・飲食街が続く。仕方なくそこで食事を取ろうとおもったのだが、どこも値段が高く手が出なかった。やはりここでは観光料金が含まれてしまっているのだろう・・・ 結局、空腹のまま長い長い石段に挑戦するこに。もう、泣けてくるほど長い階段を、ツアー客の団体さんを縫うように登って行き、そしてなんとか本宮へ。階段数は765段というものすごい数だ。そしてバカなことに、せっかくここまで来たのだからと、疲れた身体を奮い立たせて、さらに登った奥社へと進んでみることにした。こんな時しかこの先、登ることなんてないだろうと思いながら、合計1368段も登って、そしてもう精根使い果たして奥社へと到着。さすがに苦労しただけに嬉しかった♪そしてなんかいい事ありそう♪っとバカなことばかり考えながら、本宮以降は誰も居なくなった参道を下山へとむかった。
下山し終えた時にはもう15時40分!急いで出発しなければ間に合わない!もう必死になって往路を進むが、あまりの空腹に途中で挫けそうになる。そのため、エネルギー補給とコンビニで小さなお弁当を買って急いで食べた。そんな時に、会社の休みを利用してお遍路をしている、大坪さんという方に声を掛けられた。とても話しやすく、楽しい方で会話が弾むが、でも、時間が・・・ そしてなんと餞別を頂いた。ありがとうございました。またのんびり話せなくてすいません。でも、ほんと悔しい~ そう思いながら、また必死になって自転車を漕いだ。そして、16時20分に、76番・金倉寺に到着!参拝を急いで済ませようと、駆け足で向かうと、なんとここで、竹吉さんと再会!徒歩のお遍路さんなのだが、根室、高知と会って、もうこれで3回目だ!こんな偶然の出会いがとても嬉しいが、でも時間がない・・・ 彼も、できれば次の77番までまわりたいと言うことで、そこで落ち合おうと、先に走って出発していった。私も急いで参拝。でも、しっかりと、いつもの作法はしていく。これは自分でやろうと決めたことだから省略はしたくなかった。そして最後に納経帳に朱印してもらい、そして今日の最後の霊所、77番・道隆寺へ向けて急いで走った。
途中、徒歩の竹吉さんに追いつくかなと思ったが、道が違ってすれ違うことなく、先に道隆寺へと50分ごろ到着。すぐに納経所へ行き、もう一人遅れてくることを伝えると、17時過ぎまで開けてもらえることに♪そして竹吉さんの到着を参拝しながら待ったが、参拝が終わってもまだ到着しない。心配になって、迎えに自転車を走らせた。だが、どの道で来るのかわからない。そのため、辺りをうろうろ走っていると、おっ!竹吉さん発見!道を誘導しながら道隆寺へと17時10分ごろに到着した。もうすでに日は落ちて暗くなってしまっている時間だった。やや遅れて納経所で朱印を済ませた。そしてなんと、私たち二人のために、缶コーヒーと和菓子をその納経所でお接待してくれた。疲れた体だっただけに、その甘い和菓子がさらに美味しいこと!ありがとうございました。
こうして寺のベンチで再会を喜びあいながら、のんびり休憩し疲れを癒して、そして18時過ぎにトコトコ歩いて、今日の寝床予定である、道の駅・海浜公園へと向かった。道中はお互い歴史好きとあって、それらの話に盛り上がった。そして途中、豪華にもこの旅初のファミレスに入ってのんびりと過ごした。ドリンクバーを腹いっぱいまで飲んで、そして21時半ごろ、また道の駅に向かって歩き、そして22時過ぎに無事に到着。それからよい寝床場所を探してテントを張り、落ち着いたときにはすでに23時過ぎだった。それから急いで写真を編集したりして、寝たのは0時をすでにまわった時間だった・・・