車輪人の自転車日本一周・登山の旅 車輪人の自転車日本一周・登山の旅

2002年 8月22日 (木) - 46日目

天気 : 曇のち晴

体調 : 良好

宿泊地 : 頂上宿舎キャンプ場

本日の移動 : 白馬村~猿倉~大雪渓~白馬岳山頂~頂上宿舎

走行距離 : 15.6km

累計距離 : 1,616km
本日の出費

食費 : 514円

観光費 : 0円

宿泊費 : 500円

雑費 : 0円

費用詳細 : 食費:朝食、宿泊費:キャンプ場

現在地 : 白馬岳  ( 全走行図 )

最高の北アルプススタート

 今日は自転車で白馬岳登山口になっている猿倉まで登り、その後すぐに頂上宿舎まで登山予定で、余裕を持った登山のためには、早くからの活動が求められる。そのため朝4時に起床した。植田さんにも朝早くから出発準備を手伝ってもらった。弁当としておにぎりも貰い5時に出発した。植田さん。朝早くからありがとうございました。お弁当おいしかったです♪

 植田さん宅からは(スキー場47近く)朝、ぼんやりと唐松岳を望むことができ、今日の快晴を期待した。だが、国道まで下っていくと、あたりは深い霧に覆われた。10m先が全く見えないほどの霧で慎重に自転車を進める。そしてコンビニで朝食買う。朝、植田さん宅でもご馳走になったが、今から坂を上るためにすぐにお腹が空くだろうと思い購入した。

 さあ、いよいよ猿倉までの登りだ!気合を入れて登り始めると、すぐに前方に雄大な山々が浮かび上がる!そう白馬岳だ。あまりの雄大さにしばし見とれてしまった。白馬は冬に何度かスノボーで訪れたことはあるのだが夏は初めてで、南アルプスなどの他の3000m級の山々にはない雄大さがそこにはあり、感動してしまった。

 そんな北アルプスを望み力も入る。漕ぐ足も速まる。猿倉までの登りは傾斜の緩いところが多くて助かったが、それでも所々にかなり急な斜度もあり、そんなところはかなり苦労した。途中で朝買った朝食を食べ、さらに力をつけて登っていった。

 そして7時ちょっと過ぎに猿倉に到着。ここからの景色も素晴らしく白馬岳・小蓮華山の美しかったこと。でも、今日はそんな景色をここで楽しんでいる時間もない。急ぎ登山出発準備をする。自転車に積んだ荷物の大半をザックに積めるのだが、これが大変な作業なのだ。荷物をほとんど地面に放り出してザックに詰め直す。

 8時10分。いよいよ出発だ。憧れの北アルプスへの初登山。登山の旅もいよいよここまで来たのだ!果たしのどんな登山になるだろうか。

 さすが活き込んでいるだけに荷物の重さも気にならず足取りも速い。9時に白馬尻荘を越えて、いよいよ三大雪渓の一つでもある白馬大雪渓へ。そろそろ夏も終わりに近づき雪が一番少ない時期にも関わらず、すごい残雪量に驚いた。そして果てしなく続く大雪渓が美しかった。

 アイゼンを付けずに登っている方もいるが、安全を見て装着する。ここまで一緒に旅を続けてきた6本歯アイゼンがようやくここで役に立つときだ。今年の春の登山で何度か使っているため、装着もスムーズにすまして、雪渓へ第一歩を踏み出す。思ったよりも硬くしっかりした雪だ。さすがに6本歯だけに全く滑ることもない。やや肌寒い気温で快適に登っていった。

早朝の白馬岳
(白馬村より)
白馬岳
(猿倉より)
白馬岳の大雪渓

 その頃になると、だんだん雲に覆われてしまい、雪渓では深い霧の中になってしまった。白一色の世界で、数メートル先の登山者すら霧でよくみえないほどだ。慎重にトレースを探し登っていくと、徐々に傾斜も増してくる。始めは軽かった足取りもしだいに重くなり、呼吸も乱れる。雪渓では休憩出来るところが限られる。出っ張った岩場などしか、雪がないところがないからだ。そんな場所で休憩しようかとも思ったが、今日は雪渓を一気に越えようと思っていたので、ノンストップで登っていった。後半ちょっとバテるがなんとか雪渓を突破することができた。すぐにアイゼンを外し先へと霧のなかに進んでいった。頂いたおにぎりを、きりのよい、岩室跡まで登って食べようとそれを夢見ながら必死で登っていくが、その岩室になかなか着かない。跡ということで全く取り壊されてしまっているのだろうか。それともこの深い霧で見落としたのだろうか。そんな心配をしながら登っていくが一向に岩室が見当たらなかった。

 しかたなく、岩室を確認することなく休憩することにした。歩いた時間からするとここら辺が岩室のはずなのだが・・・ 時刻は11時頃だった。ここで、楽しみにしていた、おにぎりをいただく。この旅始まって始めてのお米の昼食だ。そして美味しいこと。あっという間に3個の大きなおにぎりを平らげた。植田さんありがとうございました。

 お腹も膨れたところで再スタート。すこし足取りも重く必死で登っていく。山頂はまだか・・・ 山頂はまだか・・・と心でつぶやきながら登っていった。そして、ようやく、非難小屋へ到着。疲れも溜まってきたため、ここで大休止しることにした。時刻はまだ11時半だ。ここからテントサイトの山頂宿舎までは1時間もかからないだろう。あとはのんびりと登ることにした。そう思いながらのんびり休憩していると、あの深い霧がサーっと晴れだし、そして目の前に鋭くとがった頂が!!あまりに高く鋭い頂に、なぜこんなところに槍ヶ岳があるんだ~ と思ってしまった。よく地図で確認すると天狗菱だと判明。あまりの感動に今後の展望が楽しみだ。この霧が晴れてくれればだが・・・ すぐにまた霧に包まれてしまった。

 非難小屋で大休止してから、のんびりと登っていった。さすがに疲労の色が濃く足が重い。ちょっと登っては休憩と、まるで自転車で長い坂道を登っているようなペースだ。登っていくと次期に霧が完全に晴れだして眼下に雲海が広がりだした。そして、さきほど感動した天狗菱もはっきりと姿を現し、その主峰でもある杓子岳も望むことが出来た。

霧の中からの突然の出現!
(杓子岳の天狗菱)
徐々に全貌が・・・
杓子岳と天狗菱

 そんな絶景を何度も振り返りながら休憩して登っていく。標高を稼ぐにつれて、天狗菱を見下ろすようになり、次第にその迫力は薄れていった。それにつれて今度は杓子岳の大きな山容が姿を現した。そんな美しい山容をなんども振り返りながら最後に力を振り絞り、今日の目的地でもある山頂宿舎へ登りきった。時刻は12時半だった。

 幕営地が混雑する前に場所取りをするため、さっそく手続きを済ませて設営した。今日はもうここでのんびりしようかとも思ったが、あまりの景色の綺麗さに白馬岳の頂に立ちたくなった。明日の朝にしようと思っていたが、明日の展望は保障できない。見れるうちに見ておこうと、小さなザックに荷物を詰め替えて30分ほど先の山頂目指して登ることにした。

杓子岳と遠く鑓ヶ岳
白馬岳山頂手前より
栂池方面
白馬岳山頂より栂池方面

 荷物はカメラと防寒着だけなのに足取りは重かった。それでも距離は短いので気合で上りきり白馬岳山頂に立った♪見事な雲海が広がり最高の気分だ。あまりの美しさに近くの単独登山者に「最高の展望になりましたね♪」と声をかけたりかけられたりと、いろいろな方と会話が弾む。そのなかでもすぐ隣に腰掛けていた小嶋さんと会話が弾んだ。1時間以上はここで展望を楽しみながら会話を楽しんだだろうか。それでも話は尽きず、一緒に山荘まで下山することに。小嶋さんは私の泊る山頂宿舎よりも少し高いところに建つ白馬山荘に宿をとっているそうだ。白馬山荘に着くと、「どうですか?一緒にお酒でも。ご馳走しますよ♪」と声をかけてくれ、迷わず頂く事に。この山荘は日本最大の宿泊者数を誇るそうで、さすがにレストランもありと設備も充実していた。その展望レストランで小嶋さんと一杯やりながら楽しい時間を過ごす。

白馬岳山頂より真っ白な雲海
白馬岳山頂♪
白馬山荘より杓子岳と鑓ヶ岳

 小嶋さんは私と同じ年くらいの子供を持つおじさんなのだが、とても若々しくとても”おじさん”といった感じではなく”お兄さん”といった感じでとても話しやすい方だった。尽きない話に盛り上がっていると、雲海は徐々に晴れだして、立山・剣山が顔をのぞかせ始めた。あまりの絶景にお互いカメラを持って外に飛び出し、さっそくツーショットで記念撮影。しばしその絶景を共に楽しんだ。

剣・立山をバックに記念撮影
剣・立山連峰
立山をバックに
小嶋さんとツーショット

 そのあとはまたレストラン内に戻り、また会話を楽しむ。このレストランにはお土産も売っていて、小嶋さんがお土産を物色しにいった。その間、私はテーブルでのんびり過ごしていたのだが、戻ってきた小嶋さんから「記念に・・・」といって小さなお土産をいただいた。さっそく中をあけてみると、中には白馬岳のキーホルダーが!また一つ一緒に旅をする仲間が増えた♪思いがけないお土産に嬉しく、また、旅の友が増えたことで心強くもあった。

 時間はあっという間に過ぎて、いつの間にか5時をまわろうとしていた。暗くなる前に自炊もしなければいけないので、小嶋さんとはここで別れるとことに。あまりの楽しさに、登山ルートも同じなため、また明日会うことを約束してお別れした。ほんとうにありがとうございました。

 15分ほど下って、キャンプサイトのある山頂宿舎へと戻る。急いで夕食の準備に取り掛かったのだが、ただ寒いこと寒いこと。急いで食事を済ましてテントの中に駆け込み寝袋に包る。HPの更新に取り掛かろうと思ったのだが、あまりの寒さと、そして疲れもあって日記を更新することなく、いつの間にか寝てしまった・・・

 なんでもこの前日の晩は初氷が張ったそうだ!寒いわけだ。この時期に氷が張ることは異常な寒さとのことだ。




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