車輪人の自転車日本一周・登山の旅 車輪人の自転車日本一周・登山の旅

2003年 11月5日 (水) - 486日目

天気 : 晴のち曇

体調 : 良好

宿泊地 : 道の駅・白沢

本日の移動 : 利根村(皇海山登山)~白沢村

走行距離 : 60.4km

累計距離 : 21,820km
本日の出費

食費 : 766円

観光費 : 0円

宿泊費 : 0円

雑費 : 500円

費用詳細 : 雑費:望郷の湯(入浴料)

現在地 : 群馬県白沢村  ( 全走行図 )

ダートを越えて

 ※コースタイム:林道入口(6:10)~皇海橋(8:20)~登山出発(8:30)~皇海山山頂(10:00)~山頂出発(10:55)~鋸山山頂(11:35)~下山へ(12:00)~皇海橋(13:00)

 連続8つ目の山は皇海山。100名山の中ではかなりマイナーな山で、登山好きな方でも「えっ?どこの山?」と問いかけてしまうほど知名度は低く、また実際に登る人も少ない。100名山目当ての方でしか滅多に登らないと言うそんな皇海山は100名山ブームと共に登山者が増え、この今日行く林道が整備され、最短登山が可能になったのである。今まではこの山の反対側は栃木より1泊2日での強行軍での登山でしかなく、また岩場も多くかなりの難路であったそうだ。私もこの山に関してはもう前々からどちらから登るか迷い、そして共に山へのアプローチの遠さに苦慮し、そして選んだ先は登山ルート的には楽であるこの利根村からのアタック。しかしその前には片道20kmという長い長いダートの林道が待ち構えていた。そんな林道入口の脇に昨夜はテントを張り今朝を迎えた。

 4時。まだ真っ暗な中、今日も出発準備を初め、また登山に不要な荷物はこの路肩に全て置いて行っての空荷でのダートへのアタック。やや置いていく荷物には不安はあるが、しかしこんな林道に悪さするやつは動物くらいしかいないだろうと思い後にし、ダートを漕ぎ始めたのだった。しかし、道の方はそんな気合と反して拍子抜けしてしまう上りではなく下り坂。なんで今から登らなければならないのに!さらには昨日必死でここまで登って来たのに!と悔しがりながらも行くしかない。緩やかな下りを数キロ下って行き、そしてじきに登りへと変わって行った。しかし、その登りも緩やかでそれほど苦もなく気持ちよく漕ぎあがっていくことが出来た。道も思ったほどには悪くなく車輪を盗られる様な事もまずない。ただ不安は崖側の路肩がゆるいことで、またそこにはガードレールはない。一歩間違えれば真っ逆さまであり、そしてもうひとつの不安は今度は崖側。見上げる断崖はいつ崩落してもおかしくないほどの岩盤で、実際にも路上にいくつも落ちてきただろう岩がゴロゴロとしている。そんな不安と戦いながらダートを進んでいった。

 こうして10km地点位までは難なく進むことが出来たのだが、しかし徐々に路面は悪路へと変わっていった。だんだんと路面には岩が剥き出し荒れ、それと同時に今まであれほど軽快に漕ぎあがれた斜面も一変し急坂へと変わる。最初のうちこそ負けじと必死でペダルを踏み込んでいったのだが、しかし、その気合も溜まる疲労と共に徐々に薄れ、終いにはとても漕ぎあがれるような坂、路面ではなくなり自転車を押しては漕ぎ、押しては漕ぎを繰り返す。そして道は登るわけでもなくアップダウンを繰り返し、果てなく道は続いて行った。「もうそろそろ登山口だろう・・・」そう何度も進むにつれ期待するが、しかし終りは何時までたっても見えず、ただ登山口を目指して黙々と漕ぎ進めるしかない。幾つもカーブを越え、そして先に見えたのが、途方に暮れてしまうほどまだまだ遠い皇海山の姿であった。「あれか・・・」と今から登る山が見えたことに喜びもあるが、しかしそれ以上にそのあまりの遠さに驚き当惑してしまうほどであった。それでも漕ぎ進むしかない。必死で自転車を漕ぎ進め、そして後半は緩やかな下りがまた続き、しかしそれにより距離を延ばして、最後は思っていたよりも早く登山口へと到着した。しかし、すでに疲労困憊・・・ このダートで全ての力を使い果たしたといった脱力感に襲われ、「さあ、頑張るぞ!」といつもならなるところだが、重い足を必死で奮い立たせて登山準備へと入る有り様であった。

ダートを延々と・・・
ようやく見えてきた皇海山
登山口でーす♪

 しかし、登山道へと踏み出せば、その重い足も不思議と前へと進む。もう身体がそのように出来てしまったのだろうか、意外に進む足に自分自身驚きながら登山道を進む。道はやや荒れ、また獣道、さらには道は何度も分岐し、また合流し、そんなややこしい登山道が延々と続いた。どちらの道から行っても行けるのだが、しかし、どこもそれを表記してある訳ではないために、ちょっと戸惑う。どちらへ行こうかと・・・ たぶんこっちだろうと不安になりながらも進むと、先ほどの道とまた合流する。それが頻繁に続き、時には沢を越え、一方は越えずに突き進んで行ったり、時にはロープの急登であったり、藪の道であったりと様々で、そんな道に苦労しながら結局はそれは山頂まで続いた。変な登山道であるとも思いながら黙々と沢沿いに進み、急なガレ場、そして木を頼りに身体を引き寄せて急登を越えていくとようやく稜線はコルへと出る。そしてそこからもう一頑張り、またも道は網の目のように分岐はしているが、しかしどこから行っても登り詰める為に迷うことはなく、足を止めることなく一気に駆け上ればそこは山頂である。標高2144m、辺りは鬱蒼とした木々に覆われ展望こそ開けてないが、木々の合間から昨日登った白根山が高々と顔を出していたのが印象的であった。

 冒頭でも紹介したようにちょっとマイナーなこの皇海山。そんな山でも出会いがあった。林道を必死で漕いでいるときに追い越され、登山中に追い越して、そして最後は山頂で共に過ごした新潟のある山岳会のみなさん♪こうした山での出会いがほんと楽しく、共に苦労して登ってきただけに話も弾み、また新潟の山の話などにも盛り上がり、そして一緒に記念撮影♪さらにはビールまで頂いて乾杯~!ほろ酔い気分の楽しい山頂であった。ありがとうございました。そしてこの後、共にお隣のギザギザまるでのこぎりの様にピークを連ねる山、”鋸山”へと登頂した。岩場あり、ロープもありのちょっとキツイ登りであるが、楽しい刺激でもあり、そして登った山頂では最高の展望を魅せてくれた。そして風もない温かなポカポカ陽気に誘われ、15分ほどお昼ねタイム・・・ 丁度12時に山岳会の皆さんの後を追うように下山へ向けて歩み始めた。

一歩一歩
皇海山山頂♪
左より・平山さん・上村さん
うさぎさん・私
ギザギザ尖った鋸山
鋸山山頂より皇海山
う~ 眩しい!鋸山山頂

 下山はいつもと同様に一気に駆け下りる。ただ登山道は先ほども書いたように何本も交差して走り、行きと帰りとは何だか違う道・・・ 見覚えのない道に戸惑うこともあるが、しかし結局は同じどころへとまた合流するといった、ややこしい登山道を軽快に下っていき、そして無事に登山口へと下山。そこでは、先に下山していた団体登山者とも知り合い、またその引率者がこれまた凄い登山家で、なんと世界有数(世界一?)の難易度を誇ると一般的に言われている”K2”をも登ったこともあるということで、いろんな話を伺ってみたかったが、しかし雑談のみで、結局は名前まで聞くことも出来ず、後にすることになってしまった。今となっては悔しくて堪らない出会いであった。さて、下山したとは言え、まだまだ気を緩めることはできない。この先、まだ20kmのダートを戻らなければならず、もちろん行きに下ってきた所があっただけに帰りは登らなければならない。考えれば考えるほど気の重たくなる帰路であったが、その道を戻るしかない。意を決して気合を入れなおし、下りへと挑んで行った。

道の駅にてのんびり温泉
 自転車が壊れはしないかと不安になるほどガタガタと大きく跳ねる。必死でハンドルを握っていなければ自分が吹っ飛ばされそうになるほどで、顔を引き攣らせながらも慎重に下っていくのだが、しかし、最初のうちこそ、そのあまりの振動に動揺するほどであったが、後半ともなると意外にこれが楽しくさえ思えてくるようになった。ただ、自転車が心配なことは変わらず、時に巨大な石を越えたり、大きな段差を越えて行ったりと、よくパンクしないものだと自転車というもののタフさに驚きながら一気に駆け下り、そして最後は本格的な登りがまた数キロ続く。これが最後だと思いながら気力を振り絞って漕ぎあがり、そして苦労の末、ようやく荷物を置いた林道入口へと戻ってきた。ただ、もうその時には終えたことを喜ぶ元気さえなく、ただ荷物を自転車に積み、最後の坂を下りて行った。

 こうして終えた難所・皇海山の登山であるが、もう連日の登山の疲労も重なってか一歩も動きたくないほどであったが、しかし明日の今度は赤城山登山の為に漕がなければならない。目指すは川沿いに下っていった所にある道の駅・白沢で温泉もあるということから向かったのだが、そこまでも難所が多かった。まずはひとつ峠越えがまた待っている。しかしそこは地図で分かっていた為にやや遠回りにはなるが薗原湖へと迂回して行こうと思ったのだが、途中で道を間違え老神温泉へと大きく下ってしまい、また駆け上がることに・・・ そして改めて薗原湖へと下ったのだが、最後、道の駅まではまた大きく登ることになり、峠を避けたとは言え変わらぬ、いやそれ以上の坂を登ることになってしまい、もう道の駅へと入るときには足を引きずる思いであった。その身体を休めるために温泉へとさっそく入浴と行きたいところだが、それすらも動く気がせず、しばらくベンチで呆然と過ごしてから、ようやく身を動かし温泉へと入浴した。そしていつも通り自炊と行きたいところだが、そんな元気もなく買ってきたコンビニ弁当で済ませ、日記も書かないまま、24時間開放の休憩舎のベンチで横になり19時過ぎには寝てしまっていた。

 ★今日のお食事♪
 ・朝食 : ごはん・レトルト丼・スープ
 ・昼食 : パン×3・おにぎり・ビール
 ・夕食 : コンビニ弁当・パン




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