車輪人の自転車日本一周・登山の旅 車輪人の自転車日本一周・登山の旅

2003年 8月10日 (日) - 399日目

天気 : 曇一時雨

体調 : 良好

宿泊地 : 黄金岬キャンプ場

本日の移動 : 旭川市観光~北竜町~留萌市

走行距離 : 92.6km

累計距離 : 17,335km
本日の出費

食費 : 644円

観光費 : 0円

宿泊費 : 0円

雑費 : 0円

費用詳細 :

現在地 : 北海道留萌市  ( 全走行図 )

太陽

出発前、浅野さんと
 昨夜のうちに心配していた台風は去ったようだ。ここ旭川の朝は日こそまだ射さないが所々に青空が見え隠れし始め回復へと向っていた。「これなら、すぐに晴れ間がひろがるだろう!」、そう浅野さんと話す。実は昨夜、浅野さんは先へと行ってしまったと思いきや、なんと23時すぎ、すでに私は就寝後の時間である。この道の駅へと寝床を求めてきていた。そのとき、私もテントを張る物音に目が覚めたのだが、どこかのライダーだろう、そうとしか思わず、わざわざ起きて外を覗くようなことはしなかったために、こうして今朝、また再会し、今こうして2人、のんびりした時間を楽しみ、また車旅者で賑わう道の駅だけあって、今朝もたくさんんの人と共にふれあい、そして今日もHP更新作業に追われていた。

 ちなみに昨夜の台風。思ったよりも激しい風雨はなかったように思う。就寝前くらいから急に雨風が強まり「ビュービュー」と物凄い音を立ててはいたが時期にそんな音も聞こえなくなっていた。ただ、熟睡してしまっていただに気付かなかっただけかもしれない。この日の寝床は室内。多目的ホール内、そのトイレへの通路の片隅にテントを張っていた。そのため、外の空気を実際に触れると言ったことはなく風雨は別世界のもののようで、そして起きた時には青空さえ見え隠れしていたのだから、よく分からない。ただ、外の様子は草木が倒れているなどのこともなく、何も昨日と変わらぬ静かな朝であった。

 9時、それぞれまた行き先の違う浅野さんとここで別れ、そしてまた一人、旭川観光の続きへと向った。まずはこの道の駅と向かいといっていい所にある市立博物館。いままでのこの旭川観光の総決算と言えるべく所で、なにからなにまで今まで見てきたものが展示されていた。大雪山の自然、アヌイ、屯田兵、軍隊・・・ また改めてこうして見学し、今までいてきたことをこうして焼き増しし、この旭川という大地を頭に刻んだ。

  このあとはまたすぐ近くの外国樹種見本林へと歩いて出かけた。三浦綾子氏の小説「氷点」の舞台となったところだそうだが、私は知らないだけにそれほど興味もなかったのだが、人から聞くと「見本林を見るだけでもみごたえあるよ!」と言うことで、また近いこともあり覗いてみることにしたのだが、やはり普通の林、ただ、外国樹種であることはあまり植物に興味のない私にも分かったがが、私にはそれだけであった。それよりもこの樹林歴史の方に興味引かれる私なのだが、しかし、それに関しての案内板は残念ながら見当たらなかった。

市立博物館
クマササの家
屯田兵復元舎
見本林
旧川上郡農作試験所
 先ほど見えた青空はなんだったんだろうか、回復に向うと思いきや空はまた黒々とした今にも降りだしそうな重い雲が広がっていた。まさかとも思いながらも、まあ降りはしないだろうと高をくくり、改めて自転車へと戻り、この旭川最後の観光となった”旧川上郡農作試験所”へと入ったのだが、なんとあの忌々しい雨が降りだしてきたではないか!台風はもう去っているはずなのにと独り言をついボヤきながら逃げるようにこの旧試験所へと入った。ここはかなりマイナーな観光地らしく来客簿を見ても日に1人か2人程度であり、もちろん今も私ひとりだ。小さなパネル説明が何枚か掲げられているだけで殺風景な家内を見学しながら天気の回復を待つが回復する兆しはない。小雨とまでは言わない霧雨ではあるが、それでも雨には変わらず出発を渋っていたが、変わらぬその天気に根を上げて仕方なくカッパを着込み、12時、この旭川の地を後にして、いよいよ最北の地、稚内へと向けて北上の旅へと向った。

 国道をまずは留萌目指して進む。アヌイ語で”神の集落”という意味の”神居古潭”を途中見学。ただ、その名の由来の渓谷美、とくに穴が開いているようにえぐられた岩々は残念ながら昨夜の台風の影響で川の荒れ、水位は上昇していた為にそれを見ることは出来なかった。が、その川の先には旧神居古潭駅舎があり、さらにD51を初めとして年代別になんと3台もの機関車が展示されているのには驚きここでは魅せられた。天気もとりあえずは回復し、このあと気分良く先へとさらに目指して行った。

旧神居古潭駅
機関車が3車も!!
神居古潭

 国道を逸れ、深川から北竜を目指した。先ほどの渓谷から一変、また辺りは一面の盆地となり田園が果てしなく続いていた。そしてその遥か先の丘にはすでに自分が今、目指している所だろうと思われる真っ黄色の大地が見えた。あれが”ひまわりの里”だろう。そう確信し、田園広がる台地をただ黙々と漕ぎ進み、案の定、そこはひまわり溢れる大地が広がっていた。”見渡すか限り”まさにそんな言葉が相応しく、一面の太陽がそこには私の方も見て輝いてくれていた。あまりのその眩しさに、まるで心まで照らされているようで身も心もここにいるだけで自然、軽く華やかな気分になる。そんなところだけに観光客も多い。駐車場脇のちょっとしたホールには露店が何件も並び賑わい、そしてこのひまわり畑にはまた多くの見物人で賑わっていた。ただ、その人の多さに圧倒されるようなことはない。常にこのひまわりという太陽の数に圧倒され続けているからだろう。もう時間を忘れて魅入ってしまっていたが、ただちょっと残念なのが時期が遅かった。いや、台風が不味かったのかもしれない。どの花もややしおれ気味・・・ 2、3日前に満開!そんな新聞記事が一面に紹介されていたが、その写真の瑞々しさはなく、その点については悔しさが残った。

 今日も目的地を留萌と決め、まだ残り40km近い距離を残しているだけに、やや時間に終われ最後この”ひまわりの里”を後にした。ちょっと魅せられただけに時間を食いすぎた!そう後悔しながらも実際にはそんなことは思っていない自分もいた。もちろん、それがこの広大な太陽の魅力だろう。ただ、走り出してすぐ、さらに気になる丘が目に入った。そこは見事なまでに色鮮やかに黄色に染まっていて、その美しさは先ほどの比ではなく、そんな色に誘われてまたもや道草。数百メートルの坂を登っていくことになるのだが、あまりのその色の不思議、そして興味から苦痛はなかった。行き着いた先は案の定”ひまわり畑”で、こちらの方はまさに満開!先ほどとのあまりの違いにただただ驚くばかりで、その太陽の生き生きした姿にここでもしばらく眺め続けていた。ちなみにこのひまわり畑、ただ観光用ではなく”ひまわり油”を取る為だそうで、この他にも何箇所か小規模ながらもひまわり畑がちらほら見ることが出来た。

北竜町・ひまわりの里
場所を移して・・・
延々と続く・・・

 時間のほうはもういっぱいいっぱい、このすぐ近くの道の駅までにしようとも思ったが、でも、もっと進みたい・・・ そんな思いからもう一分張り、予定通り留萌目指してこのあと漕ぎ進んでいった。こうして必死で漕ぐのも実は久しぶりである。日高から富良野まで走ったのが最後だろうか、あれから約2週間振り、登山では嫌と言うほど歩いたりもしただけに、こうして漕ぐのが新鮮で楽しくもあった。また、あまりの楽しさにひとつ挑戦してみたくもなった。先日の登山で、自分の”徒歩での限界”にも挑戦した。あれほどきつく辛い徒歩は今までなく、今後もないかもしれない。それほどの辛さを味わったが、でも自転車では?そう問われるとないかもしれない。登山をしているだけに坂道での自転車走行に関しては、もう倒れるまでの事を越えてはきていたが、しかし、走行距離に関しては全くその経験がない。この1年以上旅してきた中で今まで”距離を延ばす走り”そんな走行をまだ一度もしたことがない。その理由は簡単、私の旅の目的が観光、登山にあるためで、走るためではないからだ。そのために、町々で観光してしまい、それ以上距離を延ばすことが出来なかった。だが、この北海道の大地だけは違い、特に明日はほとんどといっていいほど気になる観光地はなく、そしてだだっ広い大地だけが広がっている。挑戦するには最高だ!そんな野望を抱きながら今日、この残りの走行を走り通して、もう薄暗くなりつつある中、目的の留萌は黄金岬キャンプ場へと到着した。

 道路わきの小さな空地。そんな表現が妥当であろうキャンプ地には意外にもすでに無数のテントが建てられていた。もう、テント場は残ってないのでは?と心配もするほどであったが、私のテントは小さいだけにちょっとした脇に設営することができ、そしてようやく今日の長い一日を終えることが出来た。最後、留萌まで頑張ってしまっただけに、また、到着が遅かっただけに慌ててしまったためか、ややお疲れ気味。そんな中でも仕方なく自炊し食事をとっていると「ぴゅ~ ドーン!ドーン!」と胸に響く物凄い音が辺りに響き渡った。なにかと思い外を覗くと、大空には巨大な太陽を思わせる花火でが上がっていた。そんな花火をただ一人ジッと見つめ、そして胸に響くこの音のひとつひとつが辛いこと、楽しいこと、出会い・・・ そんな思いを呼び起こされているようで、自然とそんな思いに目に涙を浮かべて、空に上がる太陽に心奪われていた。

 ★今日のお食事♪
 ・朝食 : 半額弁当
 ・昼食 : パン・菓子
 ・夕食 : ごはん・レトルトカレー




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