それを越えると、すぐに天竜川に掛かる赤い橋を渡る。さあ、ここからが秋葉山山頂までひたすらの上りだ。気合いを入れる。ここから山頂までは9kmの道のりだ。 立派な上り口に比べ急に道が狭くなり、本格的な山道となる。
最初からかなりきつい坂だ。いきなり息が上がり苦しく、心臓が壊れそうだ。それでもがむしゃらに上るがすぐに息が上がり、息を整える為に少し休憩しては上り、休憩しては上りを繰り返すが、なかなか進まない。自分の体力のなさを痛感する。体力が付いてきたはずなのに・・・ 変わっていないではなか。1kmも進んでないのに限界を感じ辛い。”引き返そう”という言葉が頭に何度もよぎったが、ここで引き返したら今後何処も上れないだろう。
気分転換に一漕ぎ毎に数字を数えて上る。なんとなく数えてみたのだが、上りにリズムができ、また数えてることで苦しみも忘れる。急に足取りが軽くなり、一気に距離が進む。自分に対し笑えてくるほど軽快だ。こんな事でこうも変わるとは・・・ なんて自分は単純なんだろうと思い、またリズムは大切だと知った。分かってはいたけど改めて登山やマラソンと一緒だと思った。
そんな軽快に上り始めたころ、道路脇まで水が引いてあった。飲用可とも名水とも書いてなかったが、見るからに飲用可と言う感じだ。それでも、やや不安なので、飲むのは控えたが、顔を洗い、口を濯いだ。うーん、天国だ。これぞ命の水。命の水で復活した私は、その後も軽快に上る。
それでも最後はややへたり気味だったが、なんとは秋葉神社へ到着した。気持ちがいい。気分は最高だ。嬉しさのあまり、鼻歌を歌いながら駐車場をクルクル回り、達成感を味わった。
駐車場からは通常、山頂の秋葉神社本殿までは階段で上ることになるのだが、その階段の隣に車道があった。もちろん車は通行できないようになっているが、自転車は問題なく行けそうだ。ここまで着たら、本殿まで自転車で行きたい!そう思い、いままで以上にきつい階段脇の坂を上る。あまり力を入れると前輪が浮き上がってしまうほどの坂だが、なんとか登り切ることができた。気分はもう最高だ。
残念ながら本殿前までは自転車で行かなかった。それでも本殿は目の前だ。自転車を置きさっそく参拝へ。そのまえに清水で手と顔を清める。本殿脇には日本サッカー応援の大きな絵馬があった。これだけ祈願されていれば日本は負けないだろう!こんなところまでワールドカップの影響があるとはちょっとビックリし、またその大会の大きさを実感した。
さっそく本殿で参拝する。火の神様らしいが、やっぱり日本一周の旅の成功を祈った。
下りは、上りとは違う道でおりた。秋葉ダムへとおりる道をとった。長い長い下りだ。気持ちがいい♪やっぱり鼻歌は絶えない。上りは通常の登山よりも辛いが、自転車の下りは最高だ。下っても下っても、まだまだ続く。
ようやくと言っていいほど、長い下り坂を終え、秋葉ダムに到着。迫力を肌で感じながらダムを渡る。渡ったあとは、すぐ下流にある吊り橋を自転車で渡る。吊り橋だけに揺れる。それが吊り橋の醍醐味で楽しい。後は天竜川沿いを下り、着た道と合流し、そのまま下る。
だいぶ下った所に、夢の架け橋という橋がある。歩行者専用の橋だ。なんでも昔鉄道用に作ったのだが途中で工事中止に、そのあと景観が悪いと、歩行者専用の橋として橋桁をかけたそうだ。さっそく渡ってみる。歩行者専用で長いだけあって気持ちがいい。 橋の途中にベンチまである。
帰路を急ぐ。今日は帰宅後、明日の登山の為の、今夜、登山口へ向けて出発する。場所は北八ヶ岳の天狗岳だ。そのために帰路は少し急いだ。天竜川最後のダムである船明ダムを越え、天竜市街へ。少し風がでてきた。それも向かい風だ。足取りも重くなりながらも、先を急いだ。16時頃無事に帰宅した。終わってみれば大満足の旅だった。
今夜10時までには出発しようと思う。そのために今は急いでこの日記を付けている。
それでは・・・ 行って来ます~♪