やはり連休とあって旅行者が多い。そんなこともあって、今朝は他にもいろんな方に声をかけられた。そしてちょっと話しただけなのに、選別にとまたお金を頂いてしまった。やっぱり押しが強くて断りきれなかった。でもその気持ちが嬉しい。ありがとうございました。
そんな、嬉しくも、そして慌ただしくもあった朝であったが、無事7時に登山へと出発!登山といっても登山口まではここから3kmほど先で、その母公堂までは自転車で行く。そこへ自転車を置いて、7時20分、いよいよ出発だ!まずは大峰大橋に向けて車道を歩く。そして40分にその大橋へ。そこには小さな神社が建ち、また女人禁制の門も建っていた。いかにも聖域といった感じだ。ちょっと緊張した面持ちで門を通過する。
修行道というよりは遊歩道といった感じの整備された道を登っていく。その登りもさほどきつくもない。距離はあるがゆっくりと登っていくので思っていたよりは楽に登っていけた。そして一ノ世茶屋・一本松茶屋と小さな茶屋を過ぎていく。残念ながらすでにこの山は9月の下旬で閉山して、茶屋もすでに閉まっていた。ちょっと寂しいが、でもこんな山も悪くはない。
8時35分、洞辻茶屋へ。ここでちょっと休憩。さすが霊山だけあって道中、多くの石像や碑がたっていた。そして参拝気分を高めてくれた。その先からはさらに道が整備され木道の階段となった。そしてそれを過ぎると、修行場の一つ、大きな鐘掛岩が前面に・・・ バイバス道もあったがもちろん私をこの岩場を進んだ。しっかりとした岩場だけにそれほど恐怖を覚えることなく、すんなり岩上へ。ここにもたくさんの石像がたっていて驚き、そして岩上の喜びも増したが、ただ、先を見てガッカリ・・・ この岩場はピストンかと思っていたのだが、通り抜けができた。さらにその通り抜けがとても楽で、誰でも登ってこれる道だった。喜びが半減してしまった・・・
ここから先、さらに登っていくと、いよいよ紅葉が見ごろに。そして、紅葉に染まる修行場、西覗岩へ。ここからの景色は最高だった。洞川の街もはっきりと見えた。そして、あたりは断崖絶壁のあらあらしい風景。そしてそれらが紅葉に染まっていた。写真撮影にも力が入る。そんな時、同じように、いやさらに写真撮影に力を入れていた方がいた。すぐに写真やこの最高の紅葉の話で盛り上がり、そして共にこの場を後にして山頂に向かった。
道中、すごい宿坊の数や大きさに驚かされた。すごい規模だ!今はどこも閉まっていて静まりかえっているが、開山中はすごい賑わいなんだろう。そんな時期にまた来て見たくなった。そして山頂では、山頂とは思えないほど大きな寺が建てられていた。 参拝後はすぐ近くのお花畑という広場で、先ほど会われた古沢さんと休憩。珈琲を御馳走になりながらここでのんびりと過ごす。
休憩後は古沢さんに誘われて日本岩へ。ここからの展望はまさに絶景!感動してしまうほどだった。色とりどりのすばらしい紅葉。ここでも写真撮影に力が入った。ただ自分のデジカメ、画面が付いてないだけにとても不便。さらに明暗補正もできないのでうまく撮れない。悔しい・・・ 壊れたカメラの復帰が待ち遠しい。
そして、それから稲村ヶ岳へと向かった。古沢さんも当初は行かないつもりでいたそうだが、一緒に同行してくれることに。こんな山での出会いが楽しく、私が山が好きな理由の一つでもある。ここから先の道は本格的な登山道となった。アップダウンも激しくなる。でも、いままでがあまりに物足りなかっただけに、そんな道が気持ちよかった。稲村小屋では一緒にラーメンを頂く。この稲村小屋は週末は通年営業しているそうだ。そんな小屋の主人から、この大峰山の自然についていろいろ教えてもらった。そして、その稲村ヶ岳山頂へと向かった。
登りは、山上ヶ岳に比べれば急だが、でも、他に比べればたいした登りではなかった。意外にすんなり登頂!この山頂には展望台が設けられていて、眺めは抜群であったが、紅葉を楽しむにはちょっと期待はずれだった。だが、遠望の眺めは最高だった。今まで歩いてきた道のりが見えて、また楽しい。そんな稲村ヶ岳からの帰路、大日山にも登った。小さな頂ではあったが、絶壁のちょっと惹かれた山だった。山頂では祠が建ち、そして静かな頂でもあった。
その登頂を最後に下山へと向かった。下山もひたすらなだらかな斜面が続き歩きやすい。距離は長くなってしまうが、でも、とても楽に下っていけた。そして16時に、元の母公堂へ古沢さんと共に下山した。
下山後、一緒に夕食を近くの食堂”神橋”でとることになった。そこの御主人がまた話しやすい方で、この洞川の町についてなど、いろいろ話を聞かせてくれた。ちなみに自分はここで鹿カレーを食べたのだが、この鹿肉も、このご主人が捕ってきたそうだ。美味しいわけだ。そして、おでんも頂いてお腹いっぱい♪そして、この夕食は古沢さん御馳走してもらった。ありがとうございました。
そして夕食後は楽しみにしていた龍泉寺の大祭である。いつもならテントに入ってのんびりしている時間だが、今日はまだまだ終わらない。その大祭、かなり魅せられた。点火前の神聖な儀式。そして、点火後、ものすごい煙が立ち込める。そして参拝者全員で般若心経の合唱。自分は知らないだけに加われず、このときはかなり悔しい思いをした。煙は次第におさまり、そして赤い炎へと変わっていった。みるみる高く上がる炎。舞う火の粉。そしてそれらの灰がまるで雪のようにあたりに降り注ぎ、自分の身体にも、もちろん降り注いだ。身体を清めてくれている感じがした。
炎が落ち着いたところで続いていた般若心経の合唱も終わる。そのあと、いよいよ有名な火渡りの儀式へと移る。それも今年から一般参加も可能になって、今回それがすごく楽しみで来たのだ。今の自分にとってこれくらいの行はまったく苦に思えないほどになっている。だが、期待していた火渡りとは違っていた。燃え盛る炎の道、その上に丸太を置いてそこを渡るというものだった。てっきりその炎の燻る中を歩くのだと思い気合を入れていたのに・・・ ちょっとガッカリだったが、それでも、丸太の間からは炎が燃え盛っている。そしていよいよその火渡りへ。意外に、参拝者のほぼ全員が通過して混雑した。その混雑にまぎれながら、自分も丸太を進んでいく。熱いには熱いが、でも我慢の出来る範囲で、普通に歩いて通過することができた。今日はそんな大祭で今まで体感したことのない祭りを見た。そして感動することも多いほど新しい体験もした。仏教を詳しく勉強してみたいと思った日でもあった。
そんな大祭を終えて、旅館街にとめた自転車へ戻ってみると、ハンドルになにやらキーホルダーが・・・ 見てみると幸運の鐘と書かれた大峰山のお守りが・・・ さらに、”がんばってください”と書かれた手紙まで・・・ 嬉しさのあまり目頭が熱くなるほどだった。あったこともない自分のために・・・ そんな温かい気持ちに感動してしまった。ほんとうにありがとうございました。
そして、ようやく長い一日が終わった。温泉センターの駐車場に戻ってテントを設営。落ち着いたころにはすでに9時をまわっていた。それからHPの更新作業をしたが、写真をUPしたところで外灯が消えてしまい真っ暗に・・・ ちょうど10時をさしていた。しかたなく就寝することにした。
さて、明日も登山だ!今日の疲労が残っていなければいいが・・・