こうして結局歴史を見れないまま、町へと繰り出すことになってしまった。唯一のそれらを知ることの出来るのは各洋館の前に掲げられている案内板だけである。丁寧にかかれてはいるが、それでは全体像は見えてこない。もう、この後の観光は、ただの観光人と同様、楽しむ小樽となってしまった。ほんと悔しいが、でも楽しむ観光、そして小樽と変わった分、いつものような張り詰めた見方がなくなり、ほんと楽しく小樽を見ることに出来た。歴史の方は札幌の資料館に期待したいと思う。
さて、観光の方はと言うと、まずは、「ここ小樽では有名な店だよ!」、そんなシェフの言葉の誘われてちょっと高かったのだが、奮発して”北のアイスクリーム屋さん”へと入った。高い割にはやや小振りのアイスだが、何十種類もある味を用意しているだけに割高になってしまうのはしかたがないか、とも思いながら「パクッ」、うん、味はなかなか美味しい♪でも、これで300円はさすがに・・・ とも思いながら後にし、お次は市街へ並ぶ洋館郡を眺めながら、その中でもとりわけ立派で大きな建物である、旧日本銀行へと入った。展示物など全く期待していなかったところなのだが、これが意外、驚くほど資料豊富で、この小樽の金融の歴史と共に、日本の金融、さらには日銀の仕事までを紹介し、ここでは小樽唯一の充実した観光となった。ちなみに小樽では”北のウォール街”と言われているほど金融機関が発達していたそうで、今もその洋館達が残り、観光の目玉にもなっている。北海道開拓の玄関口として発達した小樽だけに、また、海外での輸出入の窓口でもあっただけに、このような金融機関が発達したそうだ。だが、その景気は大戦景気(第1次大戦)までで、その後の世界恐慌、さらには終戦で一気に衰退していってしまい、その後は、戦後の復興がやはり本州から比べると遅れ、新しい産業が芽生えることなく、洋館たちはそのまま残こしたというよりも、残ってしまい、だが逆に今はそれが観光の目玉となってこの小樽を観光都市として新たに賑やかしている。この日銀観光であやふやではあるが、ちょっと見えてきた小樽。だが、もっとその中身が知りたいだけに、やっぱりモヤモヤが残る観光は続いてしまった。
この後は、手宮線跡地、そしてその名ほどには急ではなかった地獄坂を上って行って、カトリック富岡教会と見てまわり、その後もまだまだ途切れることなく続く洋館群を眺めながら観光はまだまだ続くのだが、さすがにそれほど興味のないシェフはさっそくお疲れモード・・・ もう、館内を覗くことすらしなくなり始めていたが、でも私の方は今日も元気に1件1件見てまわる。旧小樽区公会堂では、何か大掛かりな撮影中らしかったのだが、でも、立入禁止の看板すらなかった為にフラフラと近寄ってみると、すぐに「撮影の方?一般の人は立入禁止だよ!」と注意されてしまった。でも、めげずに観光は続く。ただ、この辺りでとっくに昼もまわっていた事もあり空腹が襲う。そんな時に見つけて入ったお店が”寿司居酒屋・奈々”というお店で、ご主人こそ外出中でいなかったが、温かいおばちゃん、お姉さんが迎えてくれ、ここでは値段も思ったよりも安かったことから奮発してイクラ丼を注文、これがまたいろいろお店の方と話をしているうちに、なんと大盛りにしてくれ、さらには最後、豚汁のサービスまで頂いた。ほんとうに温かく楽しい大満足の昼食となった。ありがとうございました。
午後からの観光はメルヘン交差点周辺を歩いた。ここも他と同様に昔ながらの洋館が立ち並ぶが、しかし今は観光の中心地となり、それらの建物内は食事処やお土産店となり、さすがは小樽!そう言いたくなるほど大いに賑わっていた。私もそんな観光客同様に、ここでは普通にお土産店をまわり楽しんだ。たくさんの世界のオルゴールや万華鏡、そしてガラス製品がズラリと並ぶ。どれも思わず見惚れてしまうほどのものばかりで、思わずワクワクしてしまうほどだった。その中でもとくに惹かれたのが、高級オルゴールの演奏であった。1日数回演奏してくれるのだが、迷わずそれに時間を合わせて観賞。どのオルゴールも年代ものの物ではあるが、でも今の電子楽器には出ない、美しい音色を奏ですっかり聞き入ってしまった。さらにはこのオルゴールたちは耳どころか、目までも楽しませてくれた。曲にあわせて動く人形たち、また、ゆっくり周るオルゴール板さえ見ているだけで飽きないほどだからほんと不思議でならなかった。
さて、こうして思いっきり観光を楽しんで帰路についた。あまりにも楽しんだ為に、この後、自転車を漕ぐということが余りにもだるく感じてしまい、移動するのが嫌になってしまうほどであったが、でもまたこうして自転車を漕ぎ始めると、意外に先ほどまでのあの重々しさはなくなり、逆に身体を動かし、そsて風を切って進むという清々しさがあり、気持ちがいい♪天気こそまだいつ雨が降り出すかも分からないほどの重い空模様ではあったが、今日の目的地、石狩市のRHへ向けて”坂の町・小樽”という名に相応しいアップダウンを越えて石狩平野へと入っていった。
小樽をこうして離れ、海岸線まで突き出た険しい山々をアップダウンしながら抜けていくと、あれほど険しい山々は一気に広がり、そして目の前は驚くほどの何もない平野が広がった。そしてその中を自分はかけて行く。見渡し見えるものはポツンポツンとまるで海原に漂う船のように疎らな家々が見えるのみで、その先には山さえ望めない。ほんとうにだだっ広い!そして目の前には片側2車線道路が一直線に伸びる。いや、実際2車線であるが、でもその路肩だけでもさらに1車線の幅の余裕があり、さらには歩道も1車線分あり、すべてあわせると8車線分もの幅がある道路が果てしなく続くから驚きだ。そして交あう道路もどれも同様に巨大な道路である。こんな道路も含め、景色に、ここに来て「北海道だぁ~!」と改めて思い、そして思わず涙が滲むほど、今までの苦労が溢れてきた。ここまで来てようやくこうして実感するとは不思議であるが、でも、それらしい北海道の風景がそこには広がっていた。ちなみに、以前に何度かこの北海道へと足を踏み入れたことはあるのだが、こうしてまじまじと実感したのは始めてである。やはりそこが苦労と時間を掛けてここまでやってきたということから生まれる実感なのだろうか、そんな喜びいっぱいで石狩市の郊外にある石狩海浜公園RHへと入っていった。
このライダーハウス(RH)、「ほんとに?!」と疑いたくなるほど綺麗でいてまたお洒落な建物で、それでいて無料というから疑いたくもなる。ちなみにここは市営で営業していているところで私たちにとってはほんと天国のような施設だ。いつの間にかあの重苦しい雲は消え去り、眩しいほどの夕日がこのRHを差していた。そんな夕日を海岸で見送りながら夕方を満喫し、そして夜はやっぱりお楽しみに夕食♪今夜は麻婆豆腐をメインに焼き鳥などのつまみも加えて、豪勢に夕食と、そして宴会を楽しんだ。この後、もう一人ライダー”たかさま”も加わって、なお、今夜は盛り上がり、今日もやや遅い就寝の23時半頃となった。
★今日のお食事♪
・朝食 : パン・牛乳スープ
・昼食 : いくら丼定食
・夕食 :
ごはん・焼き鳥・こんにゃく・マーボー豆腐