車輪人の自転車日本一周・登山の旅 車輪人の自転車日本一周・登山の旅

2002年 12月9日 (月) - 155日目

天気 : 雨のち晴

体調 : 良好

宿泊地 : 道の駅・みやま公園

本日の移動 : さぬき市(道の駅・ながお)~大窪寺~高松~玉野市

走行距離 : 54.1km

累計距離 : 6,209km
本日の出費

食費 : 315円

観光費 : 320円

宿泊費 : 0円

雑費 : 500円

費用詳細 : 観光費:お遍路朱印料、雑費:フェリー代(高松~宇野)

現在地 : 岡山県玉野市  ( 全走行図 )

四国の旅完結!

 最後のお遍路の日、そして最後の四国の旅の朝がとうとうきた。気持ちよくスタートを切りたいところだが、昨夜途中にしてしまった日記がまだのこっていた。そのため、朝6時からせっせとテント内で日記を書く。でも、こうしているうちに昨夜来た隣のライダーさんがいなくなってはショックだと思い、日記をとりあえず途中にして、ちょっとあいさつを交わした。HN”MABBY”さん。今回は2泊3日の小旅行だが、来年は日本一周を考えていると言う。そんなやっぱり旅話で盛り上がる。そして、昨日頂いた食べきれずに、今朝の朝食まで引きずってしまったお弁当を共に食べることに。コンビニ弁当と違いやっぱり手作りは美味しい♪もう、野良猫?2匹もお弁当を狙って騒ぎもう大変な朝となった。そんな時に、なんと以前からメールでちょこちょこ情報を頂いていたHN”たまこ”さん(♂)が突然のやってきてくれた。それも、なんと私のお四国の最後の旅を見送ってくれると言うではないか!そこまでして私の日記を読んでくれ、そして思っていてくれていることに感激した。

 こうして、3人で楽しい朝を迎え、猫も交えて会話も弾み、時はあっという間に過ぎていってしまった。結局、日記を書き終えることなくすでに8時。さすがにそろそろテントを撤収せねば、と急いで撤収しているときに”たまこ”さんに激写された。でも、これは写真を後でみてから知ったのだが・・ ふだん撮れない写真ができて嬉しい。こうしてなんとか2人テントを撤収し、最後にMABBYさんと2人で記念撮影。たまこさんも誘ったのだが、さすがにHPは・・・ ということで私の思い出写真としてとっておくことにした。

朝の片付け中
(奥はMABBYさん)
ライダーMABBYさんと
(たまこさん撮影)
88番の道中
みぞれにも降られるが
でも、綺麗な虹も・・・

 8時半、いよいよ最後のお寺、88番・大窪寺に向けて出発!坂はいきなりの急登で、朝からもう必死、ちなみに車の”たまこ”さんは、要所要所で待っていてくれてそこで迎えてくれて写真や動画をとってくれた。そんな励ましもあり、まず、1つ目の峠を越えた。そしてこんどは2つ目の峠、大きな峠ではないが傾斜はなかなかきつい。でも峠の度にたまこさんが迎えてくれていたので、必死ではあったが、でもそれほど苦もなく頑張ることが出来た。そして、峠を越えて残すは大窪寺までののぼりを残すのみというところで、なんと雨が・・・ それもみぞれ・・・ 初めは小雨ですんでいたが、次第に激しくなり、とうとう木陰に隠れて雨宿りしながらの走行となってしまった。そんな雨の洗礼を受けてしまったが、それでもそれ以上にこの今日という日の意気込みがあったため、それほど苦には思わなかった。小雨の時を見計らって、進み、そして待ちに待った大窪寺に10時に到着した♪

 嬉しさで、心が落ち着かず感無量と言うよりも、ただこのときは嬉しさがこみ上げ、でも、ほんとうにこれで終わったのかと言う信じられない戸惑いもあった。そんな中、さっそく石碑の前で最後の記念撮影♪そして参道を一歩一歩踏みしめながら歩き、背後に巨岩の迫る本堂へと踏み入れた。

祝・88番・大窪寺
感動の大窪寺
本堂を前に・・・

 まずはいつも通りに手洗いをして、そして線香&ロウソクをあげる。そしてお経を読み上げる。このときは、まだ嬉しさが大きく、それほど実感はなかった。そして最後の参拝を”たまこ”さんが写真で収めていてくれたので、ちょっとそんな恥ずかしさと照れもあった。そして、ほんとうの最後の大師堂での参拝。みぞれの降る中、ここでも同じように線香、ロウソクをあげて、同じようにお経をおがるのだが、これで最後と思うと、いままでの辛さ嬉しさがこみ上げてきて、目に涙をためてしまった・・・ もっと深く思い込むと、涙が止まらなくなりそうなので、出来るだけ考えないようにしていた。

身を清める
そして線香&ロウソクを
般若心経を唱える

 こうして参拝を終えて、納経帳に最後の朱印をしてもらい、そして今まで1ヶ月以上共にしていた金剛杖を奉納するため、そこに住所名前を書く。これで全てが終わったのだが、まだ終わったことが信じれなかった。それほど日々、霊場巡りが習慣となっていたのだろう。こうして小雨が降る中、寂しさを胸に最後の88番・大窪寺を静かに後にした・・・

 天気は冴えないが心は快晴だった。全てをやり終えたこの充実感。まだまだ度の先は長いというのに、旅をやり終えた感じであった。それほど、この四国では重みがあったのだろう。そんな四国を切りよく今日中に離れようと思い、フェリー乗り場のある、高松に向けて出発した。ちなみに、帰路は峠越えが2箇所もあるために、自転車の荷物は全て”たまこ”さんに預かってもらって、さらに足取り軽快での出発だった。峠も苦にならず軽快に登っていく。そんなとき、ある峠で、一台の車が私を待ってきてくれた。名前は”宮武”さん。以前からHPを定期的に見てくれていて、そして今日は偶然見かけて嬉しくなって声をかけてくれたそうだ。すぐに、旅の話などに盛り上がる。そして宮武さんが趣味でやっている、写真もいろいろ見せていただいた。趣味といっても人に頼まれるほどの腕だからもう半分プロ!それらの綺麗なそして動きのある写真に魅せられた。最後にエマジェンシーシートという非常用の防寒シートを頂いて後にした。ありがとうございました!

 ”たまこ”さんを待たせてしまっているので、また急いで出発。一時やんだ雨もまた降り出すが、苦もせず、どんどん坂を突き進み、そして待ち合わせていた、道の駅隣のおへんろ交流館へと入った。ここで撮って貰った写真や動画データを頂いて、そしてそれからのんびり、お遍路」資料館をのぞいてみた。全88箇所の位置を置いた四国の模型もあり、今までの長い道のりを実感させてくれた。そして他の資料ではお四国の長い歴史も実感できた。

最後に金剛杖を奉納
偶然出合った宮武さんと
おへんろ交流館にて
(四国の模型を前に・・・)

 この後、たまこさんと共にさらに少し下った所にあるという有名なうどん屋”入谷”へと一緒にいくことになった。一緒といってももちろん私は自転車だ。この先の店先では落ち着かないので、ここで預かってもらった自転車の大量の荷物をまた受け取り、そして嬉しい昼食に向けて出発~!

 ここからさほど遠くはなく、下りを気持ちよく走り抜けるとすぐに到着。そしてさっそくうどんを頂く。唸るほどうまい!今こうして思い出して日記を書いていると、またよだれが出てきてしまうほどだ。ほんとこの香川のうどんは最高だ!♪

うどん屋・入谷へ!
うまい!♪
入谷前にて

 食事をとりながら、たまこさんとお互いの旅の話や趣味の話で盛り上がる。そして、次の再会を約束して、ここで朝からずっと併走していただいた”たまこ”さんとお別れ。ほんとうにありがとう「ございました!最後にかたい握手を交わして一路、高松港に向けて出発した。

 嬉しさと寂しさ、充実感などそれらが共存する不思議な感じのなか、ただ必死に高松港を目指して走った。旅が終わって家に帰るような気持ちだったのだろうか。まだまだ家は先だが、でもそんな気持ちで港を必死で目指した。強い向かい風にも阻まれるが、それでも必死で汗をかきながら前に進んだ。そして15時過ぎに港に到着。意外に安い自転車込みで500円という切符を買って、そして出航の時を楽しみに待つ。いままでの出来事を振り返りながら・・・ そして次の旅への期待に胸を膨らましながら・・・ 16時に船は出港した。新たな旅に向かって・・・

 とても、船外にでれないほどの強風と寒さだった。そして風と高い波で、なんとも高い水しぶきを上げて、自分に降りかかるほどだった。ちなみに天気は山を降りると嘘のような快晴となっていた。そんな青空に見送られ、とおざかる屋島を眺めながら船は岡山の宇野に向けて突き進んでいった。

四国を発つために
乗船するフェリー
出航!屋島をバックに♪
(ちなみの写真の
フェリーは他の船)
~番外~
「宮武さんより提供」

 ちょっとあまりの揺れに船酔いもしたが、無事に17時過ぎに岡山再上陸!薄暗くなる中、寒さに震えながら数キロ先の道の駅・みやま目指して出発!この道の駅は峠にあり、やや辛いところだが、四国へ渡る前に一度野宿をしたことのあるところ。それだけに安心感もある。今日はゆっくり寝れそうだ。途中、夕食用にとパンを買って、18時ちょっと前に道の駅に到着。24時間空いている休憩室内でさっそく日記の更新作業。ここは快適な場所なのだが、ひとつ欠点が・・・ それは暖房がないこと。寒い~ 唯一風が凌げるだけ助かるが、それでも寒い!!そんな寒さと戦いながら、まずは書き途中になっていた昨日の日記から、そして写真のUPと慌ただしく夜は深まっていった。

 テントは野外に設営。休憩室内では落ち着かないためだ。でも今夜はちょっと寒い。そんな寒さに耐えながら23時過ぎに就寝した・・・

~お遍路を終えて~
 こんな信仰心のかけらもない自分でも、興味をもち、そして遣り遂げようと思ってしまう、この不思議な魅力。そんな魅力にかられて、たくさんの人たちがそれぞれの夢託して歩いていた。そんな中で私は人というものを知ることが出来たと思う。人それぞれ得るものは様々であるが、でも必ずなにかを見出すことができるのが、お四国だろう。そんな長く続く不思議な文化がとても好きだ。

~追伸~
 今日の写真のほとんどはHN”たまこ”さんが撮影してくれました。ありがとうございました。 また、たまこさんの協力で今日は動画もUP!よかったら見てください!

動画その1
88番・大窪寺への道中”坂と奮闘”

動画その2
88番・大窪寺にて”山門を越える”




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