車輪人の自転車日本一周・登山の旅 車輪人の自転車日本一周・登山の旅

2003年 8月21日 (木) - 410日目

天気 :

体調 : 良好

宿泊地 : キムアネップ岬キャンプ

本日の移動 : 雄武町~紋別市~佐呂間町

走行距離 : 103.4km

累計距離 : 18,048km
本日の出費

食費 : 794円

観光費 : 300円

宿泊費 : 0円

雑費 : 0円

費用詳細 : 観光費:流氷科学センター

現在地 : 北海道佐呂間町  ( 全走行図 )

HPの力

 HP。こうして旅をしながら維持していくのは、当初思っていた以上に苦労が多く大変なことで、こうして1年以上旅してきた今も変わることなく苦しめられている。しかし、逆に、それを楽しみにして見ていてくれたり、また、「元気もらったよ!」、「私も頑張る!」という声を頂いたりしたときは全ての苦労が報われ、HP公開していてよかったと心から思い、そしてそれが今の私のエネルギーとなっている。今日はそんな言葉にじかに接したり、また、時にはこのHPの重圧にも負けそうになったりと考えさせられることが多い一日であった。

 昨夜はたくさんの人が集まり、ついつい夜を楽しみすぎ寝るのが遅くなってしまった。HPが・・・ とも思いながらも、それでもある程度は寝なきゃ走れないとも思いながら、テントを通してかかる朝の優しい日差しを浴びていた。時間はまだ4時半、外を覗くとちょうど朝日が昇り始め、広がるオホーツクの海が光り輝いているのはもちろん、広がる空も優しい朝焼けで覆われていた。ただ、残念なのはやや雲が多く、朝日そのものは望めなかったこと、そんなこともあり、また余りの眠さに写真を撮るというまでの元気もなく、またすぐに寝てしまった。だが、時と共にあの優しい光が強い日差しへと変わり、テントに襲い掛かる。中は見事なまでのサウナ状態。あまりの暑さ、そして寝苦しさに6時頃、まだまだ眠くて辛いがやむ終えず外へと這い出した。そして丁度同じごろ、あり&ゆっこ、そしてY・Dさん、やはり寝たりなさを表面に出しながら「暑い・・・」、そんな言葉が今日の合言葉のように這い出してきた。だが、外へ出ると一変、冷たいと感じるほどのヒヤッとする微風が吹き、日差しこそ夏らしいが、しかし、陽気は快適と言う言葉そのもので、眠い目を擦りながらもそんな陽気に誘われて今日も日記書きの朝がはじまった。

 1分、1秒でも時間を無駄にしたくない。そのため、今日も自炊しながら、さらには食事をとりながらPCと向き合い必死で日記を書いていく。9月中にこの北海道を出るという今後の予定がいっぱいいっぱいなだけに、今日はどうしてもサロマ湖までは行きたい。なら、10月までいればいいのに?と言われるかもしれないが、予定を延ばしてもキリがなく、また予定があり、時間に縛られるからこそ、その中でやりくりするのが旅の楽しさ、そして面白さのような気がする。無限に時間があれば、ただダラダラした時間が流れそうで怖いからだろう。そう思うからこそ充実している。また、この予定通り旅を進めていかなければ東北、関東の山が全て雪で閉ざされてしまうと言う理由もある。そうならないためにも、少しでも毎日前に進みたい。しかし、その前にこのHPという壁が立ちはだかっていた。

 下地作り、画像編集、日記書き、更新、そして書き込み返信と、だいたい日に平均3時間ほどの作業だ。そして大概テントの中でライトを手にという悪体制に身体が持たず、ひどい時には疲労した足が何度も吊る時もある。また電源の確保も悩みで、1本のバッテリーでは3時間は持たず、1、2時間作業しては充電しに行き、そしてまた作業、そんな繰り返しだから実際はもっと時間がかかってしまう日が多い。それが1日も休めないから心労は溜まる。いや、出来ないときも実際にあり、しかし、次に日には6時間として返って来るから大変だ。そうならないためにも今日もこうして早く出発したいところではあるが、グッと堪えてPCに立ち向かっていた。

 そんな日記、誤字脱字も恐ろしいほど多いだろう。また下手な文章でもある。書くに構成など気にしられないということもあり、もっと上手く書こうと思えば時間はさらに掛かってしまい、そして自分をさらに苦しめる。最後には観光するどころではなくなり、移動するだけで精一杯という旅になってしまいそうだ。実際に今もそうで、このHPのために資料館への入館を断念したことは多々あり、、さらには出会いからも逃げていることも多々ある。たとえばキャンプ場、いろんな出会が生まれやすいところではあるが、夜、このHPを書かなければならないために、出会うとどうしても飲んだり、話したりでかけなくなってしまう。そのため無愛想に振舞ったり、テントに籠もったりしてしまう。また相部屋泊りのRHなんかでは、さらに辛く、1つの部屋だけに夜、私がHPを更新していると、「何してるんだ!」と冷たい目で見られたり、また顰蹙さえ浴びてしまう。「夜は出会い楽しもうよと・・・」、その辛さから、無料RH等があったとしても敬遠している自分が今いる。ただこのHPさえなければ出会いを求めて間違いなくRHにお世話になるだろう。

 今日はそんなHPに関するメールを頂いたりと考えさせられる日であった。ただ、これは自分のケジメとして始めた日記であり、今はこれが自分のやるべき仕事であり、伝えることが私の今後の旅の大きな目的のひとつだと思っているだけに妥協はしたくない。いや、さらにもっと良い文を書きたいとも思いながらも実際は時間がついて来ないのが現実だ。ちょっとこのHPの思いについて長々と書いてしまったが、そんな思いも胸にしながら自転車を毎日漕いでいる。

今日も元気に出発だ!
 と、ここまでやや愚痴になってしまったが、また時間を朝に戻そうと思う。今日も先ほどにも書いた通り黙々とPC、食事と済ませて、10時にキャンプ場を出発した。ありとゆっこはこのまま連泊コースのようで朝は昨日と違ってのんびり、またY・Dさんは宗谷で人と会う約束をしているそうで、同じようにHPに追われながらも最後は妥協し、私よりも早く出発して行った。そして私も”RINRINRINの旅”に見送られ”日本一周・登山の旅”へと出発した。再会したときと同じように、”あり”と””ゆっこ”が大きく手を振り見送ってくれる姿が印象的で、また嬉しく漕ぎだす足に自然と力が入った。

 まず目指したのは紋別。それほど期待して見たいというものもなかったが、それでも、流氷館や市立博物館は面白そうなら覗いてみようかなと思いながら走っていた。そして冒頭から書き殴る様にして書いてきた、このHPを今後、どこまで丁寧に、また面白く、時間と戦いながら書いていくべきかを考えていた。そんな時である。ある一台の車が私のすぐ脇に寄り、「中村さんですよね!」と声が、話を聞くとなんと旭川から休暇を利用してわざわざ会いに来てくれたそうだ。名前は成田さん。とくに旅をするわけでもなく、自転車に乗るわけでもなく、また山にも登るわけでもない成田さんだが、しかし、私のHPを新聞で知り、そして見てくれ、「力をもらいました!」と力強く私にいってくれた。朝からいろいろ悩んでいた私だけにこの言葉がほんとうに嬉しく、そして私自身も同じように成田さんから力をもらった。そして伝えること、今以上に時間を掛けるのは難しいが、しかし、どんなに下手な文章でも、その思いがこうして伝わっているのが嬉しく、今後もその”伝えたい!”という気持ちを忘れずに精一杯頑張ろうと、強く思わせてくれた成田さんとの出会いであった。

  こうして共にお礼を言い合い成田さんと別れ紋別市街へと入った。まずは市立博物館へ行ってみようかなと思い、探しながら国道を走っていくが、看板も出てなくなかなか見つからない。かと、言って人に聞くまではとも思ってしまい、また出発が遅れ、時間にも余裕がなくなってきていることもあり博物館は諦めることに・・・ 国道に看板もないようでは、それほど大したところではないだろうと、そう自分に言い聞かせて市街を抜けていくと、その外れに道の駅・紋別があり、そこに併設されて流氷科学センターがある。地図では「-20℃を体験!」と書かれていたが、私にはそれほど興味引かれるものではなく、入館せずに後にしようとさえ思いながらも、ちょっと覗いて見ると、意外にも資料関係も豊富で、流氷自体には興味があったために結局即決で入館してみることにした。

 流氷に関する資料がズラリと並び、そして何より魅かれたのが冬の北海道の映像だった。冬は雪と氷で閉ざされた死の世界だというイメージを北海道に持っていた。しかし、実際、冬ならではの生命達に溢れその映像は生き生きとしていた。冬の北海道もいつかゆっくり見にこよう!そう思わせてくれた流氷館であり、また例のー20℃の世界では流氷自体が展示されているのだが、私みたいな素人目ではただの巨大な氷でしかなく興味引かれる事もなかったが、しかし、この寒さは笑えてくるほど面白い。実際に北海道スキーで何度かー20℃以下の世界に触れたことはあったが、しかし、こうしてまさか夏に触れるとは思わず、さらには自分が分厚いコートを羽織り、しかし、それでいて下は短パン、裸足なのである。滑稽としかいえない自分が面白く、自分で自分を笑い楽しんでいた。

 流氷の資料は初めて触れるだけに全てが新鮮でついつい魅入ってしまい、また写真展も併設されていたりと、この施設では時間を忘れなんと2時間以上も見学してしまった。退館時、その時間に驚き慌てて自転車へと戻ると、荷台にポツンと置かれている名刺と缶ジュースが目に入った。その名刺の裏には「HP見てます。頑張ってください!」と書かれ、ここでは残念ながら会うことこそ出来なかったが、こうして自分が何かしら人に伝えているということをまた実感し、またそれをエネルギーにして次の町へと漕ぎ始める。そんな時に目の前に飛び込んできたのが、巨大なカニの爪。さすがカニの町だと思いながら、また時間にも追われているにも関わらず、ついつい引かれて立寄ってみた。すると、「中村さんですか?!先ほど名刺を置いていった金内です。」と・・・ もう、会えないと思っていただけに、そして金内さんも諦めていたそうだけに、お互い思わず、両手で固い握手を喜びのあまり交わす。そして車で旅行中の金内さん一家みなさんと一緒にみんなで記念撮影♪ありがとうございました!

寒い~ -20℃の世界
金内さんご家族と♪
車で旅行中♪

 こうしてさらに元気をもらって、今日の目的地、サロマ湖畔の中央よりちょっと網走寄りにニョキっと飛び出た小さな岬、キムアネップ岬キャンプ場を目指した。まだまだそこまで距離があるために必死に漕いでも夕暮れまでにつけるかどうか心配な距離ではあったが、しかし、そこである人と待ち合わせをしていた。それは”シェフ”、大阪で始めて会い、そしてこの北海道積丹辺りで3日ほど一緒に旅を共にしたライダーシェフと再会する為に、残りの距離を必死で漕ぎ続けた。サロマ湖に沈む夕日、そして見事なまでに水面に輝く光、しかし、それもこれもただ焦らすものでしか今日はなく、日暮れまでにはと、ただその一心で、力強くキャンプ場へと目指し漕ぎ進んでいった。

 18時半。ちょうど夕日が隠れてしまった時刻、無事にキャンプ場へと入り、そしてシェフと再会。ハイタッチでその喜びを表現しあった。 そして2人、ちょっと豪華に夕食をとり、あとはお酒を手に、男2人サロマ湖を眺めながら夜遅くまで語り合い、そして23時頃就寝した。

サロマ湖
必死で走る!
サロマ湖と夕日
サロマ湖
シェフと再会!♪
久しぶりに飲み交わす

 ★今日のお食事♪
 ・朝食 : ごはん・もやしの味噌汁
 ・昼食 : パン×3・アイス
 ・夕食 : スパゲティ・野菜炒め・ラーメン




自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・