車輪人の自転車日本一周・登山の旅 車輪人の自転車日本一周・登山の旅

2002年 4月14日 (日) - 出発前準備

日本一周 出発 : 85 日前

天気 :

体調 : 疲労大

発信地 : 自宅

本日の自転車移動 : なし

自転車 走行距離 : 0.0km

出発前の累計 : 71.0km

金峰山・瑞牆山登山

 車の中で寝袋に入って寝ていた私は携帯の目覚ましで目覚めた。時刻は朝の5時である。寒くもなく思ったよりも快適に眠ることができた。さすがー15℃まで対応の寝袋である。シェラフカバーも使うことなく朝方は少し暑くてチャックを開けたほどである。これなら冬季の自転車の旅にも安心して使っていけると安心する。

 眠い目をこすりながら登山準備をするが、眠くて体が思うように動かない。半分、体が寝ている。車窓から外をのぞくと何人かの人が登山準備をすませ登山に向かっていた。刻々とあたりは明るくなってきていた。私もようやく準備をすませ出発した。思ったよりも寒くはない。それほど冷え込まなかったようだ。車は十数台止まっているがほとんどは誰も乗っていない。前日より山に入り山小屋に泊まっているのだろうか。ちなみに今日の山行予定は金峰山の登頂である。さらに時間と体力に余裕があれば、瑞牆山にも登りたいと思っている。

 いよいよ今年初の登山のスタートだ。去年の登山で傷めている膝には、今回からサポーターを付けての登山である。前にも書いたが去年の十数回の登山の疲労で膝を痛め、オフシーズンの冬場の休養ですっかり直っていたものと思っていたのだが、前回の浜名湖一周の自転車走行でまた膝を痛めてしまっていた。一日二日で痛みは消えるが、再発が不安のために、膝にサポーターを付けている。痛めているのは左膝だが、それをかばって右膝にも負担がかかるために、用心して両膝にサポーターを付けている。サポーターを付けるのは初めてでやや歩きにくく、また膝を上げにくいが、しっかりサポートされていて安心感がある。膝がこれ以上悪化しないことを祈りながら登り始めた。

 時刻は5時40分である。雲はなく天気はよさそうだ。あたりに人影はなく登山口を慎重に確認し登りはじめた。やはり今年初めての登山ということもあって、すべてに対して慎重になる。少し緊張した足取りで登りはじめるとすぐに息が上がる。まだ登り始めたばかりなのに早くも息が上がり先行きが不安になる。また、日々の運動不足を痛感する。徐々に斜度はきつくなり、体も熱くなってきた。半そででもよいくらいだ。このあたりには全く残雪は見られず、この暖かさでは山頂付近にもほとんどないのではないかと、不安な雪渓歩きがなくなるぶん嬉しいような、がっかりしたようなそんな気持ちで標高をあげていった。

  6:15には富士見平小屋、6:50には大日小屋と順調に標高を上げていった。ある程度の急登があっても、なだらかな上りが間に挟んでの登りであり、思っていたよりも順調に歩を進めていった。最初は息が上がってしまい辛かったが、登山に慣れてきたせいかそれほで呼吸の乱れはなくなった。このあたりから登山道に残雪が残り、氷も張っていたが、歩行にはまったく問題ない程度だった。

瑞牆山荘
増富登山口
富士見平小屋

 大日小屋を過ぎると徐々に登山道を氷雪が覆いだした。さほどの斜度もなく、日に当たる場所には全く氷雪はないため、踏み場を選びながら先に進むと、だんだん斜度がきつくなり、一面の氷雪へと変わっていった。最初はこの日陰の部分だけかなと甘く見て、そのまま突き進むが足元はすべり木々の支えがなくては登れない状態だ。さすがにアイゼンを付けることにした。初めての装着だが自宅で装着してみたために、すんなり付けることができた。すでに登山道は氷雪というより、スケートリンクのような状態で、そんなところへ初アイゼンの一歩を踏み出した。予想以上の食いつきに驚いた。これほどまで効果があるものだとは思わなかった。ここから先はアイゼン歩行に気をつけながらも、氷雪歩行を楽しんだ。大日岩までは氷に覆われた登山道で、さらに急登が続くがアイゼンのおかげで難なく登ることができ、足に気を配るせいか、疲れも忘れてしまい、少しワクワクしながら楽しく登ることができた。

大日岩
大日岩後の登山道
瑞牆山
左奧が金峰山

 7:20 大日岩到着。ここから尾根沿いの登山道となる。雪の状態も変わり、氷から雪へとなった。林間の登山道を登ってゆく。積雪は30cm~50cmといったところだろうか。雪は硬くなっていて、足が深くもぐることもなく思ったより快適に登ることができた。尾根の林道を抜けると急にあたりが開け見晴らしがよくなり一望することができる岩場に着く。ここからの雪化粧した金峰山の眺めはとくにすばらしかった。残念ながら靄が出ていたために富士山や南アルプスは望めなかったが、八ヶ岳はなんとか望むことができた。ここからは南方が崖、北側がハイマツが広がっていて気持ちがよい。山頂の目印でもある五丈岩がみるみる大きくなっていく。登りはそれほどきつくはない。積雪は増し1mはゆうに超えていそうだが雪は硬くもぐることはない。

左奧が金峰山
五丈石
五丈石
金峰山山頂

 9:00 とうとう金峰山山頂だ。ここまで何人かの登山者にであったが、山頂には私一人である。あたりは静まり返り山だけである。気持ちがいい♪ 展望は靄のために遠くまで見渡せないが、それでも雪景色のなかの山々美しかった。また瑞牆山もどうどうとした山容を見せてくれていた。しかしここにきて今まで風もほとんどなく温かかったのが、冷たい風が吹き出し寒くなってきた。寒くなってきた私は早々に下山することにした。もちろん予想より早く登頂できたために瑞牆山の登頂も考えての行動である。

 10:15 大日岩、10:50 大日小屋と慎重に氷雪の登山道を下山する。途中数人の人とすれ違うが、半分以上の人がアイゼンを持っていなく悪戦苦闘していた。だれもが、今年はあったかいのにこんなに雪がのこっていたとは・・・ と口にして登っていたが、アイゼンなしで登ってくるのがすごいと思い、いったい帰りはどうするのだろうと心配しながら後にした。中高年者の無謀ともいえる登山が多いことにビックリし、また遭難や事故が多いのもうなずけた。

 11:30 富士見平に到着。ここから下山方向と瑞牆山方向との分岐となる。12時までにここに来れたら瑞牆山にも登頂しようと考えていたので瑞牆山登頂へと向かう。最初はアップダウンしながらの登山道で軽快に進んだが、沢へ向けて大きく下りだした。帰路のことを思うと足取りが重くなってしまう。沢へ降り立つと、そこからは急登に変わる。それも気を抜けるところもないひたすら岩場の急登であり、息も上がる。金峰山以上に辛い。登山道には雪はほとんどなくところどころ窪地に氷が張っている程度だった。 ただ登りがきつい登山道だ。日に2山目とあってか疲れも増し辛さが倍増する。休憩の頻度も増した。疲れがピークの頃に大きな岩にたどり着いた。ほんとに大きい。先ほど登った時に見た大日岩や五丈石も大きかったがこれも大きかった。細く高い岩なので他の岩と比べてより高く見えて風格もある岩で思わずシャッターを何枚か切った。それを見て元気を少し取り戻し先を急いだ。山頂へは北から回り込んで登頂することになるが、北側へ出てとたんに山道は雪景色へと変わり驚いた。アイスバーンにはなってなくアイゼンを付けることなく進むことができたが、最後の登りでアイスバーンとなっていて、また登りもきつかったが、山頂が見えているだけにアイゼンを付けるのが面倒でそのまま木々に捕まりながら登頂することができた。

  時刻は13時10分。山頂にはまったく雪はなく青空が広がっていた。また風も穏やかで温かい。景色は残念ながら靄がでており、遠くの山までは望めなかったが、雪景色の金峰山の山容が美しく、また瑞牆山の岩々も美しくまた迫力もあった。人は予想以上に多く十数名の人が昼寝をしたり、食事をしたりと山頂を満喫していた。 私も軽食をとりながら山頂を満喫した。金峰山山頂と違って暖かく気持ちがよい。ちなみに食事は登山中の小休止のたびに、おにぎり一つ食べるといったぐあいに済ませてきた。

瑞牆山
大ヤスリ岩
大岩
山頂より大ヤスリ岩
山頂より遠く八ヶ岳
山頂より
金峰山

 帰りの時間にも余裕をもって下山したいため、13:50に下山へと向かった。最初の氷場の下山は距離は短いが、それでも危険なのでアイゼンを付けることにした。やはり安心して下山することができる。南へ回り込むと雪は全くといっていいほどなくなるのでアイゼンを外す。そこからは急な岩場の下りとなり慎重に下る。距離はそれほどないために登りと違いあっという間に沢まで下りきった。そこから少し上りになるが、思っていたよりもすんなり登りきることができた。後は緩やかな下りが続き15:10に富士見平に到着。

 後は瑞牆山荘までの下りを残すのみだ。最後の力をふりしぼり、15:50に無事下山することができた。さすがにくたびれ、車に戻ったとたんに疲労がではじめた。少し頑張りすぎたというのが感想であった。初登山での足慣らしのはずが、日に2山とがんばってしまった。その代わりに雪上歩きの経験と、少しであるが自信も得られた。そしてすばらしい景色も満喫できた。やっぱり山はいいなと改めて山のよさを味わった山行だった。心配していた膝の方はサポーターのおかげか、若干の違和感は感じたが痛むことなく下山することができよかった。

 ちなみに本文中には触れなかったが、金峰山の登頂の途中、休憩中に話した50歳くらいの年配の方とそれから山行を共にすることになり、いろんな山の話などをしながら、金峰山登頂、瑞牆山登頂と共にした。そのおかげで登山中に疲れを癒すことができ、また楽しい登山にもすることができた。こんな出会いも山の楽しさのひとつである。

 話は戻って、下山後、軽く着替えをすませて帰路についた。少し走ったところに増富ラジウム温泉とい日帰り温泉浴場がある。来るときに目を付けていたところだ。さっそく疲れを癒すために寄ることにした。温泉場は綺麗なところで建物も新しく、、また設備もととのっていてよいところだった。料金の方は一般700円と少々高めだが、その元を取るために存分に温泉を満喫した。約1時間半の温泉タイムをすまし帰路に向かった。帰宅したのは、途中で仮眠したため少し遅くなってしまい23時半になってしまった。帰宅してからは、かたずけ等を軽くすませて寝ることにした。時刻はすでに1時をまわっていた。




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