車輪人の自転車日本一周・登山の旅 車輪人の自転車日本一周・登山の旅

2003年 7月18日 (金) - 376日目

天気 :

体調 : 良好

宿泊地 : RHねこじゃらし

本日の移動 : 石狩市~札幌市

走行距離 : 35.0km

累計距離 : 16,634km
本日の出費

食費 : 1388円

観光費 : 200円

宿泊費 : 0円

雑費 : 1420円

費用詳細 : 観光費:札幌時計台、雑費:銭湯・宿泊料

現在地 : 北海道札幌市  ( 全走行図 )

札幌の夜

 もう完全に参ってしまっていた。交通量、人ごみ、そして都会的人々・・・ 北海道の中心地でおあるだけに、歴史、史跡も多く、夢や期待を膨らませて入ってきた札幌であったが、でも実際はやはり巨大な都市であり、とてもこのような小汚い風貌でしかも巨大な荷物を積んだ自転車が走るようなところではなく、走りにくいどころか、もうあるもの全てに幻滅、さらには失望してしまい、いつもとは一変し、重く辛い札幌観光のスタートとなってしまった。

・・・
 でも、そんな今朝はいつも通りのご機嫌スタート♪6時に起きて今日もセッセとHPの作業。そしてシェフとやっぱり豪華に自炊をし栄養もつけて、溢れんばかりの期待を胸に札幌へ向け9時過ぎに自転車を漕ぎ始めた。迎える向かい風もなんのその、だだっ広い大地を常に眺めながら、遠く微かに望める市街地を目指してどんどんと進んでいった。が、進めど進めどその市街地は一向に近づかない。そして何よりショックを受けたのが、先ほどまで出ていた看板”札幌まで10km”、「おっ、これならすぐに着きそうだな♪」と足取りも軽く快走していたのだが、実際には10km走っても”市街まで5km”と怒れてくるような看板が建つ。それでも、あと5kmだと必死に漕ぐが、ここまで来ると、交通量の方は未だにそれほどではないのだが、でも、信号機の方はどんどん増えて行き、引っかかってばかり・・・ さらにはその待ち時間が長いこと!結局、札幌まで20kmだと思っていた距離は25km実際にあり、また時間も2時間以上かかってしまい、全て予想に反しながらもなんとか11時過ぎ、札幌駅へと入ることが出来た。

 さすがは180万人を越える北海道の中心都市だ。冒頭にも書いたとおり、なにからなにまで場違い・・・ 冷たい目線どころか、こんな風貌でも逆に気にもしない、ただ物が通り過ぎるがごとく見送る視線。この町に入る前から、「札幌の人は都市型の人だから気をつけてね。」、「みんな、自分の力で生きている!そういう町だから、自分は自分、他人は他人・・・」、そんな話を聞いていたのだが、全くそのような印象を肌で、いや骨の髄まで感じるほど、この町には冷たい空気を感じた。今までいろんな都市を走ってきたが、こんな感覚は初めてであった。大阪も確かにもう辛くて堪らなかったが、でもそんな都会にも人が持つ温もりを感じることはできていた。ただ、みんなそれぞれ行動に表さないだけであり、それをしたがっていたようなものを受けた。が、この札幌はまた同じ都会でもまた違う。いや、180万という人工の割には思ったよりも混雑感はなく、のんびりしている。が、心の落ち着ける場がどこにもなかった。唯一、町行く観光客が心を和ませてくれるものであったが、しかし、その人たちも同様にこの都市の中に埋もれてしまい自分を閉じてしまっていた。そんな中を私もひとり困惑しながらまずは駅へと入ろうと自転車を止められるような所を探すが、でももうこれだけで一苦労・・・ 市街を行ったり来たり、もうゲッソリしてしまったのではないかというほど、これだけで疲れてしまった。

札幌駅前
 なんとか駅に入って観光案内所で情報収集。それと共に、この町でもさっそく広報活動へと新聞各社へ電話をしてみるが、全く相手にされない冷たい対応でどこも迎えてくれた。聞く前からもう迷惑そうな対応ばかり・・・ どこも体よく断られてしまった。さすがは都市・・・ いや、なにか違う冷たさすら感じながら完全に私は落ち込んでしまっていた。それでも、ここで負けてはと気負い、負けじと電話を掛け続け、ようやく1社、明日会っていただけることになった。でも、明日もこの荷物を持って市街地を・・・ そう思うとさらに気が重くなったが、それでも、「取材がとれてよかった!」、そう自分に強く言い聞かせて、また市街地の中へと漕ぎ始めた。ちなみに、ただ都市だから広報に失敗したわけではない。それももちろんあるかも知れないが、その土地柄もあるだろうし、また時間的にやや電話するのが遅すぎたのも問題だった。(記者がほとんど出てしまっていたため。) さらには出てくれた記者が、どの社も全て女性記者というのもある。今まで女性記者でほとんど成功したためしがない。やはりこう言った冒険的なことは女性よりも男性のほうが共感を得やすいのだろうか、そう改めて思わざる得ない結果であった。ちなみに最後に受けてくれたところは男性記者であった。

 時間を見て驚く。まだ何も観光してないのにすでにもう14時近くになろうとしていた。慌てて市街地へと漕ぎ出すが、人、車の多さにやはりすぐに滅入ってしまう。終いには自分の自転車へと追突してくる自転車すらあった。が、追突してこられたにも関わらず、逆に迷惑そうな冷たい目を送るだけで、何も言わずに去っていく。こんなところからも冷たい町の感じを受けざるえない。そう、冷たい話といえば、今夜、ライダーハウスであったライダーの方が話していたのだが、この札幌市街で転倒してしまいバイクに足を挟まれて、そして足首を骨折・・・ まともにバイクすら起こせない状態だったそうだが、そんな状態でも誰一人声を掛け助けてくれる人が居なかったという。「自分のことは全て自分で・・・」、また、違ういい方をすると、「個人の実力主義が強いアメリカ形だ!」、と話してくれた言葉をまた思い出した。

 さあ、気を取り直して観光スタートだ。こんな町ではやっぱり自転車をそこらの公園に置いて歩いての観光。まずは中こそ時間的に入らなかったが”北大植物園”を遠めて見ながら(やっぱりパンフはもらっておく。) ”札幌市資料館”、ちょっとマイナーだろうが美しくとても都会とは思えない静けさが迎えてくれた”知事公館”、そして、さらにマイナー”樺太関係展示室”、”アイヌ総合センター”と観光を続け、このあとは定番観光地、”北海道庁旧本庁舎”、”時計台”と続き、最後は”札幌教会”と見てまわり、あとは予想以上に大きな”テレビ塔”を見上げながら帰路についた。

北大植物園
札幌市資料館
知事公館
知事公館内
見事に広がる芝生広場
樺太関係展示室
アイヌ総合センター
北海道庁旧本庁舎
北海道庁旧本庁舎・・・
札幌時計台
時計台内
札幌教会
テレビ塔
大通り公園
観光馬車も♪

 日はいつの間にか傾き始めていた。それと同時に町の混雑度はさらに増していた。車はもちろんのこと、さすがは金曜日のだけに人だかりも物凄い!また、走り抜けたのがススキノなのが失敗だった。歩道はもちろん、車道もまともに走れない状態で、いや、そんな車や人込みよりも、町独特のこの空気が一番辛い。先ほども、もう何度も書いたようにこの冷たい視線が精神的にどんどん追い詰められていく。もう何もかもヘトヘトになりながら、なんとか今日の寝床、ライダーハウス”ねこじゃらし”へと到着した。

  最初はちょっと無愛想な感じを受けたが、でも、話せば話すほど優しく親近感さえ湧いてくるオーナーが温かく迎えてくれた。今夜のこのRHは計5人。もちろんライダー、さらには徒歩旅行者など交え、楽しく夕方の雑談がすぐに始まった。そして今夜がこの近くの豊平川で花火大会があることを知る。「これは行かなきゃ!」と、誰もが口を合わせてさっそく出発!今年初めて見る花火、いや、こうしてのんびり花火を眺めるのは2年振りだろうか、去年の夏はほとんど信州で山籠もりしていて見ることができなかった。そんな悔しい思いもあり、この花火に託すもの、期待するのは大きく、でお、それにしっかり答えてくれる感動の花火大会であった。この自分たちの北海道の旅を祝うかの様に広い広い大空へと上がる巨大な閃光、誰もが思わず見惚れて、そしてその巨大な玉にそれぞれの思いをのせて・・・ そして自分も・・・ 思わず目線が緩むほどの感動、衝撃を覚え、なんだか昼間の出来事を全て洗い流してくれるような、いや、それ以上のものをこの花火からもらった。ちなみにこの花火大会、規模はなかなか大きいのだが、混雑度は信州に比べると、比ではないほど空いている。花火始まってから会場へと入ったのだが、それでものんびり座って見れるのはもちろん、帰路の混雑度もそれほどなく、そんな面からも落ち着いて楽しく見ることができた。こうして予想もしなかった驚くほど豪勢に、札幌初日の夜を飾ってくれた。

 RHに戻ってからも、花火の感動は途切れることなく、会話は盛り上がり、気付けば0時をいつの間にかまわっていた。そして就寝は1時頃、いろんな意味でたくさんの出迎えを受けた札幌だけに、さすがに疲れ倒れこむように熟睡していった・・・

豊平川の花火
本数も豊富♪
おお!めがねじゃ!
まだまだ続く
広い夜空に・・・
銭湯入浴して
また”RHねこじゃらし”へ
夜のRHも楽しく♪
左:佐藤さん
右:中山さん

 ★今日のお食事♪
 ・朝食 : ごはん・カレースープ
 ・昼食 : パン×3
 ・夕食 : コンビニ弁当・パン・菓子




自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・