※コースタイム:道の駅・那須(7:10)~北温泉入口(8:30)~(10分休憩)~峰の茶屋跡(9:40)~(10分休憩)~茶臼岳山頂(10:10)~(15分休憩)~(茶屋跡10分休憩)~朝日岳山頂(11:15)~(三本槍目指すが途中で断念)~北温泉分岐(12:10)~北温泉(13:25)~北温泉入口(14:00)
とうとう始まった。ずっと前から苦痛の種になっていた本格的な登山の旅。今までも登山の連続ではあったが、しかし今回はその桁も違えば、苦しさも違う。なにせ9連続登山。その中で1日、2日間を置くことはあるのだが、しかし、その間も登山口へ向けて必死で自転車を走らせているために登山日となんら変わりない。いや、その日の方が登山しているより大変な程で、実際にそんな連続登山が始まった今日も、登山よりも数倍、自転車で漕ぎあがっていくほうが辛く苦痛であった。しかし、それでもまだ日帰りで帰ってこれるからよい。この後、尾瀬(桧枝岐)へと入り、登山が始まれば4日ほど人里から離れてしまい、寝床も無ければ、食糧補給もできない。水さえ確保できるか心配なほどで、考えれば考えるほど頭が痛くなってくる。とくに難関は”平が岳”、御池の峠を越えて1泊し、そして登山、そしてもう1泊し、また峠を駆け上って戻ってこなければいけない。考えただけでも行きたくないところで、行くとしてもヒッチハイクやバスなど併用して行きたいところなのだが、自分で決めた”人力100名山”という課題の為には漕いで自力で行くしかなく、なんてバカなとこを決めたんだと後悔しながらも今日も山へ向けて自転車を漕いでいた。
そんな登山始まりの今朝は4時半に起床し、残してしまった日記作業から今朝も始まるが、しかし電源不足の為に全て書き終えることなく途中で終了・・・ この後の登山に備え食事をしっかり取り、7時過ぎ登山へと向けて自転車を漕ぎ始めた。ちなみにここからは那須岳登山口まで約10kmの坂道をピストンすることになり、その間、全ての荷物を載せ漕ぎあがって行くのは馬鹿らしく、どこか道の駅脇へと荷物を放置していこうとも考えていたが、やはり心配。道の駅の人に断っておくのも手だが、しかしまだ早朝の為に誰も居なく、そんなときに目に入ったのが目の前のコンビニであった。さっそくお願いしてみると嫌な顔ひとつすることなく快く荷物を預かってくれ、こうして空荷にて気持ちよく登山口へと向けて漕ぎ始めることが出来た。ありがとうございました。
しかし、空荷とはいえ、標高差800m近くも自転車を漕ぎあがって行かなければならず、最初のうちこそ、その軽さに軽快に漕ぎあがって行くことが出来たが、しかし中盤を過ぎればその坂のきつさ、長さにさすがに悲鳴を上げ、朝一というのにもうすでに身体は汗でビッショリ・・・ この山腹での早朝の凍えるような寒さの中、もちろんTシャツで上って行っているにも関わらずこの汗で、傍から見たら姿、格好共に変人に見えるだろうと思いながら、自分で自分自身に対し苦笑いを浮かべて、那須湯本温泉街を越えて有料道路へと自転車を進めていった。この辺りから疲れもピークと成り始めるが、しかし、振り返れば広がる白河の大地に見惚れ、また、自分がここまで上がってきた標高に驚きながら、また達成感を噛み締めながら、最後の一踏ん張り!こうしてようやく下山口として考えている北温泉への分岐へと到着した。
ここから先、車道終点までは歩いて登る。時間と共に上ってゆく車が徐々に増える中、その脇を、時には車道をショートカットするように作られた遊歩道を上って行く。そしてロープウェイ駐車場が一杯の為に渋滞しだした車たちを横目にさらに遊歩道を上って行くと、ようやく車道を終点である。ここから本格的な登山道へと入っていくのだが、すでに新雪期へと入ろうとしているにも関わらず、意外にこちらも多くの登山者で賑わい山頂へと向けて歩み始めていた。そして私もその中に紛れ登山道を上って行った。
この先、しばらくは背の低い樹林帯の中を歩いていくのだが、さすがはメジャーな登山道だけに歩きやすい。また傾斜も緩やかで、これで山頂へ着くのかと心配になってくるほどだが、しかし、すぐに森林限界を越え、さらには中継点である”峰の茶屋跡”へとあっという間に到着した。この先、所々から上げる噴煙を眺めながら直下ではやや急な斜面のガレ場を一踏ん張りすればそこはもう山頂であった。ちょっと拍子抜けしてしまうほどあっという間であったが、しかし、それだけ自転車で漕ぎあがってきたんだなと、登山よりもその方に達成感を得ながら、ロープウェイ経由で登って来た多くの登山者に紛れ、山頂の地を踏んだのだった。下山と言ってもこの後は縦走路を楽しみながら他ルートで下山へと向う。まずは峰の茶屋跡までは同ルートを戻り、その先はそのまま稜線を朝日岳目指して進むのだが、ここもちょっと足を伸ばして登頂する人が多く人で混み合う。さらにそれに拍車を掛けたのが、急な岩場の登りや、切れ落ちた断崖を歩く鎖場で、それほど危険度は高くはないが、それでも始めての人や高所になれない人にとっては辛く、また登山者が行き交う為に自然と待ち時間も生まれてしまい人の渋滞・・・ これにはさすがに閉口してしまいながらも、しかし、これを越えればもうそこは朝日岳の肩と呼ばれている山頂直下である。そこで一休みする人たちを横目にもう一息頑張ればそこは2つ目のピーク、朝日岳山頂だ。ただ、変わらぬガスはもちろんのこと、さらには風は先ほどよりもさらに吹き荒れ、時には立っているのもやっとの状態。先ほどと同じように、またも記念撮影後、逃げるようにしてさらに先のピークを目指してった。
さらに縦走路を北へと進む。小さなピークを越えれば清水平までは長い階段の下りが続くのだが、ここまでくればもう登山者は疎らで先ほどのような混雑さはもちろんなく山らしい静けさを漂わせていた。しかし、逆にまた悩まされることもあった。それは流れる雪解け水が作った泥登山道。時には登山靴をめり込ませ、時には足を滑らせながら必死に堪え、この那須岳のもうひとつの主峰・三本槍岳を目指すのだが、この悪路のせいで足は全く進まないのだが、それでも頂目指して一歩一歩、泥を跳ね上げないように、また滑らせないようにと慎重に歩んでいく。しかし、三本槍岳まであと少しというところまで来て、さらに道は荒れ、まさに沼地状と化していた。それでもしばらくは足を没しながらも進んでいったのだが、いつまでも続くその悪路にさすがに途方に暮れて、ガス掛かる悪天ということも重なり、ここで登頂を断念し引き返すことにした。悔しさというよりも呆れてしまったそんな帰路への転換であった。
北温泉分岐まで戻り、そこより稜線を離れ本格的な下山へと歩み始めるのだが、しばらくは変わらぬ泥道が続き頭を悩ませ、いつものように軽快に下山して行きたいところなのだが、ここでは思わぬ時間を食ってはしまったが、それでもなんとか北温泉へと下山。そしてお楽しみの温泉へ♪プールのような巨大な湯船を持つこの北温泉。前々より「ここはお勧めだよ~!」と言われていただけに楽しみにしていたところで、さらに言えばここに寄って行きたいが為にこのコースを選んだといっても過言ではないほどだ。さっそくそんなお楽しみに温泉へと入浴しようとしたのだが、その値段を見て、しばらく呆然・・・ 700円という値段に悩み苦しむが、しかし、最後は断念し、とぽとぽ車道を自転車を置いた北温泉入口まで戻って行った。しかし、そんな落ち込む気持ちを洗ってくれたのが、見事な紅葉とそこに流れ落ちる滝であった。思わず足を止め魅せられてしまったほどであった。
こうして登山を終えて自転車で後は気持ちよく坂を下っていく。途中、観光名所である芭蕉が歌を残した地”殺生石”、源平合戦の那須与一が矢を射るときに願を掛けた”温泉神社”と見て周りながら、一気に駆け下りて、あれほど苦労した坂道もあっという間に今日の出発点である道の駅へと到着した。そして、その前のコンビニに預けた荷物を受け取り後、また同時に腹ごしらえをして次の英気を養い、また自転車を漕ぎ出した。明日の尾瀬へと向けて少しでも距離を縮めておきたいがためであり、塩原の道の駅目指して、また黙々と疲れた身体を奮い立たせてアップダウンを越えて行くと、途中、ゴルフの打ちっぱなし場にて、あるご夫婦に声掛けられ、励まされ、さらにはジュースやみかんなども頂き力を付け、まさにラストスパートと言った意気込みで最後走りぬけ、日暮れ間近の16時半になんとか道の駅へと到着した。ありがとうございました。
さて、先ほどの入りそびれた温泉。ここでも再チャレンジとばかりにさらにもう一踏ん張り坂を漕ぎ上がり、先ほどのご夫婦に聞いた温泉場へと行ってみるが、閉館間際という時間であり、またそれでいて料金は500円と割りにあわず、結局そこも断念し、明日の塩原温泉入浴に期待して、また道の駅へと舞い戻り、24時間無料開放された小さな休憩所で身を落ち着かせた。そして道の駅が寝静まるのを待って20時ごろテント設営。そして身体を横にさせたら最後、そのまま日記を書くことなく就寝してしまったのだった。
★今日のお食事♪
・朝食 : ごはん・レトルト丼・味噌汁
・昼食 :
パン×2・コンビニ弁当・エネルギードリンク
・夕食 :
カップラーメン